- 話が長い人は悪気があるわけではなく、伝えたいがあまり長くなっているだけ
- 質問する際は「質問・質問の背景・補足事項」の3つのフォーマットで投げることで、相手も答えやすくなる
- 質問は簡潔に結論だけを書き、論点を明確にすることが重要
- 話が長くなってきたら割り込んで「YES/NOで答えてください」と引き出す姿勢が大切
- Google MeetなどのAI議事録機能を活用し、要約した上で確認を取ることでコミュニケーションミスを防げる
- 将来自分も話が長くなる可能性があるため、今から質問力を鍛えることが自分のためにもなる
「上司の話が長すぎて、結局何が言いたいのかわからない」「会議で延々と話されて、結論が見えてこない」
こんな悩みを抱えながら仕事をしていませんか?話が長い人とのコミュニケーションは本当にストレスが溜まりますよね。聞いているうちに集中力が切れて、とりあえず「はい、はい」と相槌を打つだけになってしまう…。そんな経験、誰にでもあると思います。
しかし、話が長い人を責めるだけでは何も解決しません。むしろ、質問の仕方や引き出し方を工夫することで、相手から簡潔に情報を得ることは可能です。
筆者自身も様々な部署を経験する中で、話が長い上司や同僚と何度も仕事をしてきました。その経験から編み出した、実践的な対処法をこの記事では紹介していきます。
「話が長い人とのコミュニケーションがもっとスムーズになった!」と思っていただけるように、具体的なテクニックをお伝えします!
話が長い人に対してイライラする前に理解すべきこと
まず大前提として理解していただきたいのは、話が長い人は決して悪気があってやっているわけではないということです。
むしろ、あなたにしっかりと伝えたいがあまり、説明が長くなってしまっているのです。背景を説明しようとして、あれもこれもと情報を詰め込んでしまう。その結果、話が長くなり、論点がぼやけてしまうのです。
ここで重要なのは、「この人話が長いな」「下手くそだな」という感情を抱いてしまうと、そもそも話が入ってこなくなるということです。
人間の脳は不思議なもので、一度相手に対してネガティブな感情を持つと、その人の話す内容全てが雑音に聞こえてしまいます。すると、本当に重要な情報まで聞き逃してしまい、結果的に自分が損をすることになります。
ですから、まずは「この人は一生懸命伝えようとしているんだ」という前提で話を聞く姿勢を持ちましょう。その上で、こちらから工夫をして簡潔に情報を引き出す技術を身につけるのです。
解決策①:質問のフォーマットを作る
話が長い人から簡潔に情報を得る最も効果的な方法は、こちらの質問の仕方を工夫することです。
多くの人は質問をする際、思いついたことをそのまま口にしてしまいます。しかし、これでは相手も何をどう答えればいいのか迷ってしまい、結果的に長い説明になってしまうのです。
筆者が実践している質問のフォーマットは以下の3つです:
- 質問(結論のみ、超簡潔に)
- 質問の背景
- 補足事項
具体例を挙げましょう。
【質問】 今月の広告費は100万円でいいですか?
【質問の背景】 先月は80万円を使っていたので、20万円上がります。20万円上がっている分、許可を取りたいです。
【補足事項】 80万円で広告のパフォーマンスが非常に良かったです(CPA:5000円、CV数:160件)。この調子であれば100万円に上げても、広告費を増やした分、獲得が取れると判断しています。ご判断いただければ幸いです。
このように質問を構造化することで、相手は「何を答えればいいのか」が明確になります。
特に重要なのは、質問そのものは徹底的に簡潔にすることです。「今月の広告費は100万円でいいですか?」これだけでいいのです。
背景や理由は後から説明すればいい。まず論点を明確にすることで、相手も答えやすくなりますし、話が脱線することも防げます。
上司や年上には言いづらい?それなら自分の質問方法から変える
「でも、上司にフォーマットに沿って話してくださいなんて言えない…」
そう思う方も多いでしょう。確かに、立場が上の人に対してルールを押し付けるのは難しいですよね。
だからこそ、自分の質問方法を変えるのです。
相手に変わってもらうのではなく、こちらの聞き方を工夫する。これなら誰にでもできますし、すぐに実践できます。
質問を投げる際、特にメールやSlackなどのテキストコミュニケーションでは、上記のフォーマットを徹底的に使ってください。すると、相手もそのフォーマットに沿って返答してくれることが多くなります。
人間は無意識に相手のコミュニケーションスタイルに合わせる傾向があるからです。
解決策②:話が長くなってきたら割り込んでYES/NOを引き出す
質問のフォーマットを工夫しても、話が長い人はやはり長く返してきます。
そんな時は、遠慮せずに話に割り込みましょう。
