- 過度な媚びは不要だが、評価者(上司)に貢献することは仕事の本質上絶対的に必要
- 評価者も人間だから、親近感がある人やコミニケーションが取りやすい人が評価されるのは必然
- 過度な媚びが評価に反映されている場合は弊害として人事などに報告を上げることが大切
「媚を売っている人が評価されて納得できない」「媚ばっか売って仕事をしない人が目障り」
こんな不満を抱えながら毎日仕事に臨んでいませんか?こっちは真剣に仕事に取り組んでいるのに、媚ばっか売って仕事をしていない人を見ると嫌な気持ちになりますよね…。
筆者も社長に媚びばっか売って仕事ができない人と一緒に仕事をしていた経験があるのでよくわかります。(結局、社長に媚を売ることが仕事で、結果がでなく評価もされないような人でしたが…笑)
媚びの捉え方は人それぞれではありますが、評価者の評価を得るために仕事をするのは必然と筆者は捉えています。もっと言えば評価者も人間なので逆に全く上司に対して気づかいがない部下(周囲から見たら媚びてないような人)は、評価がしづらいのも事実です。
今日は、媚びはしないけど自分自身がしっかり評価者から評価される方法や、媚びを売っている人がいることで職場環境に弊害が起きてしまっている時の対処法について説明をしていきます。
評価者に貢献することが仕事の本質
会社員の仕事の本質は、評価者が求める成果を出すことにあります。この観点から見れば、評価者以外からの評価は承認欲求を満たすかもしれませんが、昇格や昇給といった実質的なキャリアアップにはつながりにくいのが現実です。したがって、評価者に貢献することの重要性は否定できません。
必ずしも媚びはネガティブではない
ここで言う「媚び」とは、必ずしもネガティブな意味合いだけではありません。評価者との良好な関係構築や、自身の成果を適切にアピールすることも含まれます。
しかし、必要以上に媚びを売ることは問題があります。例えば、上司の方針を理解し、それに沿った提案をすることは適切ですが、上司の個人的な趣味に過度に合わせたり、実績を水増しして報告したりすることは避けるべきです。
【実例】媚びの使い方を間違っている例
筆者の会社での事例を紹介します。若い女性社員が年上の男性上司に対して、泣きながら昇格を要求し、それが認められて問題になったケースがありました。この行動は、周囲から「女性性を利用した」「上司に好意があったのではないか」といった憶測を招きました。このケースは、感情に訴えかける方法で昇格を要求することの問題点を浮き彫りにしています。
適切な媚び
適切な「媚び」とは、結果や経過を適切に評価者に報告し、求められる役割のずれをなくすことを目的とするものです。仕事の範囲内で上司のタスクを積極的に請け負ったり、必要に応じて上司に同行したりすることも含まれます。
例えば、毎週金曜日に、その週の成果と次週の計画を簡潔にまとめて上司に送ることや、会議の議事録作成や資料準備など、上司の業務をサポートすることが挙げられます。
一方で、仕事を超えたプライベートな付き合いを求めたり、過剰な差し入れや贈り物をしたり、個人的な感情に訴えかけたりする行為は避けるべきです。これらの行為は、職場の公平性を損ない、他の従業員からの信頼を失う可能性があります。
過度な媚びが成果に反映されている時の対処法
仕事の成果ではなく、プライベートでの親密さや過剰な贈答品の授受、性別や外見による差別的扱いなどが評価に反映されている場合、組織として問題があると言えます。例えば、飲み会への参加頻度で評価が変わったり、特定の性別や年齢層が優遇されたりする状況は、不適切な評価基準の典型です。
弊害として人事や上司に報告を上げる
このような不適切な評価基準が存在する場合、個人的な感情ではなく、組織の「弊害」として人事部門や上位の管理職に報告することが重要です。報告の際は、感情的にならず、事実ベースで伝えることが大切です。具体的な事例や証拠を提示し、組織全体への影響を説明するよう心がけましょう。
報告の際は、まず具体的な事例を収集し、可能であれば客観的な証拠を準備します。
