- 誰が何をやっているかなんて、一般社員は把握する必要はないし都度上司に聞けばOK
- 互いの業務内容を知り過ぎると、干渉し過ぎて進まなかったり弊害が生まれる
- 仮にあなたが上司になったら、明確な役割を与えて組織図や業務マップなどを作って、上司であるあなた自身は最低限把握をするべき
- 頼める人が近くにいるのはいいが、若い頃からできないことは頼むの大企業の役職者スタイルだと詰む
「社内の誰が何の仕事をしているのかわからない」「業務の分担が不明確で困っている」
このような悩みを抱えながら毎日会社に通っていませんか?組織構造や業務分担がはっきりせず、何かを依頼するときにも誰に聞けばいいのかわからない状況は、ストレスや不安を感じるものですよね。
しかし、「誰が何をやっているのかわかる」状態が常に理想的とは限りません。むしろ、互いの業務が見えすぎることによる弊害もあるのです。
筆者は社員が少ないベンチャー企業に務めた経験から、お互いの仕事が見えすぎることで生まれる比較や干渉が、かえって業務の進行を妨げることも経験しました。
そんな経験をした筆者だからこそわかる、「誰が何をやっているかわからない」状況の捉え方や対処法、そして本当に大切にすべきことについてこの記事では紹介していきます!
管理職でもない限り、誰が何をしてるかなんて知らなくて良い
今すぐにでも、誰が何をやっているのか知りたいと思うことをやめてください!この問題を気にする必要があるのは上司だけです。
あなたが人を管理する立場や役職についていて権限があるのであれば、組織図や業務マップを作成して「誰が何をやっているかわからない状態」の改善に努めるべきでしょう。
しかし、あなたが一般社員で業務マップや組織図の作成が求められておらず権限もない場合は、この状況を気にする必要はないのです。何かを頼みたいときは、上司に「誰に何を依頼すべきか?」「これは自分でやるべきなのか?」と確認すれば十分です。
理由として、不満や不安は個人によって異なりますから、一般社員が「誰が何の仕事をしているかわからない」と感じていても、上司や経営層がそれを問題と捉えていなければ実際には問題ではないのです。
人それぞれ悩みや不満は存在する
9時出社に対して大きなストレスを感じる人もいれば、「決まっているのだから仕方ない」と何のストレスも感じない人もいます。
他社ではリモートワークが許可されているのに自社では認められないことに不満を持つ人もいるでしょう。
しかし、どんなに文句を言っても、「会社の方針なので仕方ありません」で済むと思います。社員の不満だけを理由に出社時間が12時になるようなこともないはずです。
「誰が何をやっているかわからない」という悩みや不満もジャンルは違うかもしれませんが同様です。
同じ立場の社員同士で話せば「みんなそう思っている」と感じるかもしれません。しかし、それは同じ視点を持つ人たちの意見であり、社長や経営陣、上司、管理職も全員同じ考えとは限りません。
むしろ上司は「人のことばかり気にして自分の仕事をしていない」とあなたに対して違った悩みを持っているかもしれません。
結局「誰が何をやっているかわからない」状態は気にする必要がないということを理解していただければ幸いです。
違いの業務内容を知っていた方が協力できる間違い!?
誰が何をしているかわかる状況というのは一見ポジティブに聞こえるものです。誰に頼めばよいかすぐわかり、悩みが早く解決するように思えます。「風通しがいい」などと表現されることもあるでしょう。
しかし、こうした状況には見落とされがちなネガティブな側面もあります。それは「一つの業務に干渉する人が増えて進みが悪くなる」という点です。
「協力してやりましょう」「コミュニケーションをスムーズにしましょう」というのは聞こえがいいですが、実際には各々の担当が分かれていることにも理由があります。
例えば、マーケティング部門の広告担当者より、後から入社したデザイナー経験者の方が広告の知識/経験ともにある場合もあるとしましょう。
この場合、担当者ではないデザイナーが「こうした方がいいのでは」「みんなどう思いますか」などと干渉することで、市場へのアウトプットが遅くなってしまいます。
担当者が最高の実力者ではなくても、一人で集中して作業を進めた方がアウトプットのスピードは上がります。そして多くの場合完璧ではなくともそのスピードでカバーできることは少なくありません。
つまり、大切なのは「誰が何をやっているか」を把握することではなく、自分自身が何をすべきなのかを上司などに確認して把握することであり、他人の業務を把握したり干渉することではないのです。
実体験:風通しが良すぎる会社の弊害
筆者の実体験として、誰が何をやっているかわかりすぎる会社の弊害についてお話しします。
以前筆者が勤めていたネット通販会社では、マーケティングスタッフが20名程度で、この規模だとメンバーが何を担当しているかはかなり明確でした。全員とまではいきませんが、半分以上のスタッフが今日何をしているかまでわかる状態です。
この状況は一見風通しがよく理想的に思えますが、実はここに大きな弊害が生じます。みんながお互いの業務を見えるがゆえに他人の仕事が気になって仕方なくなるのです。
「自分はこれだけやっているのに、あの人はこれしかやっていない」「なぜ自分は人と比べてこんなに頑張っているのに売上が上がらず、評価も上がらないのか」といった不満ばかりが蓄積していきました。
管理職だったので、文句が言いやすい環境を作ってしまった筆者も悪いですが、お互いを知りすぎることの弊害を実感しました…。
実績なんて評価者が判断するしかない
20名規模の組織では誰が何をしているかは見えても細かい部分や数字への貢献度は社員同士では見えません。これは社長や上司だからこそ把握できる「この人は実は売上に貢献している」「表面的な業務以外でも利益を生み出している」といった情報です。一般社員レベルでは、そこまで細かい利益計算やP/L管理はしないので見えないのが当然です。
それにもかかわらず、なんとなくのイメージや人間関係(誰と仲が良い・悪いなど)に基づいて「この人は働いていない」「あの人はこれだけしかやっていない」といった評価をし合う弊害が生まれました。
もし管理職になった際は役割は明確にしてあげるべき
もしあなたが上司や管理職になったときは誰が何をやっているかをきちんと把握し、そして明確な指示を出す責任があります。なぜなら、あなたは部下を評価する立場であり、明確な指示を出さないと部下同士が混乱するからです。
例えば「42km走ってください」ではなく「42kmを3時間以内で走ってください」と具体的に指示しなければ、10時間かけて42km走った人も「指示通りにやりました」と勘違いしてしまいます。どう考えても3時間で走った人の方が評価されるべきなのに、あいまいな指示では混乱が生じるのです。
上の立場に立つなら、役割を明確にし具体的な指示を出すように心がけましょう。
頼める人が明確過ぎると人が育たない
役割が明確で誰が何をやっているかがはっきりしている環境には一長一短があります。常に「これはあの人に頼もう」「これはこの人の仕事だ」と大企業の役職者のような働き方は理想的に思えるかもしれませんが、20代のうちから大企業の上司みたいな働き方をしてていは将来的に詰むことでしょう。
もちろん求められていない業務に手を出すことは不適切ですが、求められている範囲内で「誰かに頼む」よりも「自分でやってみよう」「勉強しながら挑戦しよう」という姿勢がなければ、キャリア形成において自分自身が不利になります。
もし転職を考えるなら(今の会社で定年まで勤めるつもりでなければ)、職務経歴書に書けることがなければ、あなたの市場価値は上がりません。現在の会社では何となく人に頼めたとしても、次の会社でも同じように頼める環境があるとは限りません。大企業から中小企業に移れば、「全部自分でやれ」となる可能性も否定できません。
何も経験せず、できないことが多いまま大企業の上司のような「誰かに頼む」働き方を続けていると、成長は見込めずキャリアチェンジも難しくなります。
したがって、「誰が何をやっているか」に固執するよりも、「自分でやらないと成長できない」という意識を持つことが重要です。
自分の成長が一番大切
会社で「誰が何をやっているのかわからない」状況について、様々な視点から解説してきましたがいかがだったでしょうか?
一般的には「風通しが良い」「業務が見える化されている」状態が理想とされがちですが、実際にはそれぞれの環境に長所と短所があることを実体験をもとにお伝えしました。
毎日、同じ会社同じ環境にいることで、本来は悩みにすらならないことも悪いところばかり見えてしまい、それが不満になりがちなものです。
そんな時は一歩引いた視点で、「本当にこれって悩むべきことなのかな?」「自分の成長のための悩みなのかな?」なんて考えることをおすすめします。
この記事を読んだ方が、「誰が何をしているかわからない」状況に悩むのではなく、自分自身の成長とキャリアについて考えるきっかけになれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!