- 協力は当人間での「手伝ってほしい」ではなく、上司の指示のもと役割として動いてもらうのがお互いスムーズ
- 協力してほしい業務の優先度は人によって異なる前提条件を理解することがまず大事
- 協力して欲しければ、とにかく”挨拶”を徹底せよ
- 協力してほしい役割を明確にして「協力してほしい」というざっくりな要請を避けるべき
「同僚がなかなか仕事に協力してくれない」「非協力な同僚がいてイライラする」
こんな思いを抱きながら仕事をしていませんか?自分は極力困っていることがあれば助けるようにしているのに、なぜか協力的でない同僚がいれば納得できないですよね。
筆者も「これやれば売上が絶対上がるのに、なぜBさんは非協力で自分のことばかり優先するのだろう?」なんて経験は多々あります笑
ただ、結論から言うと、協力という言葉に頼らず役割を明確にしてあげることで協力をしやすい、そして協力をしてほしい場合は上司の指示のもと動くのが吉ということをお伝えさせていただきます。
自分からすると大事な業務でも、相手からすると優先度が低いことなど、人によって考えた方は異なります。それは会社の規模が大きくなるほど、メンバーがいればいるほど理解できないくらい違う考えな人もいることでしょう。
今日は、そんな非協力な社員に対する考え方を、自分がどう変わっていくか?という自分ベースで書いていきます。ぜひ最後までお楽しみください!
優先度は人や役割によって違うのは大前提
職場で「協力してくれない同僚がいる」という悩みを抱える方は少なくありません。しかし、この問題を考える上で最も重要な大前提があります。それは「相手と自分の優先度は異なる」という認識です。これは当たり前のことのように思えますが、実際の職場では見落とされがちな重要な視点です。
私たちは往々にして、自分にとって重要で優先度が高いことは、相手にとっても同じように重要だと思い込みがちです。しかし実際には、一緒に働く仲間であっても、それぞれに与えられた役割が異なり、その結果として優先順位も自ずと違ってきます。
例えば、ある人は仕事により重きを置き、別の人はプライベートの充実を重視するかもしれません。このような基本的な価値観のレベルでも、既に優先度の違いは生じています。また、同じ「売上向上」という会社の目標に対しても、広告での売上拡大を重視する社員もいれば、営業活動による成果を重視する社員もいるでしょう。
このように、優先度の違いは個人の価値観や与えられた役割によって必然的に生じるものです。そのため、自分がどれほど重要だと考え、協力すれば良い結果が出ると確信していても、相手にとってはそれほど優先度が高くないかもしれません。その場合、相手の対応が非協力的に映るのは避けられません。
こうした優先度の違いを理解し受け入れることが、職場での協力関係を考える上での出発点となります。相手と自分の優先度が異なることを認識し、その上でどのように協力関係を構築していくかを考えることが重要です。
誰を巻き込むかは上司の承認を得るべし
業務を進める上で、1人では対応できないことがあらかじめ明確な場合、まず上司に相談することが重要です。具体的には、「メンバーを追加する形で進めてよいでしょうか?」「責任者は誰々さんだと考えているのですが、一緒に取り組むよう指示していただけませんか?」といった形で、上司の判断と指示を仰ぐことから始めます。
この際に重要なのは、自分で直接同僚に協力を依頼することは避けるべきだという点です。これには重要な理由があります。組織において、各メンバーは上司から特定の役割を与えられています。例えば、あなたには上司からAという役割が、同僚のBさんには上司からBという役割が与えられているという構造があります。
この組織構造において、同じ立場の社員同士が独自に判断して業務を生み出したり、協力関係を構築したりすることは、上司による適切な業務管理を困難にしてしまいます。そのため、協力が必要な場合は、必ず上司に確認し、誰を巻き込むべきかの判断を仰ぎ、その上で上司から該当者への指示を出してもらうというプロセスを踏むことが大切です。
このように適切なプロセスを踏むことで、「協力してくれない」という問題自体が発生しにくくなります。なぜなら、上司からの指示という形で協力要請が行われることで、それは単なる依頼ではなく、業務上の役割として明確に位置づけられるからです。つまり、「協力してくれる、してくれない」という個人間の問題ではなく、組織として与えられた役割を遂行するという形に変わるのです。
結果として、上司からの適切な指示があれば、協力を要請された側も自身の役割として認識し、同じ目的のために協力して取り組む体制が自然と整います。このように、協力が必要な業務を進める際は、まず上司への相談と指示を仰ぐことを心がけましょう。これが、円滑な業務遂行への近道となります。
明確化こそ全て、協力という曖昧な依頼はなくす。
業務において、一人では対応が難しい状況に直面し、「協力してほしい」「自分は頑張っているのに協力してくれない」といった思いを抱くことは少なくありません。しかし、ただ漠然と「協力」という言葉に頼ることは避けるべきです。効果的な協力関係を築くためには、より具体的なアプローチが必要となります。
最も重要なのは、協力を求める際の役割の明確化です。たとえ協力する意思のある人がいたとしても、役割が不明確であれば、「邪魔になってしまうのではないか」「自分が戦力として役立つだろうか」といった懸念から、手を挙げにくい状況が生まれてしまいます。
例えば、「広告業務で協力してください」という漠然とした依頼ではなく、「広告運用は自分が担当できるが、デザインの知識が不足しているため、デザインができる人をチームに加えたい」というように具体的に役割を示すことで、協力を求める相手は自分の貢献可能な部分を明確に理解できます。さらに踏み込んで、「実写のバナー画像は作成できるが、イラスト系のデザインができないため、イラストレーターの方に協力いただきたい」といったように、より詳細な役割を示すこともできます。
このように役割を明確にすることで、複数のメリットが生まれます。まず、協力を求められた側が自分の能力やスキルが活かせるか判断しやすくなります。また、上司にとっても適任者の選定がしやすくなり、適切な指示を出しやすい環境が整います。結果として、協力してくれる人が増える可能性も高まります。
つまり、単に「人手が足りないから協力してください」という依頼ではなく、「どのような専門性を持つ人に」「どの部分で協力してほしいか」「自分のどの部分が不足していてそれをどう補ってほしいか」という具体的な役割を明確にした上で、上司に相談したり、協力を求めたりすることが重要です。この明確な役割の提示が、効果的な協力関係構築の第一歩となります。
協力してもらう人になるにはどうするか?
