- 評価は数字で見える形にするのが最重要。昨年対比や長期トレンドなど、自分が担当になったことにより数字を改善したなどの根拠を出せるようにしておく
- 明らかな結果を出していても、給与や賞与といった形で還元してくれないことはよくある。会社の業績が悪く社員に還元する原資がない場合など
- 評価は常に他者にされるもので、一般社員の場合は直属の上司であるから、直属の上司に求める役割を全うするべき
「個人目標を達成しているのに評価をされない」「結果が出ているのに給与が上がらない」
毎日頑張って仕事しているのに、賞与や給与のアップという目に見える形で評価がなされないのは辛いですよね。
本記事では、評価されるために必要な視点と具体的な行動について解説します。数字で見える成果の出し方、会社の状況の見極め方、そして最も重要な他者評価の仕組みまで筆者の実体験を交えながら、あなたのキャリアアップにつながるヒントをお伝えします。
「頑張る」だけでなく「評価される」ために、今すぐできることが見つかるはずです。
評価を数字で見える形にするのが最重要
まず最初に確認すべきは評価が見える形になっているか?本当に貢献ができているか?です。
あなた数字が上がっていることが誰が見てもわかるようなデータや事実などを提示できていますか?
例えば、昨年との対比や長期トレンドなどです。この3年間の売上の推移やアクセスの推移、顧客数などなどを3年あるいは5年といった長期のトレンドを踏まえて提示をします。
自分が担当になったことや自分が実施した施策によって、明らかに数字の改善がある、貢献できているという事実をデータベースや数字ベースで示すことが重要です。この数字があると事実として伝わりやすくなります。
「頑張っている」というのは人の感情に基づくものなので、人によっては評価されたりされなかったりすることも多いです。
そのため、このような数値があると自分の直属の上司にも伝わりやすく、さらにその上の上司にも伝わりやすくなります。本当にその数値の変化、結果が出ているのであれば、自然と評価はされやすくなります。
したがって、しっかりと事実となるデータなどを提示できるようにしましょう。
数字が上がる=評価が上がるとは限らない
次に売上利益にどれだけ貢献できているかを証明できていますか?
例えば、飲食店のオープンに携わり、オープン時に有名インフルエンサーをSNSで多数起用して客数を増やしたとしましょう。
開店当初はインフルエンサーのおかげで客数が増えて繁盛しているように見えても、インフルエンサーに支払った費用を経費として見たときにお店に利益は残るでしょうか?
確かに客数は増えて売上も上がっているのだけど、支払った経費が大きすぎて利益が出なかった場合は利益貢献とは言えません。
本当に評価されるのはそこで作った知名度をしっかり2回目や3回目の来店につなげられるか?もしくはインフルエンサーを起用したとしても、その経費を引いても利益を残せるくらいの売上を上げられるか?といったところが重要になります。
これは数字のトリックでもあるのですが、売上が上がれば評価が上がるのは当然のことです。
しかし上記の例のよう、中身を見ると会社のお金を使って数字を上げているだけで、実質はマイナスであり本人の実力とは全く関係ないパターンが結構あります。
自己評価は高いけれど、会社の評価が上がらなかったり上司の評価が低い理由の1つかもしれないので、今一度自分が出した結果について見直してみましょう。
そもそも評価が形になる環境なのか?
