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中途採用の “即戦力プレッシャー” と “仕事ラッシュ” がやばい時の乗り越え方

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この記事を要約すると…
  • 中途採用者が仕事を任せられすぎる理由は、職務経歴書や勤めていた会社などの情報でバイアスがかかる傾向にあるから
  • ネガティブなパターンだと、「役割の空白」(主に退職者の引き継ぎなど)は、中途採用者に当て込んでしまった方が社内人事的にも楽ができるから
  • 優先順位がわからない時は、スプレッドシートで業務を整理して直属の上司に決めてもらうのが最も効果的
  • 期待外れと思われないためには、成果よりもまず信頼関係構築を重視し、報連相の徹底・勉強会開催・素直な姿勢が重要

    「中途採用で入ったら仕事を任せられすぎて回らない」「優先順位がわからず何から手をつけていいかわからない」「期待に応えられるか不安で押しつぶされそう」

    こんな悩みを抱えながら毎日を過ごしていませんか?入社前に想像していた以上に大量の業務を任され、「こんなはずじゃなかった…」と感じている方も多いのではないでしょうか。

    しかし、この状況は決して悪いことばかりではありません。実は期待されている証拠でもあり、適切に対処すれば大きな成長のチャンスにもなるのです。

    筆者自身も中途採用で入社し、まさに同じような状況を経験しています。入社2〜3ヶ月の段階で3回も自分講師の勉強会を開催し、信頼関係を築きながら仕事ラッシュを乗り越えてきました。そんな当事者だからこそわかる、実践的な対処法をお伝えします。

    この記事では、中途採用者が仕事を任せられすぎる理由から、具体的な優先順位の付け方、期待外れと思われないための信頼構築法まで、実体験に基づいた解決策を詳しく解説していきます。

    「意外と中途採用での仕事ラッシュも悪くないのかも…」そんな風に思っていただけるように!

    目次

    なぜ中途採用者は任せられすぎるのか

    即戦力への期待が原因

    中途採用者がすぐに多くの仕事を任される最大の理由は、即戦力になると見られがちだからです。第2新卒や未経験者でない限り基本的には経験者として入社するため、会社側は「この人なら任せても大丈夫」という認識を持ちやすくなります。

    しかしここに大きな落とし穴があります。同じ業種や業務であっても、会社によってルールや言葉の定義は大きく異なります。例えば、マーケティングの知識があったとしても、その会社が追いかけている指標や、指標に対する認識は会社ごとに違うのです。

    それにも関わらず、お互いに「わかったように」会話をしてしまい、「わかったように」認識をしてしまいます。結果として、相手に対してもうわかった上で仕事を任せているという状況が生まれてしまうのです。

    経歴と肩書きによる期待値の上昇

    転職活動では、面接で自分の駄目なポイントをずらずら言う人はいません。職務経歴書には、自分が達成した実績を書いていくはずです。「1億円の売上を達成しました」「10億円のプロジェクトを成功させました」といった内容を平気で書く人もいます。

    これ自体は悪いことではありませんが、問題は数字の解釈です。紙に「10億円作りました」「1億円作りました」と書いてあると、その人だけがやったように見えてしまいます。しかし実際には、その会社の環境や周りの人たちがあって達成できた数字なのです。

    採用面接では、そんな詳細な説明をする必要もお互いにないため、紙にある「1億円作りました」という部分だけがインプットされてしまい、「この人はすごい人なんだ」「この人に任せれば何でもやってくれるんじゃないか」という勘違いが起きてしまいます。

    有名企業出身者への過度な期待

    転職してきた人が「電通から来ました」「サイバーエージェントから来ました」といった有名な企業や業界で名の知れた企業出身だと、「あんな大きな会社から来たんだから、できて当たり前」「自分よりもレベルが高いだろう」「自分より仕事ができる人だろう」というバイアスがかかってしまいます。

    これは「隣の芝は青く見える」現象で、会社がすごいだけであって、もちろんその中で働いている個人もすごいのですが、どこから来たかだけで「あの会社はすごいから、その中で働いている人もすごいんだろう」というバイアスがかかってしまいます。

    まだ実力も見ていないのに、どんどんそういうバイアスがかかって「あの人に任せれば」となり、任せられすぎる状況が起きがちになるのです。

    これはネガティブでもありポジティブな面でもあります。期待されているということの表れでもあるからです。

    入社直後の仕事ラッシュの正体

    役割の空白を埋めさせられる

    一つ目で説明したのは期待の表れとしての業務を任されるパターンでしたが、こちらは社内事情による若干ネガティブな要因です。

    どこの会社にも「何となく役割の空白」という業務が存在します。「誰がやるんだろう、でもやらなきゃいけないのはわかってるけど」といった業務です。そういう時に、中途採用者はもってこいの存在なのです。

