- 評価は頑張ったからではなく、上司に貢献をして初めて得られるもの
- ここでは上司に嫌われているのではなく、単に評価が低い可能性視点で物事を考える
- 自己評価と上司評価に開きがあるのは、上司から求められていないことを頑張ってしまっている可能性がある
- まずは共通の数字目標を持って、週次報告をする。未達であればタスクまで持っていくこと
- 数字目標をちゃんと追っている部下を嫌いになる上司はまずいない
「上司に嫌われて評価を下げられた」「上司に好かれている人だけ評価が上がって納得いかない」
こんな不満を抱きながら仕事をしていませんか?いわゆる”上司のお気に”って人だけ優遇されている状況はなんとも納得がいかないですよね。
自分も過去に、同じ役割等級(役職)で自分の方が職歴が長いのに、年収が200万近く違う同僚がいてびっくりした記憶があります。後々その理由が判明しましたが、当時はまさに好き嫌いで判断されてるだろ!と会社に対して怒りを覚えました。し自分ではしっかり仕事をして結果を出していたつもりでしたので尚更です。
ただ、結論から言うと、好かれる好かれない以前に求められている役割ができいなければ評価はされません。
どんなに結果を残しても、それが評価者から求められていることでなければ、評価がされないのです。
そんな残酷な事実を元に、実際に幹部入りして人を評価する場にあった筆者が説明をしていきます。最後までご覧ください。
実は嫌われてない「できている」フェーズにいないだけ
上司の好き嫌いで評価が変わることはよくありますね。当然ながら嫌われている人ほど評価も厳しくなりがちです。
せっかく見てくれている読者にこんなことを言うのは気が引けますが、本当にあなたは嫌われていますか?明らかに嫌われていると断定ができるような行動がありましたか?
好かれていない人ほど「自分はやっている」という自己完結型になってしまっているがゆえに、自己評価と上司評価に還りが起こり、「頑張っているのに評価がされないし、上司から嫌われているのでは?」と錯覚要素も入っているのでしょうか?※もちろん、飲み会の参加率やプライベートの親密さが評価に反映される場合は、人事部門などに事実伝えるべきです。プライベートな事情を会社に持ち込むのは、会社にとっても弊害となるためです。
ここからは理由を説明していきますが、評価には
- 「知っている」
- 「やっている」
- 「できている」
という3つの視点があります。
- 「知っている」は自分の視点
- 「やっている」も自分の視点
- 「できている」は他社の視点 ※他社が見て判断すること
好かれていない人や「自分はやっているのに、上司に嫌われているから評価されないんだ」という人は、「知っている」「やっている」の段階に留まっています。
つまり、「できている」と評価される段階まで至っていないのが現状です。評価されないと嫌われているように思うかもしれませんが、事実は評価されるに値してない可能性が高いと言えるでしょう。
組織の基本は上司に貢献した人が評価をされる
組織の基本的な構図を理解することが非常に重要です。上司が部下を評価し、部下が上司に貢献することで評価されるというのが大前提になっています。つまり、評価される側の部下は上司に貢献して初めて評価がされるのです。
貢献ができていないからこそ、部下は嫌われているように感じてしまいます。また、
「なぜこんなことをしなければいけないのか!?」「私の仕事ですか!?」
なんて反発を示した時点で状況はさらに悪化します。なぜなら、上司が求めていることに対してただただ批判的だからです。※タスクの優先度や仕事量によってできない場合もあることは重々承知ですが、断り方も大事です。詳しくは下記の「協調性について」書いた記事を参照ください。
まずは上司に貢献し評価されることを目指すのが健全な姿勢です。これは大前提として、自分自身で意識しておく必要があります。
求められないことを頑張っても評価はされづらい
次に、自己評価と上司評価のギャップについてです。そもそも上司に直接「嫌い」と言われる部下はそんなに多くはいないでしょう。ただ、自分は頑張っているのに評価されないが故に、「嫌われている」「お気にではない」と感じることが多いはずです。
これは、自分が頑張った成果が上司から求められていることとズレている可能性があります。なので自分が「頑張った」と思っても、それが求められていないことであれば評価されないという事実を理解する必要があるでしょう。
具体的なサッカーの例
サッカーの例を見てみましょう。
オフェンスとディフェンスのポジションがあり、攻撃的な選手は得点を取ることが仕事です。しかし、攻撃選手が守備ばかりしていて得点できなかったとしましょう。
この攻撃選手が「僕は攻撃ポジションだけど、守備に貢献しました。1点も取られていません」と言ったとしても、本来の役割は得点を上げることなので、そうした貢献は適切に評価されにくいでしょう。
一方、守備選手が「5点取られたけど、2点取りました」と言っても、本来の仕事は最少失点に抑えることなので、得点できたとしても評価は低くなります。なぜなら、与えられた役割である守備ができていないからです。
同様に、仕事でも自分が頑張って成果を出したと思っていても、それが上司の求めていることと異なる場合は評価されにくくなると言うことです。
