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【新規事業を提案しても却下される】会社が首を縦に振らない理由とその壁の越え方

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この記事を要約すると…
  • 新しい事業をやらせてもらえないという被害者意識を治すべし。任せてもらえないのは自己責任。
  • 社員と経営者ではリスクが釣り合ってないので、新しいことができないのは当たり前という感覚を持つ
  • 新しい事業を始めるには、希望ではなく、まずは形(事業計画)として示すべき
  • 会社員の事業計画で大切なのは、撤退ラインなど最悪のケースを明確にしてあげること

「会社で新しい事業にチャレンジをしたいのに任せてもらえない」「アイデアを実現するチャンスが得られない」

こんなもどかしい思いを抱えながら仕事をしている人も多いでしょう。新しいことをやりたい!チャンスが欲しい!というの気持ちは、仕事に対して前向きな姿勢の表れでもあるので非常に良いことだと思います。

しかし、現実は厳しいもので、新規事業を任せてもらえる人なんてごくわずか…。

そんな中でも、社内独立をして新規事業を始めたり、それと派生させて会社員ながら別の会社を作って事業を進めてきた筆者だからアドバイスできることをこの記事では書いていきます。

最初は、「新規事業なんて、簡単に任せてもらえなくて当たり前。会社員と経営者のリスクは釣り合ってないから」と厳しい話しをするのですが、後半は実際の新規事業の提案をする際のポイントを紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください!

目次

やりたい仕事は結果を出してから(被害者意識がなくす)

会社で新しいことをやりたいけれども、やらせてもらえないことについて話をしていきます。新しいことをやらせてもらえないという被害者意識をなくすことが大事です。

結論として、やりたい仕事をやらせてもらえないのは、自分自身が信用されていないこと、そしてまだそれを任されるスキルがないという自分自身に問題があります。または、大企業だったり、業種・業態的に新しいことがやりづらい環境にいるという選択をしてしまった自分自身に問題があります。

世の中を見渡すと、上場企業なんて数ある会社の中の本当にごく一部ですし、世の中のほとんどが中小企業です。その中でも、社員10人以下や100人以下のような会社の方が多いわけです。

比較的そういった会社の方が意見が通りやすい中で、今、意見が通りづらかったり、やりたいことができないような環境を選んでいるのは、自分自身に問題があるということをまず意識しましょう。こういったことも含めて、被害者意識をなくすことがまず大事になります。

新しいことへの経営層と社員の捉え方は違う

やりたい仕事に最初から就けるということはほとんどありません。外から見て「やりたい」と思っても、実際にやってみたら違ったということが多いのです。だから、やりたいと言われても、うまくこなせなければ会社からするともう聞かない方がいいと思われてしまいます。

その上で、経営者と社員の視点は根本的に違います。社員の「やりたい」は興味や関心のレベルであり、会社にとって本当に利益になるかどうかまで考えられていないことが多いです。

今、あなた自身がやりたいことがあるとしましょう。それが本当に会社の利益になるのかを、まず胸に手を当てて考えてみてください。

一般社員は契約などで縛るのが難しいことが多いです。例えば、新しい事業をやりたいと言われて投資をするとします。「投資をするから3年はいてね」と口約束をしたとしても、結果が出なければ一般の社員は辞めることができてしまいます。

こうしたこともあり新しい事業はやらせてもらえないことがよくあります。結果を出すかどうかわからない人に毎月会社は給料やボーナスを払っています。「今月売り上げが悪いから払いません」なんてことは絶対にありませんから、まず会社のリスクを理解することが大事です。

こういったとき、自分がお金を出す側の立場になって考えてみるとわかりやすいです。返してくれるかどうかわからない人にはお金を貸さないと思います。

投資という視点で見て、どんなに仲が良い友人でも基本は投資をしないでしょう。会社からしてみると、それと同じです。

最終的には経営層や幹部が出資を決める立場ですが、経営層と一般社員では視点がかなり違います。なかなか出資してもらえないのは、会社がその人をよく知らないからですし、その人がどれだけの熱意で新しいことをやりたいのかもわからないからです。

【実体験】社員の希望に応えて、会社が損をした例

これは筆者が所属している会社の実体験です。筆者が所属している会社でも、熱意のある社員(筆者の同僚)からの提案で新しいことを始めた経験があります。

最初のうちは新しいことなので、今までとは違った新しい取り組みやメンバーを集める過程が楽しく和気あいあいと進んでいくような錯覚に陥りました。

ただ、実際に事業をローンチしてみるとなかなかうまくいきませんでした。最初からうまくいく事業なんてほんの一握りですから、これは悪いことではありませんし、その人自身も結果が出ていないからといって悪いわけではありません。

この点については経営層や幹部も同じ考えで、結果が出ていないからといってその人を責めることはもちろんしませんでした。結果が出るまでには1年、2年、3年と時間がかかることも多く、最初に投資した分を回収するまでには時間がかかるのです。そのため、事業を進める上で損失を出しつつも、投資を続けて回収を目指しました。