    少なからず経験もあるし、経験があるから別にできないわけじゃない。開いているポジションだから必然的にそこに入ることになる、というパターンです。

    よくあるのは、中途採用者を採用する前から退職する人が決まっていて、引き継ぎをどうしようか、みんないっぱいいっぱいで引き継ぎ先がない、だからとりあえずその人を当て込んでしまおうという状況です。

    退職者のデッドラインが優先される問題

    これによって、入社直後にも関わらず、本来であれば研修期間や仕事を覚える時間、社内の情報をキャッチアップする時間があるにも関わらず、退職者の退職日がデッドラインになってしまいます。

    しかも、そこまでにその退職者が今までやってきたことをそのまま全部引き継がないといけない状況になってしまいます。本来なら会社のことをもっとインプットする時間があるはずなのに、退職者と同じような役割を求められ、役割の空白を押し付けられることで仕事ラッシュが起きるのです。

    優先順位は直属の上司に決めさせよう

    現状を正しく認識する

    仕事をたくさん振られている状態や、すごく忙しくて大変な状態は、今の自分の視点から見ると決して良くない状況に思えるかもしれません。「もっと会社のことを知りたい」「もっと業務のことを理解してから責任を持ちたい」というのが本音だと思います。

    しかし、逆に言うと、仕事を任されない暇な人よりは全然マシな状態なのです。暇な人は結局、期待されていないことの表れだと思います。

    確かに、会社のことをインプットする時間や業務の進め方を丁寧に教わって、その通りに進むことも大事です。これは本当に大事なことです。

    ただし、そのフローを飛ばしてしまったとしても、いきなり業務を与えられて、わからないながらも進んでいけば、絶対にどこかで壁にぶつかって「これってこうやればよかったんだ」という気づきが得られます。逆にスムーズにいったとしても、「そもそも今までの業務フローって何だったんだろう」と見直すきっかけになります。

    実際にやった経験の価値

    やったからこその問題点や、やったからこその経験というのが得られます。この「やったからこその経験」は、どんなに外野の人よりも、当事者の方が絶対的に価値があります。やったからこそ得られる経験は、すべてです。

    どんなに会社に対して詳しかったり、どんなに業務フローの流れについて把握していても、やっていなかったら意味がありません。でも、あなたは今の段階で中途採用で入って、流れはよくわからないけれどもちゃんとやった。これでいいのです。

    そもそも悪い状況であるということではないということを認識しましょう。

    スプレッドシートで業務を整理

    優先順位がわからず仕事が回らない状況になったら、直属の上司に相談し、決めてもらいましょう。

    そのために、スプレッドシートを使って今やっている業務を常に書き出します。細かくても構いません。誰から頼まれているのか、業務の内容はどんなものか、今つまずいているところはどこか、これらをスプレッドシートにまとめて上司に提示します。

    「入ったばかりで正直優先順位もわからないから、これってどこから進めていけばいいですか」「入ったばかりで正直その部署間でのコミュニケーションの取り方や、どこを優先するべきか、会社の方針もわからないから優先順位をつけてほしい」といったコミュニケーションを上司と取ることが必要です。

    優先順位は上司に決めてもらえばいいのです。それでしかありません。仕事というのは、そもそも上司の求める役割を全うすることだから、そこだけを全うすればいいのです。

    360度評価の罠を避ける

    入社したときは、360度評価のように「みんなの期待に応えよう」「みんなに頼られよう」と肩に力が入りやすくなりますが、みんなの期待に応えるなんて絶対に無理です。

    例えば、通販の会社であれば、商品を作る人からしたら「商品を作る努力をしてほしい、そこに協力してほしい」と思うでしょう。一方、マーケティングの売る側からしてみたら「売る努力をしてほしい」と思うはずです。

    商品を作る人はプロダクトアウトの考え方で、「いい商品を作れば売れる。だから良い商品を作るために頑張りたいし、良い商品を作るために知恵が欲しい」と言ってくると思います。

    しかし、売る側からしてみれば、どんなに商品が良くても、それを伝えなければ売れないし、認知されなければ売れません。だから「商品作りの段階で魅力的な商品名をつけてほしい」「魅力的な成分を入れてほしい」「競合よりも違った差別化できる成分を入れてほしい」といった要望があるわけです。これはマーケットインという考え方です。

    この時点で、話がかみ合っていません。一方は商品軸でしか物事を考えておらず、一方はマーケティング軸でしか考えていません。

    別にどちらの味方をするとか、どちらにつかなければいけないということはありませんが、業務をちゃんと自分たちの正義を持って進めていこうとなったら、どこかで意見が合わない人が絶対にいると思います。それは合わない人がいるべきだと思います。仲良しごっこで何かやるよりも、本気でやれば絶対にぶつかるポイントがあるでしょうし、これは悪いことではありません。

    上司の指示に従うことの重要性

    あなたが会社の中でやるべきことは、どちらにつくかということではなく、上司の言うことを全うすることです。これだけです。

    上司の言うことを聞かないで、他の部署の上司の言うことを聞いていたら、組織として成り立ちません。だから優先順位は直属の上司に決めてもらえばいいのです。

    期待外れと思われないために意識すべきこと

    テイクよりもギブ、成果よりもまず信頼

    期待外れと思われないためには、テイクよりもギブ、成果よりもまず信頼を得ることを徹底的にするべきです。

    正直、最初は仕事で何か成果を残して、みんなに認めてもらおうと思いがちですが、入社して1〜2ヶ月で残せる成果はたかが知れています。

    もちろん成果を出すために頑張るのは素晴らしいことですし、大正解です。ただ、信頼を得ることの方がもっと重要です。

    報連相の徹底

    信頼を得るとはどういうことかというと、まず本当に報連相をちゃんとすることです。

    「おはようございます。今日はこういうテスト広告を出すことをやります」「締め日が近づいている案件はAとBとCです」「これを金曜日の17時までに提出します」と報告し、ちゃんと金曜日の17時までに全部提出する。

    こういった報告を細かく、最初のうちだけでいいからすることで、「ちゃんとこの人は働いているんだな」と思ってもらうことが重要です。

    外部経験を活かした勉強会の開催

    テイクよりもギブという話でいくと、少なからず今勤めている転職した会社での経験は誰よりも劣っていると思います。ただ逆に言うと、今転職してきた会社外での経験は、ホヤホヤの状態であなたは持っている状態です。

    だからこそ、前の会社でやってきて今の会社にないものや知識は、率先して勉強会をしたり、情報提供するべきです。

    筆者自身もこれは実体験ですが、このブログを書いている時点でまだ入って2〜3ヶ月に突入しようというところで、この間に4回くらい勉強会を実施し、マーケティングの知識の勉強会などをやって、どんどん信用を得ている状況です。

    勉強会をやるメリットは信頼を得られるだけでなく、勝手に自分の得意分野を把握してくれることです。そのため、おのずと変な相談は来づらくなります。「この人はここが得意なんだ」ということを知ってもらえるので、得意な案件が来やすくなります。

    できないことは丁寧に断る

    期待外れと思われないために、できないことは丁寧に断ることも必要です。

    人には得意不得意があります。いくら中途採用で経験者とは言え、前職でやってきていないことを急に頼まれて「即戦力としてやってみろ」と言われても、できないことは絶対にあると思います。

    もちろん、経験上、自分が頑張ればできることであれば、それは経験にもなるからやってきていなかったことでもやった方がいいです。これは大前提としてあります。

    しかし、どうしてもできないし、そもそも言葉の意味からわからないような案件は絶対にあると思います。そういうものに関しては、本当に素直に「ちょっと申し訳ないんですけど、これ本当に言葉の定義すらわからない状態なので、一旦ちょっと担当を変えていただいた方がいいかもです」とか、「もし任せていただけるのであれば、全然覚えるのでやらせていただくんですけど、ちょっとやったことないので」と、ちゃんと素直にできないことに対してできないということを伝えることも重要です。

    ただし、「できないからやりません」ではなく、やる姿勢をちゃんと示すことが大切です。

    最後に

    中途採用で入社直後の仕事ラッシュについて、筆者の実体験を通じて解決策をお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか?

    「中途採用 きつい」「仕事が回らない」と検索すると、かなりネガティブな情報が多く出てきますが、あえて今回は「この状況も悪くない」という視点で書かせていただきました。もちろん、辛い状況に変わりはありませんが、見方を変えれば期待されている証拠でもあり、成長のチャンスでもあります。

    筆者自身も入社2〜3ヶ月の段階でこの記事を書いており、まさに同じ状況を経験している真っ最中です。だからこそ、同じ悩みを抱える方の気持ちがよくわかりますし、実際に効果のあった対処法をお伝えできたと思います。

    重要なのは、一人で抱え込まずに上司とコミュニケーションを取ること、そして成果よりもまず信頼関係を築くことです。この記事を読んでくださった1人でも多くの方が、中途採用での仕事ラッシュを乗り越えるきっかけを掴んでいただければ筆者冥利に尽きます。

    最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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