- 求人が多く出ている大企業は人の出入りが激しく、一定「やばさ」が存在するのは事実
- しかし人が辞める = ポジションが空く = 昇進のチャンスが多いという見方もできる
- 筆者は入社3ヶ月でマネージャーに抜擢され、その後部長職まで昇進した経験がある
- 大企業の役職経験は転職市場で圧倒的な武器になり、キャリアの選択肢が広がる
- 「自分には無理」と思い込んでビビっているのは機会損失。迷わず応募すべき
「あの大企業、いつも求人が出ているけど、何か問題があるのかな?」「自分なんかが大手企業に入れるわけない…」
転職サイトを見ていて、こんな風に思ったことはありませんか?Amazon、楽天、リクルートといった誰もが知る企業の求人を目にしながら、なぜか尻込みしてしまう。確かに年中求人を出している会社は「人が辞めやすい」という側面があるかもしれません。
しかし、その事実を「やばい」とだけ捉えていては、外野と同じです。
人が辞める会社 = ポジションが空きやすい会社 = チャンスが多い会社、という見方もできるのです。実際、筆者は社員数千人規模のメガベンチャーに入社後、わずか3ヶ月でマネージャーに抜擢され、その後部長職まで昇進しました。上司が辞めてポジションが空いたからです。
この記事では、求人が多い大企業に挑戦することの本当の価値について、筆者の実体験を交えながらお伝えします。あなたが今、大企業への応募を迷っているなら、その一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
求人が多い大企業の実態:確かに「やばさ」は存在する
まず前提として、今回お話しするのはある程度名前が知られている大企業やメガベンチャーに限定した話です。本当に中小企業で常に大量の求人を出しているような会社は、マジで地雷の可能性があるので除外します。
ここで重要なのは、「やばさ」には2種類あるということです。
中小企業のやばさは、労働基準法ギリギリアウト、あるいは完全にアウトなやばさ。サービス残業、給料未払い、パワハラ放置といった、本当にマジでやばいやつです。
一方、大企業のやばさは、ギリギリルールが守られているやばさです。
大きな会社ほど、法務部門や人事部門がしっかり機能しているため、労働基準法や各種コンプライアンスは徹底されています。残業時間は厳しく管理され、有給も取得できる。ハラスメント研修も定期的に行われ、働き方改革も表向きは完璧です。
つまり、法的には守られているから、最悪の事態にはならない。ブラック企業のような違法性はないのです。
大企業のやばさって一体なに??
それは組織の大きさゆえの政治性や、意思決定の遅さ、古い体質といった「働きづらさ」のやばさ。法律では測れない部分のやばさなのです。
転職活動をしていたり、リクナビやマイナビに登録していると、意外にもAmazon、楽天、リクルートといった誰もが知る企業の求人を頻繁に目にすることがあります。「え、こんな大企業が常に人を募集しているの?」と驚くかもしれません。
そして多くの人は「自分にこんな大きな会社入れないだろう」「こんな大手で働けるのかな?」と謙遜してしまい、応募すらしないという選択をします。
しかし、ここで立ち止まって考えてほしいのです。なぜ、その企業は常に求人を出しているのか?
答えは単純です。人が辞めているからです。
年中求人が出ている会社は、もちろん事業拡大で人が必要という側面もありますが、それ以上に人の回転が早いというのが事実でしょう。入る人もいれば、辞める人も多い。大きな会社ほど、この傾向は顕著です。
人が辞める理由:理想と現実のギャップ
では、なぜ人は辞めるのか?
