- 助け合い、協力という言葉が都合よく使われている現実がある
- 仕事ができない人が仕事ができる人に協力を仰ぎ、できない人が成長しない職場環境
- 評価者以外に協力を求められた場合は必ず評価者にやるべきかを確認することでやり損はなくなる
- 絶対指示をすることで、頼む側、頼まれる側ともメリットがあるのでやるべきことと期限を明確にする
- 「自分の仕事もある中、協力をしてくれてありがとう」と、依頼する側に立った際は感謝とリスペクトを忘れずに
「助け合いの精神とか言って関係のない仕事ばかりくるのが許せない」「協力協力と言うが結局評価に繋がらないから意味がない」
こんな不満を元に毎日仕事に励んでいませんか?この記事を書く筆者もまさに同じような状況下にいたことがあり、部署を超えて業務が発生し、「評価にも繋がらないのに、自分はボランティア活動家なのか」なんて不満を爆発させていた時期がありました。
現代の職場では、「助け合いの精神」という言葉がしばしば耳にするテーマとなっています。しかし、この美しいフレーズの背後には、実際には仕事の能力差による負担の偏りや上司の指示の不明確さが潜んでいることが少なくありません。
この記事では、助け合いが名目上だけのものとなっている現実や、助け合いを求められた際の適切な対応方法、自らが協力を求める立場になったときの考慮すべき点について説明をしていきます。
助け合いの精神の誤解と職場での挑戦
仕事ができない人に回ってくるだけ
助け合いの精神は頻繁に使われるフレーズですが、実際には仕事ができない人から仕事ができる人へ仕事を振るケースが多くあります。仕事の責任や成長意欲がない人ほど、助け合いの精神と勘違いしてテロのように仕事を振っていくのです。
その結果、できない人が強制的にでもやる機会、すなわち成長する機会を奪ってしまっているため一生成長しない環境になってしまっています。
ただ、本当に忙しくて実施が難しい、または体調を崩してしまってどうしてもできないというケースももちろん存在しますので、一概にそうだとは限らないことを理解しましょう。
周囲からしたら仕事量が少ないと勘違いされて協力という名目のもと仕事を振られているケースも多々あるので、自分を客観視することも大切です。
上司が絶対指示をしない怠慢
二つ目は上司側の怠慢のケースが考えられます。筆者も実際に役職者であるため、部下に仕事を落とすケースが多いです。
そういった中で、「これをやっておいて」と不明確に仕事を振ることは上司にとって非常に楽です。
いつまでに誰がどこまでをやってくださいという明確な指示をするには上司側も考えるのに加え、明確な指示ほど責任を負いたくないスタッフから「なぜ自分がやらなければいけないのか」「忙しいからやりたくない」など反発を喰らうことが多いためです。
こう言った事実から、上から降ってきた仕事を部下に流すだけ、部下に反発されたくない、という思いが先行して絶対指示にしないという怠慢をしがちなのです。あなたの上司、もしくはあなたはどうでしょうか?仕事を振るケースがあれば気を付けるようにしましょう。
絶対指示の補足
絶対指示についての補足ですが、
- 「10キロ走っておいて」という指示
- 「10キロを1時間以内に走ってほしい」という指示
この2つであれば2がより明確な指示になります。
1のような指示だと、3時間かけて走った人も目標達成ですが、1時間以内に走った人からすると不満が出ます。
なぜなら、どう考えても10キロを3時間かけて走った人よりも1時間以内に走った方が価値が高いからです。こういった不明確な指示によって、現場から不満というのが出やすくなるのです。
またこの場合、全力で頑張っても1時間以内に走れなかった人が生まれてしまうと思います。これは能力の差があるため、しょうがないことです。だからタイムが1時間15分だとしても、「時間内に走りきれなかったからダメ」というわけではありません。
次に、この15分をどう埋めるか?どのような努力が必要か?という新たなタスクが生まれるのです。PDCAサイクルなんて言われますよね。
しっかりと明確な指示をすることによって、達成できない人も次にどうすればよいか、目標をどう縮めるかという明確な目標ができるため非常に重要です。
助け合いを求められたときの対応について
評価者の指示の元か?を確認する
直属の上司や評価者からの指示(協力要請)ではない場合、ちゃんと直属の上司や評価者に求められているものか?を確認するようにしてください。
直属の上司でない人の指示に従ってタスクをこなしてしまうと、会社に求められていないことに時間をかけてしまうことになるためです。
筆者の実例
これは筆者の実例ですが、「〇〇をことをいつまでにやってほしい」と部下に仕事を振ったところ、彼らが結局協力してほしいとか助け合いの精神のもとで団体で行動をし始め、私が求めていたものとは全く別の方向に進んでしまうことがありました。※これは筆者の管理不足でもありますが…
絶対指示の例に落として話すと、「10キロを1時間以内に走ってほしい」という指示を出した際に、スタッフ間で「トレーニングを手伝ってほしい」、「達成させるための靴を作ってほしい」「速く走るためのサプリメントを調達してほしい」など、他の人にもタスクが発生し全体の動きが遅くなります。
当事者が目標を達成することは非常に重要なことですが、自分以外の人にも求められている仕事があるので、1人の目標を達成するために他の人の仕事の時間を奪うことがOKとはなりません。
この辺の優先順位は上司と部下では全く異なるケースがあるので、直属の上司や評価者に求められているものなのか?を最初に確認することで、やったのに評価してもらえないなんて最悪なケースを防ぐことができます。
いつまでに何をやるかを明確にする
次に、明確にやるべきことと納期を確認しましょう。いつまでに何をするかを確認することが大切です。
- 協力してタスクを実施したのに、相手の求める期限を超えていた
- 協力してタスクを実施したのに、相手の求める成果ではなかった
協力する姿勢は素敵ですが、助け合いの精神のもとやるべきことをなーなーにしてしまっては上記のようなずれが起きてしまいます。求められていないものをを実施してしまうと、どちらにとってもメリットはありません。
仕事をするなら自分にとっても評価につながる方が良いですし、相手からしても協力してくれる人が求める成果を期限内に出してくれることが一番に決まってます。
そのためにも、相手から指示がなくても明確にやるべきことと期限をしつこいくらい確認してずれがないように進めていきましょう。
中間報告を必ずする
作業を始めた後には、認識の相違がないように進め方が正しいかどうかを直属の上司や評価者に確認してください。
特にクリエイティブ職の方は、明確な指示があっても人のセンスが影響する部分が大きいためこの中間報告や確認が必須になってきます。
営業職の場合は期間中に100件営業して最低でも5件は契約とってくるなど比較的明確な目標設定が可能です。しかし、クリエイティブな分野では指示の解釈に幅が出ることがありますので、方向性を間違えないためにも中間確認を行うようにしてください。
自分が協力を求める場合にやるべきこと
自分が協力を求める側に立った場合のやるべきことです。
評価者に協力を仰ぐべきかを確認する
まずは、評価者だったり、直属の上司にこの業務を他の人にも振ってもいいか?という権限の要求をしてください。
上司に対しては、それによって得られる成果などを仮設でもいいので持っていくことでOKが通りやすくなります。間違っても、助け合いの精神や協力が必要だろうと自分で勝手に判断して仕事をすることはやめてください。
考えなくていいレベルの絶対指示を出す
二メンバーには、もうやり方を考えさせないレベルに明確に指示を出しましょう。
マラソンの話でいうと、「10キロ60分以内に、5キロ地点を28分以内に通過してほしい」くらい明確に伝えてあげることが大切です。
タスクを設定しても多くのケースで納期ギリギリで着手し始め結局後ろ倒しになってしまう傾向があるので、最初から中間目標を決めておくと遅延が防げます。
また、中間目標を定めることで最終的に求めているものとは全く違うものが上がってきたりなどの無駄な時間を減らせるというメリットもあります。
感謝やリスペクトを忘れない
最後はリスペクトや感謝の気持ちを忘れないことです。
これは仕事術、テクニックやとかそういった話ではなく、人間として協力してくれたり助けてくれた人への感謝は忘れてはいけないという大前提の話しになります。
同じ会社なんだからとか、同じ部署なんだから当たり前という考えはもう一旦捨ててください。今ある環境や自分の業務がある中、手伝ってくれた人には必ず感謝を伝えましょう。
「ありがとう」という言葉は何回使っても良い言葉ですし、価値が薄れるものでは全くありません。「ありがとう」という機会が多い方が良いに決まっています。
これよって次回も仕事に対して快く協力してくれたり、助けてくれる人が増えることでしょう。
その際に手伝ってくれたことに対してに加え、「””自分の業務もある中””手伝ってくれてありがとう」と相手の業務へのリスペクトも忘れず行うことです。
感謝とリスペクト。大切なので2回言いますが忘れないようにしましょう。
協力をする時も頼む時も”絶対指示”と”感謝”が大切
本記事では、職場における助け合いの精神の誤解と、上司による不明瞭な指示が職場内での混乱の一因となっていることなどを書いていきましたがいかがだったでしょうか?
今は助け合いに不満を持つかもしれませんが、役割や責任が増えてくると協力してもらわないと絶対に終わらないなんてことも増えてくるものです。
その際に絶対的な明確な指示と感謝を持つこと。文字にすると当たり前のことに聞こえますが非常に重要になります。
この記事を通して、助け合いの精神に疑問を持つ人のどこにぶつければいいかわからない多くの不満や、今後起きゆる問題が、1つでも減らせれば筆者冥利に尽きます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。