「協力してもらえる人になるための具体的なアプローチ」について解説していきます。
多くのビジネス記事では、非協力的な同僚への対処法として、まず「協力してもらえる人になる方法」を提示することが一般的です。しかし、この観点はより本質的な部分として最後に位置づけられるべき要素です。その理由は、これが単なるテクニックではなく、職場での信頼関係構築の基盤となるからです。
とにかく挨拶をしまくる
第一に挙げられるのが「挨拶」の実践です。これは協力を得るための手段としてではなく、職場での基本的なコミュニケーションとして重要です。
朝の「おはようございます」、帰りの「お疲れ様でした」、すれ違い時の「お疲れ様です」など、同じ会社の仲間に対して、状況を問わず必ず実践することが大切です。場合によっては、同じビルで働く他社の方々への挨拶も含まれます。「お疲れ様です」という言葉は、誰に対して使っても失礼にならない普遍的な挨拶のためです。
現代は、この「挨拶」が特に価値を持つ時代となっています。リモートワークの普及や職場でのチャット文化により、対面でのコミュニケーション機会が減少しているためです。
それに加え、従来の体育会系的な社風も見直される中で適切な挨拶ができる人材の価値が相対的に高まっています。以前は当たり前とされていた挨拶が、今では「しっかりした人」という評価につながりやすい状況となっているのです。これは現代を生きる私たちにとって、ある意味で特権的な状況といえます。
連絡は即レス、即対応。とにかくスピード
次に重要なのが「即レス・即対応」の姿勢です。連絡や問い合わせに対する素早い反応は、信頼関係構築の基礎となります。なぜなら、応答の遅さは「この人に連絡しても返事が遅い」「この人に聞いても意味がない」といった否定的な印象を与え、将来の協力関係構築の障害となるからです。
完全な回答ができない場合でも、「現在対応できない理由」と「対応可能な時間」を明確に伝えることで、相手の不安や疑念を払拭することができます。
例えば、「会議が続くため17時以降の回答となりますが、ご質問いただいた件は必ず19時までにご返信させていただきます」といった具体的な時間の提示を含む返信は、相手との良好なコミュニケーションを維持する上で非常に効果的です。このような対応により、相手はあなたとのコミュニケーションを取りやすいと感じ、結果として協力関係も築きやすくなります。
相手のメリットを提示してあげる
「相手のメリットを探して提示する」という視点も重要です。単に「同じ会社だから協力すべき」という考えでは、現代の職場では通用しにくくなっています。残念ながら、「一緒に頑張ろう」という掛け声だけでは人は動いてくれません。
相手が協力することで得られる具体的なメリット、例えば「評価につながる成果」や「スキルアップの機会」などを明確に示すことが、効果的な協力関係構築につながります。
具体的には、協力を求めたいCさんがいる場合、「Cさんと協業することでどのような成果が期待でき、それがCさんの評価にどう影響するか」といった観点から検討し、提示することが有効です。
筆者もよく、「実は僕の目標である仕事が伸びればDさんの目標達成にも足しになる」みたいなコミニケーションを上司を巻き込んでとっていました。「だから業務は異なるが、一緒に同じ方向を向けて動いた方が結果の最大化になる」といった具合に…。
このように相手の立場に立って考え明確なメリットを示すことで、より積極的な協力を引き出すことができます。相手にとって目的が明確になれば、自然とモチベーションも高まりより良い協力関係を築くことが可能になるでしょう。
これらの取り組みは、一朝一夕に効果が表れるものではありません。
しかし、日々の地道な実践を通じて徐々に「協力してもらいやすい人」という評価を築いていくことができるのです。重要なのはこれらの行動を協力を得るための手段としてではなく、職場での基本的な姿勢として実践することです。
その結果として、自然と周囲からの協力が得られやすい環境が整っていくのです。
協力される人は人への配慮が全て
そもそも優先度が違うことや、上司に確認をとって協力者を任命してもらう話、協力してもらいやすい人になる秘訣について書いていきましたがいかがだったでしょうか?
テクニック論はたくさんあると思うのですが、やはり挨拶をしっかりするなど基本的な社会人としての行動がともない、初めて「協力してあげたい」「(上司から見て)応援してあげたい。人をつけてあげよう」などと思われやすい人間になると思います。
散々書いてきて、結局挨拶かよ!となる気持ちもわかりますが、こういった当たり前のことを当たり前にやることで得るものはたくさんあります。逆に言えば、どんなに結果を出していても、挨拶1つで悪い印象を人に与えかねないということでもあります。
上司への確認など色々やることはありますが、この記事を見た1人でも多くの方が、まずは挨拶からでも意識して明日から取り組んでいただければ筆者冥利に尽きます。
最後まで読んでいただきありがとうございました!