「何を求められているか?」役割を知ることから始める
そのためには何を求められているかを明確に把握することが不可欠です。上司と話す機会、たとえば1on1のミーティングなどで、自分の役割や上司の期待を確認しましょう。
「自分にどんな役割を求めていますか?」「どういった数字の改善を期待しますか?」と、上司に直接確認することが大切です。
企業によっては、あらかじめKPIや数値目標が設定されている場合があります。そうした場合は、その目標を達成させることに集中すればよいでしょう。
一方で、目標が設定されていない場合は、自ら明確な目標を立てて上司に提案するのがよいでしょう。例えば、
「以前担当してほしい役割があると言われましたが、その役割を担うことで、この数値目標が達成できると考えています。今期は120%の目標達成を目指したいと思います」
といったように、具体的な数値目標を立てて上司と共有するのです。
週次報告など短期報告も忘れずに
週次の報告では現状の進捗状況と、目標達成までに何が必要かを明確に示しましょう。「現在のペースでは110%の達成見込みで、あと10%が足りません。達成させるために、
「Bのタスクはパフォーマンスが悪いので、Cに絞ります」「新しくDというタスクを追加して目標達成を目指します」といった具体的な提案もあると上司のフィードバックがしやすくなります。
こういった数値という共通言語を持つことで、上司とのコミュニケーションがスムーズになり評価も客観的になっていきます。仮に評価が悪かったとしても、「120%達成したのに評価が悪いのはなぜ?」といった建設的なフィードバックも求めやすくなります。
下記は具体的な週次報告の例
上司さんへ
お疲れさまです。
4月1週目の週次報告をお送りいたします。
不明点や追加で必要なタスクがございましたらお申し付けください◆実績
週間目標:100万円
週間実績:89万円
達成率:89%
差異:−12万円月間目標:400万
月間実績:89万
達成率:22%◆未達要因
- 週末の500円クーポンの使用率が目標に対して8割
- LINEからの流入数が前週比で-15%
- 商品Aの検索順位が週末1位から3位に下落したため
◆今週達成させるタスク
- LINEの登録者限定クーポンを発行し新規会員を増やす配信をする(配信用画像の作成)
- 商品Aの検索対策、商品ページのテキスト書き換え
- 商品Aの検索順位下落の調査→報告からタスクだしまで
◆達成させるための権限や相談
商品Aの検索順位下落を調べたら火曜日の12時までに報告いたしますのでフィードバックいただければ幸いです。
もし、広告費が必要な場合は、費用対効果を算出したのち利用の許可をいただきたいです。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
結局のところ好き嫌いという感情論ではなく、求められている役割と成果を明確にして応えていくことが重要なのです。そうした姿勢を持つ部下は必ず評価されるはずです。
目標に向かって真摯に取り組んでいる人のことを嫌う上司はいません。仮にそういう上司がいたら、その環境は最悪なので、早期に転職してくださいと無責任ながら言わせていただきます(笑)ただし、そんな上司はまずいないはずです。
好き嫌いではなく、評価を得る努力をする
上司の好き嫌いで評価が下される状況の打破策をここまで書いていきましたがいかがだったでしょうか?
大切なのは、感情的な「好き嫌い」という話から、客観的な「できているかできていないか」という評価軸に切り替えることです。
筆者も評価をする立場になって「ガンサラさん(筆者名)はAさんのこと嫌いだから、Aさんって勤続年数が長いのに評価低いんですよね?」
なんて部下Bから質問されたことがあるのですが、そもそも嫌いなんて思ったこともなかったし「そゆ感じなのか…」とびっくりしたことがあります。
これは私だけではなく、多くの世の管理職に当てはまるでしょう。あまり忙しいアピールはしたくないのですが、筆者の場合はスタッフの誰のことを好きとか嫌いとかどうでもいい次元に売り上げに追われて忙しかったです。プレッシャーと闘っていました。
なので、「嫌われている」と思っている人も、そもそも嫌われてすらいない、なんてケースむちゃくちゃあると思ってます。それがゆえに事実は評価するに値してないから、評価されないのかと。
これが事実だとすると厳しい現実かもしれませんが、数値目標を持って進捗を追い定期的に報告やフィードバックを行う。そうすることで、上司との関係も必ず改善されることでしょう。
自分の評価に不満があるなら、まずは今の自分の立場を見直してみましょう。会社が求めていることと自分のやっていることにズレはないか。求められている役割をきちんと果たせているか。そこをしっかりと確認して、必要な改善を行えば、必ず評価は変わっていくはずです。
長くなりましたが、この記事を見た1人でも多くの方が、”評価”への意識を改め、自分の役割を確認して徹底するような働き方をするきっけになれば筆者冥利につきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。