「今おっしゃっていたと思うんですけど、これは広告費を100万円に上げることに関して触れていただいていたと思うんですが、結論、100万円に上げていいってことですよね?」
「すみません、僕が理解できなくて申し訳ないのですが、YES/NOで答えていただけると嬉しいです」
このように、相手の話の中から結論らしき部分を拾い上げて、YES/NOで確認する。これが非常に効果的です。
なぜなら、話が長い人は自分の中では結論を言っているつもりなのです。ただし、それが明確なYES/NOの形になっていないだけ。だからこちらが拾い上げて、明確な形にしてあげるのです。
「割り込む」ことに罪悪感を感じる必要はない
「話の途中で割り込むなんて失礼では?」と思うかもしれません。
しかし、ダラダラと長い話を聞かされ続けるよりも、論点を明確にしてあげる方がよほど相手のためになります。
むしろ、話が長い人は自分で論点を整理できていないことが多いので、こちらが整理してあげることで「そう、それが言いたかったんだ!」となるケースが大半です。
ポイントは、割り込む際の言葉遣いです。
「すみません、僕の理解力が足りなくて」 「確認させていただきたいのですが」
このように、相手を責めるのではなく、自分の理解不足という形で切り込むことで、角を立てずに論点を引き出すことができます。
解決策③:AIツールを活用して議事録を要約する
最後に紹介するのは、テクノロジーの力を借りるという方法です。
特にオンライン会議が増えた昨今、Google MeetやZoomなどには優秀な議事録機能が搭載されています。
これらのツールは、誰が何を話したかを自動で記録し、さらには会議のアクションアイテムまで抽出してくれます。
AI議事録を活用した確認フロー
- 会議中はAIに議事録を取らせる
- 会議後、AIが作成した議事録を確認する
- 重要な部分を抽出し、要約する
- SlackやメールでYES/NO確認を取る
例えば、上司が30分間ダラダラと話した内容を、AIが自動で要約してくれます。その要約を基に、
「先ほどの会議で○○についてお話しいただきましたが、要約するとこういう内容でよろしかったでしょうか?」 「広告費100万円での実施、承認いただいたという理解で進めさせていただきます」
このように文章で確認を取ることで、言った言わないのトラブルも防げますし、相手からも明確なYES/NOの返答が得られます。
AI議事録だけで判断するのは危険
ただし、注意点があります。
AIが作った議事録だけで判断して勝手に進めるのは危険です。
AIの音声認識は完璧ではありませんし、ニュアンスや文脈を読み間違えることもあります。
だからこそ、必ず相手に確認を取るというプロセスを挟んでください。
「こういう理解でよろしいですよね?」という確認をもらうことで、承認を得ているという事実を作ることができます。これは後々のトラブル防止にも非常に役立ちます。
将来の自分のために:今から質問力を鍛えておく
ここまで、話が長い人への対処法を紹介してきました。
しかし、最後にお伝えしたいのは、将来あなた自身も話が長い人になる可能性があるということです。
特に、管理職になったり、後輩や部下ができたりすると、「伝えたいことがたくさんある」という状況になります。その時、今まさにあなたが悩んでいるように、相手から「この人話長いな」と思われてしまうかもしれません。
だからこそ、今のうちから質問力を鍛えておくことが重要なのです。
質問力を鍛えるというのは、論点整理能力を鍛えることでもあります。
「質問は何か」を明確にする訓練を続けていると、自分が話す側に回った時にも、「一番伝えたいことは何か」を整理できるようになります。
質問のフォーマット(質問・背景・補足)を使い続けることで、自分の思考も自然と構造化されていくのです。
すると、話す際にも「結論→理由→補足」という流れで簡潔に伝えられるようになります。
今、話が長い人に悩まされているこの経験は、将来の自分への投資だと思って、質問力を磨いていきましょう。
まとめ:話が長い人への対処は「引き出す技術」
話が長い人とのコミュニケーションにストレスを感じるのは当然です。
しかし、相手を責めたり、イライラしたりしても何も解決しません。
重要なのは、こちらから工夫して簡潔に情報を引き出す技術を身につけることです。
そのための具体的な方法は:
- 質問をフォーマット化する(質問・背景・補足)
- 話が長くなったら割り込んでYES/NOを引き出す
- AIツールで議事録を作り、要約して確認を取る
これらを実践することで、話が長い人とのコミュニケーションは格段にスムーズになります。
そして、この技術は将来あなた自身が管理職になった時にも役立ちます。今から質問力を鍛えておくことで、自分も簡潔に話せる人間になれるのです。
この記事を読んだ1人でも多くの方が、職場でのコミュニケーションストレスから解放され、悩みが1つでも減れば筆者冥利に尽きます。最後まで見ていただき、ありがとうございました。