筆者が勤める会社も社員数千人規模のメガベンチャーですが、入社時の光景は今でも忘れられません。月に2回ある入社日のうちの1回で、なんと一緒に入社する中途採用者が数十人もいたのです。それ専用の入社ガイダンスが開催されるほどでした。
「こんなに中途採用が一緒のタイミングで入るんだ」「しかもこれが月に2回もあるなんて」と驚きましたが、裏を返せば、それだけ人が辞めているということです。
実際に会社に入ってみて分かった、人が辞める理由は以下のようなものでした:
大きいがゆえに動きづらい 組織が大きくなればなるほど、意思決定のスピードは遅くなります。何かを変えようとしても、関係部署が多すぎて調整に時間がかかる。
政治的な働き方が必要 創業期から在籍している社員が「神」のような存在になっていることもあります。その人たちとの関係性を意識しながら仕事を進めなければならない。
理想と現実のギャップ 採用時にはキラキラしたイメージを打ち出していても、実際に入ってみると意外に古い体質が残っていたり、思ったほどキラキラしていなかったり。このミスマッチで辞める人も少なくありません。
こうした理由で人が辞めていく。これは事実です。世の中的に見れば「やばい会社」という評価になるかもしれません。
しかし、それこそがチャンスである理由
ここからが重要です。
人が辞める会社 = やばい会社、という一面的な見方だけで終わらせていては、外野と何も変わりません。実際に中に入って、そのチャンスを掴みに行く視点が必要なのです。
人が辞める = ポジションが空く = 昇進のチャンスが生まれる
この単純な事実を見逃してはいけません。
筆者の実体験:入社3ヶ月でマネージャーに抜擢
筆者自身の経験をお話しします。
入社当初、筆者には上司がいました。その方は50歳くらいで、上場企業の役員を経験されたような方でした。「こんなすごい人の下で働けるなんて」と思っていたのですが、なんと入社して1〜2ヶ月ほどで、その上司が退職されたのです。
「僕の面倒、誰が見るの?」と最初は思いました。しかし、これがチャンスだったのです。
上場企業の役員経験者が辞めるということは、それなりのポジションが空くということです。入社3ヶ月ほどで、筆者はマネージャー職に抜擢されました。「ポジションが空いているんだから、誰かが行かなきゃいけないでしょ」という理由で。
その後も順調にキャリアを積み、部長職まで昇進しました。
もし、この会社が「人が辞めない会社」だったらどうでしょう?ポジションは埋まっていて、昇進のチャンスはなかなか回ってこなかったはずです。人が辞めるからこそ、チャンスが生まれたのです。
大企業の役職経験という「切符」の価値
ここで冷静に考えてみてください。
大企業やメガベンチャーで、マネージャーや部長といった役職を経験することの価値を。
転職市場において、この経験は圧倒的な武器になります。職務経歴書に「○○社(大手企業)で部長職を務めていました」と書けるのです。
筆者も以前、採用担当として現場のトップを務めていた際、「KADOKAWAでマネージャーをやっていました」という方や、「サイバーエージェントで役職者をしていました」という方と面接したことがあります。
正直、入社後に「あれ、イメージと違うな」と感じることもありましたが、書類選考の段階では「KADOKAWA」「サイバーエージェント」というネームバリューと「マネージャー」「役職者」という肩書きで、「すごい人なんだろうな」という印象を持つわけです。
これが使えるということです。
会社のネームバリューと役職経験という組み合わせは、転職市場で使い放題の切符になります。
だから、ビビらずに応募すべき
ここまでの話をまとめます。
- 求人が多い大企業 = 人が辞めやすい = 確かに一定の「やばさ」はある
- しかし、人が辞める = ポジションが空く = チャンスも多い
- 大企業で役職を得られれば、それは一生使える武器になる
「自分なんかが大企業に入れるわけない」と思い込んでいるのは、あなただけです。
大企業に入ったからといって、みんなが優秀なわけではありません。実際に働いてみればわかりますが、普通の人もたくさんいます。あなたが思っているほど、ハードルは高くないのです。
求人が多く出ている = それだけチャンスが多いということです。
人がバンバン辞めるなら、ライバルもバンバン減っていく。あなたにとってはチャンスじゃないですか。
応募して、入社して、ちゃんと役職を得る。その会社が気に入れば勤め続ければいいし、もし気に入らなければ、大企業で役職者をやっていたという切符を持って、次の転職活動に役立てればいい。
どちらに転んでも、あなたにとってプラスなのです。
行動しない理由を探すのはやめよう
多くの人は、行動しない理由を探すのが得意です。
「求人が多いってことは、何か問題があるんじゃないか」 「自分のスキルでは足りないんじゃないか」 「今の会社を辞めるリスクが怖い」
こうした思考で止まってしまう。しかし、それではいつまで経ってもキャリアは変わりません。
確かに、求人が多い会社には「やばさ」もあるでしょう。でも、その「やばさ」を上回るチャンスがあるのも事実です。そして、そのチャンスを掴めるかどうかは、あなた次第なのです。
外から見て「やばそう」と言っているだけでは、何も変わりません。中に入って、ポジションを掴みに行く。そういう攻めの姿勢が、キャリアを切り拓くのです。
求人が多い大企業は、チャンスの宝庫
求人が多く出ている大企業を見かけたら、「やばそう」で終わらせるのではなく、「チャンスだ」と捉えてみてください。
人が辞める会社は、ポジションが空きやすい会社です。そして、そのポジションを掴めば、大企業というネームバリューと役職経験という、転職市場で一生使える武器が手に入ります。
「自分には無理」と思い込んでいるのは、あなただけです。ビビらずに応募してみる。それだけで、あなたのキャリアは大きく変わるかもしれません。
この記事を読んだ1人でも多くの方が、大企業への挑戦という一歩を踏み出し、キャリアの悩みが1つでも減れば筆者冥利に尽きます。最後まで見ていただき、ありがとうございました!