次に、不適切な評価基準が組織の生産性や社員のモチベーションにどのような影響を与えるか考察します。そして、単なる告発ではなく、改善のための具体的な提案を準備することが効果的です。
対象者が実際に数字で成果を残している場合、単なる「媚び売り」として片付けることはできません。この場合は、数字の信頼性と妥当性、数字以外の貢献や組織への影響、長期的な視点での評価などを考慮して状況を精査する必要があります。
職場でのサバイバル戦略
残念ながら評価者も人間である以上、完全に客観的な評価は難しいのが現実です。「媚びを売る」人が評価される背景には、評価者との良好なコミュニケーション、頼りがいや親近感、情報共有の頻度などの要因があります。
しかし、単純に「媚びを売る」ことを否定するのではなく、バランスの取れたアプローチが重要です。評価者の求めることを明確に理解し、定期的な報告と方向性の確認を行いながら、自発的なコミュニケーションを構築することが大切です。
例えば、プロジェクトの方向性について上司と意見が異なる場合、単に反対するのではなく上司の意図を理解した上で、データや論理的な説明を用いて自身の提案を行うことが効果的です。
上司の求める役割に徹すること
コミュニケーションが苦手な人でも上司が求める役割に徹することを意識できれば必然的にコミニケーションの機会は増えるでしょう。
最初は求められる役割などは理解できないことも多いので、週次報告に加えて週中にも簡単な報告を行ったりすることでフィードバックがありますから、コミュニケーションの機会を増やすことができます。
一見レベルが高いように思いますが、週次で出た事実ベースの数字の報告や、それに対する考察や今週やるタスクを記載する”だけ”なので、以外にも考えることは少ないです。
でている数字の記載がメインですから、8割くらいは考えもせず報告が埋まります。
効果的なコミュニケーションの一例として、PREP法の活用が挙げられます。これは、Point(結論)、Reason(理由)、Example(例)、Point(結論の繰り返し)の順で説明する方法です。例えば、上司への週次報告では、「今週の主な成果は○○です。これは△△という理由で重要です。具体的には、□□というケースで成果が見られました。したがって、○○という成果が得られたと言えます」といった構成で報告することで、より明確でインパクトのある報告が可能になります。
プロフェッショナルとしての姿勢
「媚び売り」に頼らず、真の実力で評価される職場人となるためには、自身の価値と貢献を客観的に認識し、適切にアピールすることが重要です。評価者との関係を仕事の範囲内に保ちつつ、期待に応える姿勢を示しましょう。
常にプロフェッショナリズムを維持し、感情に流されないことも大切です。さらに、継続的なスキルアップと自己研鑽に努めることで、自身の価値を高め続けることができます。
適切な「媚び」と不適切な「媚び売り」の違いを理解し、健全な職場関係を築くことが重要です。評価者との良好な関係構築は必要ですが、それは常に仕事の範囲内で行われるべきです。
プライベートな関係を求めたり、過度な贈答品をしたりすることは避け、業務成果とコミュニケーションのバランスを取ることが大切です。
実践的なアプローチとしては、四半期ごとに自身の成果を振り返り、次の目標を設定する習慣をつけることが効果的です。また、週次報告や月次報告の一貫性を保つことで、上司との信頼関係を築くことができます。社内外で尊敬できる人物を見つけ、その行動や姿勢から学ぶことも、自身のキャリア開発に役立ちます。
最後に、自身の専門性を高め、客観的な成果を出し続けることが、最も確実な評価向上の方法であることを忘れないでください。真のプロフェッショナルとして認められることが、結果的に最も価値のある「評価」につながるのです。
職場での「媚び売り」の問題は、個人の行動だけでなく、組織文化全体に関わる複雑な課題です。しかし、一人ひとりが高い意識を持ち、プロフェッショナルとしての姿勢を貫くことで、より健全で生産的な職場環境を作り出すことができます。
プロフェッショナルとしての誇りを持ち、日々の業務に取り組むことが、最終的には自身のキャリアと組織の成功につながるのです。