しかし、結果が出ていない毎日が続くと、同僚は嫌気がさしてしまったのか退社することに…。しかも「来月には退社します」といって有給もたくさんあったので、実質10営業日ほどしか残りがないまま会社を去りました。

新規事業だったために後任なんて鼻から用意してないし、急な退社で引き継ぎ期間もなく辞めた後に事業が自然消滅です。社員の「やりたい」と言ったことに投資をしたのに辞めてしまったことで、会社は損をして終わってしまったのです。

化粧品を部扱うプロジェクトだったのですが、化粧品を作るための原価、結果が出ていない期間の人件費、広告費など多くの資金を会社は投資をしていました。これが一瞬にしてそれが無駄になってしまいました。

会社のリスクと社員のリスクは釣り合わない

「会社の中で新規事業をやりたい!」と意気込んでも、所詮自分が設立会社でもなく、自分が投資をしているわけでもないので、経営者や起業家のようにリスクをほとんどありません。

この点、会社側が抱えるリスクと社員のリスクは最初から釣り合っていないのです。会社はそのリスクを承知でゴーサインを出し社員を雇っていますから、何かアクションを起こすことはまずないと思いますが、残念ながらこういったことはどこの会社でも起こりうることです。

あくまで、事業単位の話しでしたので一例としてお話ししましたが、ポジションという観点でも

「経理をやりたい」と言ったスタッフの希望に応えて異動をしたら「わからないから辞めたい」と言われたり、

人事異動希望をされて応えたら、「人事に行ったけど毎日面接で話すのが性に合いませんでした」と言って辞めたり、

「スキルをつけたいからデザイナーの仕事を学びたい」と言われて異動をしたら、キャリアアップのために辞められたり、

などなど、本当にいろいろなことが起こります。会社員側からしたらメリットが多いので利用すべきなのかもしれませんが、””新しいことをやりたいけど、できない理由””というのも、日常で起こっていることからも薄々感じ取れてるかもしれませあん。

新しいことは簡易的な形を作ることから

ただ、ここからは、100人のベンチャー企業の中で、社内で独立したり、会社に勤めながら別の会社を設立したりと、会社員ながら新しい事業や会社を上司や社長に提案して承認を得てきた筆者だからこそ伝えられることをお話しします。

今までの内容とは矛盾しますが、新しい事業ほど貢献度がわかりやすいものはありませんから積極的に挑戦すべきです。まず認識してほしいのは、やりたいだけでやらせてもらえることはほとんどないということです。ですので、ゼロから始める場合、まずは形を作って熱意を伝えることが大事です。

この「形」というのは、事業計画を作り、パワーポイントなどでプレゼン資料を作成し上司に提出して見てもらうことが一番早いです。ただ、事業計画は細かく作り込む必要はなく、大枠を描いた上でかかる費用と撤退ラインだけをしっかり伝えることが重要です。

話を聞いてもらえさえすれば、次々と「どうやって人を集めるのか」「広告はどこに出すのか」「どんな人材が必要なのか」など質問がくるので、それに合わせて計画を埋めていきましょう。

マーケティングの手法などは詳しく書けば書くほどいいですが、そこに時間をかけすぎて、無駄にページ数が多くなると読まれなくなります。プレゼン資料は多くてもスライドで10枚程度(長くても20枚)に抑え、テキストは少なく、内容を絞って、実際に見てもらえる資料を作ることが大事です。

かかる費用と撤退ラインを明確に書くことをおすすめする理由として、

「失敗してもこの程度なら話を聞いてみようかな」「せっかく作ってくれたし、失敗してもこの程度なら責任もそんなに取らなくて済むし、やらせてみようかな」

と思わせることが重要なためです。とにかくまずは興味を持ってもらわないためには始まりません。

筆者が実際に会社設立できた例

会社員ながら別会社を設立したときの話ですが、もしこのままやって毎月1円も利益が出なかった場合でも、1年で100万円くらいの損失です。1年続けてユーザーが500人にまで増えなければ、2年目も厳しいので撤退します、と伝えていました。

これは事業を提案する相手の興味やその人自身がどれだけ投資をしたいか、会社のフェーズにもよるので、一概にこれをやれば成功するとは言えませんが、僕自身は最初から撤退ラインを設定し、「そんなにお金がかからない」と伝えることで、やりたいことを実現するためのハードルを下げることが重要だと思います。

新規事業の作り方について採用計画やマーケティング戦略、PL(収支計画)を細かく持っていった方がいいという情報もありますが、新しい事業は大体うまくいかないものです。

そのため、負けるにしてもどのように負けていくかを最初から考えることも会社員の立場であれば大事です。それによって、やらせてもらえる可能性が高くなると信じています。

余談になりますが、格闘家の猪木さんに「やる前から負けることなんて考える馬鹿いるかよ」という言葉がありますが、本当にその通りだと思います。

しかし、記事で書いてきたように経営層と会社員のリスクの違いを意識するのであれば、熱意半分と、会社への気遣いを伝えることで、やりたいことや新しい事業が会社の中で実現できるようになります。

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