そもそも評価が形になる環境なのか?これが一番大事だったりします。しっかりと評価を給与や賞与のアップという形で還元してくれる環境なのか?ということです。
例えば赤字の会社で1人が奮闘して赤字額を減らしたとしても、人からの信用や言葉上の評価は上がると思います。「君のおかげで売上が上がった」「この会社のエースだ」などと言われるでしょう。
ただし、人からの評価が上がってもボーナスが上がったり昇進して給与が上げることは*難しいでしょう。これは本人の問題では全くなく、会社側の問題です。会社側に評価という形で還元できるほどの余裕がそもそもないためです。※計画的に赤字を出したり、成長段階で資本がある会社は例外
勘違いしないでほしいのは評価はされているということです。ただ、それが形にならないというパターンです。
細かい会社の財務状況は一般社員には見えないため、売上が上がっていたり自分に与えられている目標を達成していると、評価をされて当たり前という社員と会社の実情に溝が生まれます。
ベンチャー企業やスタートアップ企業などでは、「業績が悪いときにいてくれたメンバーだから、業績が良くなったらその分還元します」とか、「立ち上げメンバーだから重役に就きやすい」などの可能性があったり、そこに対して自分自身がやりがいを見いだせるのであれば、人からは信用されているし評価もされているのでそのままでよいかもしれません。
ただし、全くそういうわけではなく、やはり評価というのは給与であったりボーナスの額であったりするものだと認識している場合、その上で評価が上がらない理由が会社の現状や業績不良の場合は環境を変えるしか方法はないかと筆者は認識しております。
なかなか厳しい選択を迫られますが、努力が確実に報われる環境を選ぶということも、今この瞬間だけ見た時に重要な選択と言えるでしょう。
筆者の実例
実際に筆者の実例をお話しさせていただきます。まずは筆者もこのように評価はされているのに給与が上がらないといった環境で働いた経験があります。
入社3年目の時に、会社の急激な業績不良でボーナスの額も5分の1ぐらいの額まで下がりました。元々給与は年三回(夏+冬+決算賞与)、毎月の給与の5ヶ月分近くを年間でもらっていたのに対し1ヶ月分しかもらえない状況です。
会社が経営難に陥ってから毎月赤字になるか黒字になるかという経営状況でしたが、社員の中で明らかに売上貢献をしていたり、それを数字としても証明できていたので会社の中で評価はされて役割は上がっていきました。
実際、グループ会社の事業責任者から本部の事業責任者に昇進し、見る人数も5人から会社全体になるので、40人とか50人のような大きいチームになりました。経営の会議に参加したりとやる範囲は広くなり役割も上がっています。
ただ、年収がすごく上がるかというと全くそんなわけではなく、むしろ昔の方がボーナスはもらっていたのではないかというようなことが起こってしまっていました。
人の評価自体は当時よりも高いですし、高いからこそ経営会議に出て会社全体の本当に経営のところまで携われているので、自分自身の成長という面ではやりがいは感じていました。
ただ、役割が明らかに増えたり役職も上がっているのに給与が上がっていかないのには少し悲しいですよね…。評価の話しとは少しずれますが、業績不良の中結果を出すような優秀な同僚ほど辞めていくという悪循環が起きました。
自己評価と他者評価の仕組みの理解は大事
自己評価と他者評価の仕組みの理解は大事です。 今ここまで、評価や数字を出しているのに評価されない、頑張っているのに評価されないという話をしてきましたが、評価はどの会社でも自己評価ではなく他者評価であるということを理解しましょう。
会社の価値や評価というのは売上や利益で判断されると思いますが、この会社の価値や評価を決めているのは市場であるお客さんです。ブランドや商品を作るのは会社側ですが、それを買うお客さんの数や、お客さんから得られた金額によって会社は成り立っています。
すなわち、会社の中の人が売上を作っているのではなく、会社の中の人が作ったものを買うお客さんがいるからこそ評価されて売上が立つのです。
これは人事の評価も同じで、自分で自分の評価がすごく高くても、あなたの評価を決めるのは評価者である上司になります。
なので上司の評価が低かったら、どんなに自己評価高くても評価にはつながりません。目の前の上司が何を求めているのか、与えられた役割の確認をしっかり行った上で上司の評価を上げるというのがまず一番大事なことになります。
自分の実力や立ち位置を勘違いして上司のさらに上の上司にこびを売って大きい役割を担おうとか、そういったことが評価が上がると思われがちですが、やはり直属の上司を勝たせられる人が、日本のこの会社組織の中では出世をするということを忘れずないでおきましょう。
- 知っている=自己評価
- やっている=自己評価
- できている=他者評価
知っているというのは自分自身、やっているというのも自分自身のことですが、できているかできていないかというのは他者が評価することです。
まとめ
ここまで仕事で成果を出しているにもかかわらず、適切な評価を得られていない状況について考察してきましたがいかがだったでしょうか。
結果や数字をがむしゃらに出すことは重要なのですが、それを誰が見てもわかる形でデーターなどを揃えられるようにしましょう。会社が大きくなればなるほど社員1人1人の細かい貢献度は見えづらくなりますから尚更です。
そして、ただ広告費を使って数字の上がっているように見えても、実際は広告費を増やした分利益が残ってないなど数字のトリックは起きがちなので、この利益意識を持つこともポイントです。
なかなか一般社員レベルでは財務状況の細かい部分は公開されませんが、高い視座を持って損をすることはまずないです。
この記事を読んでくれた1人でも多くの方、頑張っている、結果を出しているのに評価をされないモヤモヤから1日でも抜けることができれば筆者冥利に尽きます。
それは環境を変えることなのか?はたまた評価してもらえるよう事実をさらに形にして上司に提示することなのか?置かれている状況は異なると思いますが、選択肢はたくさんありますから明日からも仕事を頑張りましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました!