- 同僚が仕事を辞めようとしていても止める必要はない
- 他人の人生の責任は持てないため、同僚の決断は応援すべき
- 辞めるのはもったいない、という価値観は人それぞれで、もったいないかは当人が判断すること
- セクハラやパワハラが原因の場合は労働基準監査署に相談を促す
「同期が仕事を辞めようしているから相談に乗りたい」「なんとか退職だけはしないよう説得したい」
同僚の急なモチベーションの低下を見て、こんな思いに駆られていませんか?
できることなら一緒に働き続けたいし、辞めるということをネガティブな行為だから止めてあげたいなんて捉えている人も多いことでしょう。
しかし、筆者の意見をズバリ言うと、”その人の未来に責任は持てないから退職を止めるようなことはしなくていい”です(きっぱり)。
少し冷たいかもしれませんがこれにつきます。
何も突き放すとか関わらないようにした方がいいということではありません。同僚なのだから悩んでいれば話しを聞いてあげればいいですし、仕事で困っているなら助け舟を出すべきです。
ただ、キャリアは人それぞれですし、辞めることでその人が今よりも良い環境でいい経験を積める可能性もあります。
そこは、自分はもちろんですし同僚にとってもわからないのですから、新しい挑戦を考えているなら応援しよう!なんて心持ちでいれば良いのです。
下記では、さらに深掘りして「同僚が辞めそう」「転職してしまいそう」なタイミングであなたが取るべき行動や考えるべきことを詳しく書いていきます。
退職を止めようなんて思わなく良い
冒頭でも述べていますが、退職を止めてあげようなんて思わなくて良いです。
「退職を止めてあげたい」と、同僚を本気で思うがためにお節介を焼きたくなる気持ちも重々わかります。ただ、その行為はポジティブな一面だけではないので、この章では止めなくても良い理由を述べていきます。
その人の未来にあなたは責任を持てない
残念ながら退職を止めようが止めまいが、同僚の未来や人生にあなたは責任は持てません。
同僚が結婚をしたら同僚の奥さんを養えますか?
子供が生まれたらあなたは養えますか?
極端な例かもしれませんが、いくら仲の良い友達や同僚と言えども他人の人生には家族でもない限り責任は持てないものです。
そう考えると、同僚が自分自身でする選択が常に正しいですし、そこに人が介入する必要もないし義務もありません。
退職を考えているのではないか?と心配になるくらい大事な同僚なのであれば、そういった新しい挑戦を考えていること自体を祝福し、陰でひっそり応援してあげればいいのです。
あなたの人生もあなたの人生だし、同僚の人生も同僚自身のものなのです。
もったいないの価値観は人それぞれ
退職を止める理由の1つに、「せっかくこんな会社に入ったのにもったいないよ!」「せっかく今まで積み上げてきたのだからもったいないよ!(役職を挙げてきた、スキルを身につけてきたなど)」
など、”もったいない”という理屈で止める人は多いと思います。これは本当にごもっともで、入社するハードルが高かったなら辞めるのはもったいないですし、転職して0からのスタートは後戻りするように見えて止めたくなるものです。
ただ、もったいないというのは人の価値観であり、その人自身が決めればいいことです。
上場企業で、年収が上がりやすくて、プライベートも充実できて、将来も成長し続け、定時には帰れるなんてホワイト企業は良い会社と世間では認識されますが、全員が全員こんな会社で働きたいと思っているなんて勘違いをしてはダメです。
上場企業がゆえにスタートアップ企業並みの意思決定の速さが出せなかったり、ルールーが厳しく若者の裁量が少なかったり、働きたいのに残業できなくて働けなかったりすることをネガティブな点として捉える人だって中には存在します(筆者の周囲にはこういった方が多い)。
若い時は残業があってもたくさんのことを経験してスキルを身につけたいなんて人もたくさんいます。
入社のハードルが高い企業に就職するための努力は、退職したからと言って無駄になるものではありません。努力ができるということが自分のスキルなので、そのスキル今度は入社時以外でも発揮すればよいのです。
あなたが良いと思っている会社も、人からしたら良くない会社であったり、向いてなかったりすることを忘れないようにしましょう。何度も言いますが価値観は人それぞです。
辞めること実態は決して悪いことではないこと
これはそもそも論になってしまいますが、辞めると聞くとネガティブなイメージになりますよね。ただ、辞めること事態は決して悪いことではありません。
日本にある文化の1つですが、続けることは美徳というのが古くから根付いています。そしてこの記事を見てくれている方の親世代は終身雇用が当たり前でした。
その世代の人たちが親であり先生であり・・・という環境で私たちは育っているので、どうしても辞めることをネガティブに捉えてしまうのです。決して親や先生が悪いわけではなく、時代が変わった。ただそれだけです。
なので、自分たち自身が考えをアップデートし、仕事を辞めることに対しての捉え方を変えていかなければならないのです。
決してアメリカに準えという話しではないですが、第二新卒(新卒から1〜3年目の社会人)なんて言葉が転職市場にできたように、若くして転職をする人も多くなっています。
これは若年層の価値観の変化もあるのですが、少子高齢化によって多くの企業が若年層不足と嘆いている時代は背景もあります。
そのため、仕事を辞めることや、それも短期で辞めることによるリスクは減ってきており、転職はポジティブなものとして捉えている人も多くなっています。
セクハラ・パワハラが原因な場合は助けを!
ここまで退職しそうな同僚を止める必要ないということを書いていきましたが、仮にその理由がセクハラやパワハラによるものなら話しは別です。
本人がハラスメントだと受け止めた時点で成立はしませんが、刑事罰の対象にもなりうる行為を黙認しているのは加害者になりかねません。困っている同僚の力になるべくこういったケースの対応方法を知っておきましょう。
労働基準監督署に相談するよう促す
労働基準監督署は、パワハラをはじめとする職場の問題に関する相談に無料で応じている機関です。専門の相談員が、具体的な事例に基づいたアドバイスや対処方法を提供してくれます。
ハラスメント行為は実態の証明が難しいこともあるため、こういった専門機関の知恵を借りるのが一番同僚のためになります。
基本的な営業時間が平日の9時〜17時なので普通に働いている人からしたら難しいというのが現実なのですが、選択肢としてアドバイスをして損はないはずです。
労働基準監督署はこちら※管轄区域と所在地が書いてあるので近しい場所をお探しください。
ただ、間違っても正義感を感じてあなたがトラブルを解決しようと動くことはやめてください。あくまで相談を促すのみにとどまりましょう。この後も自身は会社に居続けるからです。
ハラスメントは絶対にダメな行為ですが、個人の捉え方の違いや当人間のトラブルの場合も多いので難しいところというのが実態です。変にあなたが間に入ってハラスメントと認められなかった場合は最悪なので出しゃばらないように…。
【実体験】パワハラで退職した同僚
筆者の実体験なのですが、同僚からのパワハラを訴え退職したスタッフがいました。
上司からのMTG中からの暴言などに対してパワハラと訴え、職場での解決が難しいため会社都合を希望し退職をしました。
ただ、録音などをして提出をしたものの実態としては認められず、現場としても当人の業務態度にも問題があったことが発覚し自己都合での退職として処理。その後もパワハラが認められず、ただただ普通の自己都合の退職と処理されるようなケースを経験しました。
そのスタッフが他のスタッフへの態度は全く問題ない。逆にパワハラを訴えたスタッフはその人にだけ反抗的な態度を取るという人間関係の悪化が大元です。
このようにハラスメント行為は被害者が訴えたもの勝ちとはなかなかならないので、何度も言いますが正義感を出して深入りしないように。相談に乗るのはいいですが、行動に移さず専門の機関に入ってもらった上で解決をしましょう。
自分自身が辞める時も同じ考えでOK
ここからは読んでいただいているあなた自身の話しになりますが、「退職をしよう」なんて心に決めたら、同僚の引き留めに対しても自分の意思を尊重しましょう。もちろん心配してくれたり引き留めてくれる人が周囲にいるのは素敵なことなので感謝の気持ちを持つことは大前提な上です。
前述してますが、どんなに自分のことを思ってくれる同僚でも未来の面倒を見てくれるわけではないですし、どんなに苦労して入った会社だとしても、あなたがもっと輝ける会社というのはあるかもしれません。
その未来への責任や、あなたが持っている可能性は自分自身の行動によって作られていくものなので、自分の意思にした以外感謝しつつもスルーをしましょう。強い意思を持つのです。
同僚の未来を応援してあげよう
ここまで同僚が辞めそうな場合は止めなくていい、自分が転職を考え時も同僚の説得は受け止めつつも意思を貫くべしという話しをしてきましたがいかがだったでしょうか?
引き留め行為はきっと嬉しいに決まってますが、同僚の悩んで悩んで悩んで決意したことです。自分が逆の立場になったらきっとわかるはず。
悩むことが多くナーバスになっている同僚が心配なのはわかりますから、話しを聞いた上で応援をしてあげればいいのです。
退職を止められることも嬉しいですが、「〇〇なら他の環境いっても絶対通用するから大丈夫だよ!」なんて背中を押してあげた方がもっと嬉しいと思います。
環境の変化は誰もがストレスを感じやすい中、転職をしようなんて考え始めた時点で、それはするべきタイミングということを認識をしましょう。それは自分自身に対してもそう。
同僚思いの素敵なあなた、そして元気がない同僚の未来が少しでも明るくなれば筆者冥利につきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました!