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社内への報告資料ばかり…「意味のない仕事」から抜け出せる人と一生やらされる人の違い

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この記事を要約すると…
  • 「意味のない仕事」と感じる社内向けの業務にも、組織を回す重要な価値がある
  • 会社における価値は「外に対する価値」と「中を回す価値」の2種類に分かれる
  • 評価を決めるのは社内の人であり、対顧客スキルよりも社内業務の正確性/速さが評価されるケースも多い
  • 思考停止で作業するのではなく、「この仕事にどう意味を持たせるか」を考えることが昇格への道
  • 上司に役割の確認をすることで、キャリアの方向性を調整できる可能性がある

「また社内向けの報告資料か…」「スケジュール作成ばかりで、お客さんのための仕事ができない」

こんな不満を抱えながら、日々の業務に取り組んでいませんか? 売上にも利益にもつながらない社内向けの仕事ばかりで、自分のキャリアに意味があるのか疑問を感じてしまいますよね。

しかしながら、ここで立ち止まって考えてほしいことがあります。本当にその仕事は「意味がない」のでしょうか? そして、なぜあなたはそう感じてしまうのでしょうか?

筆者自身、ホテル業界から大手ベンチャーまで複数の業界を経験してきましたが、「お客様第一」を貫く人が必ずしも出世するわけではないという現実を何度も目の当たりにしてきました。むしろ、社内業務を正確かつスピーディーにこなす人のほうが評価されるケースも少なくありません。

この記事では、「意味のない仕事をやらされている」という感覚の正体と、その状況から抜け出すための具体的な思考法についてお伝えします。読み終えた後、あなたの仕事への向き合い方が少しでも変わりますように。

目次

なぜ「意味のない仕事をやらされている」と感じるのか

多くのビジネスパーソンが不満に思う仕事は、だいたい以下のようなものです。

・社内向けの報告資料作成 ・数字をまとめるだけのレポート ・スケジュール作成や調整業務 ・関係者への共有や議事録作成 ・上司のための資料づくり

「これ、誰の役に立ってるの?」 「お客さんは1ミリも喜ばない」

そう感じるのは自然な反応です。顧客に直接価値を届けたい、売上を上げたいという気持ちがあるからこそ、こうした社内向けの業務が虚しく感じられるのでしょう。

でも、ここで多くの人が致命的な勘違いをしています。それは「会社における価値」の理解が浅いということです。

会社における「価値」は2種類ある

会社で評価される価値は、実は2つしかありません。

1つ目:外に対する価値 ・売上の創出 ・利益の向上 ・顧客満足度の向上 ・新規顧客の獲得

2つ目:中を回す価値 ・意思決定を早くする ・事故やミスを減らす ・人を迷わせない ・組織を止めない ・情報の透明性を保つ

あなたが「意味がない」と感じている社内資料や調整業務は、すべて後者に該当します。

そして重要なのは、会社が大きくなるほど、後者の価値のウェイトが重くなるという事実です。

なぜ売上に直結しない仕事が増えるのか

組織が成長するプロセスを考えてみてください。

人数が増える ↓ 全員が現場の細部を見られなくなる ↓ 意思決定に時間がかかるようになる ↓ 事故やミスが起きやすくなる ↓ 責任の所在が曖昧になる

これを防ぐために生まれるのが、報告・資料・スケジュール・共有といった業務なのです。

つまりこれは、無駄が増えたのではなく、統制コストが増えただけ

スタートアップのように少人数で動いている時期は、全員が全体を見渡せるため、こうした業務は最小限で済みます。しかし組織が拡大すれば、必然的にこの種の仕事は増えていくのです。

ここを理解できないと、「俺は本質的な仕事をしているのに、邪魔されている」という被害者意識だけが育ってしまいます。

評価を決めるのは「社内の人」という現実

ここからが本音の部分です。

あまり良くない事実ですが、対社外よりも、対社内の立ち回りが上手い人のほうが出世しやすいというケースは少なくありません。

なぜか? あなたの評価を決めるのは、お客様ではなく社内の人だからです。

筆者は以前、ホテルで働いていたことがあります。そこで目の当たりにしたのは、お客様への接客が特別優れているわけではないけれど、裏方としての仕事の速さや正確性がずば抜けている人ほど出世していくという現実でした。

一方で、お客様への接し方がスペシャリストで、とにかくお客様とのコミュニケーションに時間をかけている人は、現場では重宝されるものの、結局は評価されにくく、絶妙なポジションに留まってしまうのです。

営業職のように、顧客獲得や契約状況などの数値が一目でわかり、お客様軸で評価される職種であれば話は別です。しかし、すべての仕事がそうではありません。

筆者自身、事業が大好きですし、お客様ファーストの姿勢を貫いています。お客様ありきで事業が成り立っているのは紛れもない事実です。個人の思いと会社の現実が矛盾することは重々承知しています。

それでも、会社という組織ではこういったことが起こるのです。

だからこそ「割り切り」と「役割確認」が大事

では、どうすればいいのか?

まず1つ目は、割り切ることです。

社内向けの仕事が自分の昇給や昇格につながっているかもしれないという視点を持つことも重要です。嫌々やるのではなく、「これも自分のキャリアを前に進める一部だ」と捉え直すのです。

そして2つ目は、シンプルに自分の役割を上司に確認することです。

例えばこんな風に相談してみてください。

「正直、社内報告向けの保守的な業務ばかりなので、実際に売上を上げる仕事もキャリアとして経験してみたいのですが、今後そういった機会はあるでしょうか?」

これは文句ではなく、あくまでキャリア相談という形です。

上司自身も、意識してあなたにそんな仕事ばかりさせていたわけではなく、社内の他のメンバーとのバランス上、自然にそうなっていた可能性があります。そこで「あなたにどういった役割を求めているのか」を擦り合わせることが重要なのです。

文句として伝えるのではなく、あくまで役割の確認をする。このスタンスが、あなたのキャリアを前に進める鍵になります。

それでも「意味がない仕事」に感じる人へ

ここからが一番大事な部分です。

問題は、「社内向けの仕事をしていること」ではありません。

本当の問題は、思考停止で作業していることです。

同じ報告資料を作るにしても、

・誰が見るのか ・その人は何を判断したいのか ・この資料がなければ何が困るのか ・逆に、どこを削れるのか

これを考えて作っている人は、確実に次のフェーズに行きます。

一方で、何も考えずに「言われたから作る」をやっている人は、一生「意味のない仕事をやらされる側」に残ります。

ここが分水嶺なのです。

「意味がない仕事」から抜ける人がやっていること

実際に成長していく人は、こう動きます。

資料の目的を勝手に言語化して出す 「この資料は○○の判断材料として作成しました」と一言添えるだけで、上司の評価は変わります。

「この1枚で判断できます」と先に結論を書く 情報を整理するだけでなく、判断しやすい形に加工する。これが「作業者」と「考える人」の違いです。

不要な作業を減らす提案をする 「この項目は毎回同じ内容なので、テンプレート化しませんか?」といった改善提案ができる人は、組織の中で重宝されます。

スケジュール作成でも、リスクや詰まりポイントを添える 単なるスケジュール表ではなく、「ここが遅れるとプロジェクト全体に影響します」といった視点を加える。

これをやると、上司の中でのあなたの評価が変わります。

「作業者」から「考える人」へ。このシフトができた瞬間、あなたのキャリアは大きく動き始めます。

本音を言うと

ここまで読んで、こう思った人もいるかもしれません。

「やっぱり売上に直結する仕事だけしたい」

その気持ちはよくわかります。

しかし、残酷な事実をお伝えすると、「売上に直結する仕事だけしたい」という人ほど、会社の外に価値を出す力はあるけれど、会社の中では信用を積めないのです。

結果として、大きな仕事も、裁量も、任されません。

筆者自身、スタートアップからメガベンチャーまでさまざまな規模の組織を見てきましたが、この”壁”にぶつかる人を何度も見てきました。

才能があっても、社内での信用がなければ、その才能を発揮する舞台すら与えられないのです。

まとめ:「意味のない仕事」は次のレイヤーへの入口

「意味のない仕事をやらされている」と感じた瞬間が、実は次のレイヤーに上がるチャンスです。

そこから「この仕事に、どう意味を持たせるか」を考え始めた人だけが、作業者を卒業できます。

社内向けの仕事も、顧客向けの仕事も、どちらも会社にとっては必要なものです。そして、あなたを評価するのは社内の人です。

この現実を受け入れた上で、

・割り切って取り組む ・役割を上司と擦り合わせる ・思考停止せず、意味を見出す

この3つを実践できれば、あなたのキャリアは確実に前に進みます。

この記事を読んだ1人でも多くの方が、「意味のない仕事」という呪縛から解放され、自分のキャリアを前向きに捉え直すきっかけになれば、悩みが1つでも減れば筆者冥利に尽きます。最後まで見ていただき、ありがとうございました!

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