- 何をしているかわからない人の多くは、実は集中して仕事に取り組んでいる可能性が高い
- コミュニケーションツールでの連絡は意外と気を使うため、あえて連絡を控えて作業に没頭している人もいる
- リモートワーク環境では、対面でのコミュニケーションが得意な人ほど「何をしているかわからない人」になりやすい
- 解決策は「アウトプットの機会を設ける」ことに尽きる(定期ミーティング、期日設定、フォーマット作成など)
- 何をしているかわからない状態は、アウトプットする場所がないことが根本原因
「あの人、何をしているかわからない」「仕事を任せているけど進捗が見えない」
こんな悩みを抱えながら、同僚やメンバーとの仕事を進めていませんか?何をしているのか見えない相手に対して、不信感や不満が募っていく状況は、チーム全体の生産性を下げてしまいますよね。
しかし、実は「何をしているかわからない人」の多くは、サボっているわけではありません。むしろ、集中して仕事に取り組んでいるケースがほとんどなのです。
筆者自身、コロナ禍でリモートワークが始まった際、突如として「何をしているかわからない人」になってしまった経験があります。対面でのコミュニケーションが得意だったからこそ、オンラインでの情報共有に苦手意識を持ち、結果として周囲から何をしているのか見えなくなってしまったのです。
そんな実体験を持つ筆者だからこそ分かる、「何をしているかわからない人」の実態と、その具体的な解決策について本記事では解説していきます。この記事を読めば、チーム内のコミュニケーション課題が一気に解消されるはずです!
前提:本当に何もしていない人は今回の対象外
まず大前提として、本記事で扱う「何をしているかわからない人」とは、何かしらの業務には取り組んでいるものの、その活動が周囲から見えにくくなっている人を指します。
確かに、職場には本当に何もせずサボっている人も存在するでしょう。しかし、そういった人への対処法は「どう更生させるか」「どう辞めてもらうか」といった別の話になってしまいます。本記事ではそういった人は除外して話を進めます。
あくまで、真面目に仕事をしているはずなのに、何をやっているか周囲から見えなくなっている人。そういった人に対してどう接すればいいのか、どう改善していけばいいのかに焦点を当てていきます。
実体験:筆者も「何をしているかわからない人」だった
何をしているかわからない人は、どこの会社にも必ず存在します。筆者の勤める会社にもいますし、実は筆者自身もそう思われた経験があるのです。
特にコロナ禍で在宅ワークが始まった時期がそうでした。
自分で言うのもなんですが、筆者はコミュニケーション能力が高い方だと自負しています。オフィスで全員が出社している環境であれば、みんなと話しながら自然と物事を進められますし、スムーズに仕事を進行できます。これは自分の長所だと思っています。
しかし、それが短所にもなりました。
コミュニケーション能力だけで仕事を進めてきたため、いざリモートワークになった時、どう仕事を進めていいかわからなくなってしまったのです。
それまで筆者は、頻繁に連絡を取るタイプではありませんでした。何か悩みがあれば直接話しかければいいし、その方が早いと考えていたからです。ところが、リモートワークになると物理的にみんなが会社にいないため、SlackやTeamsなどのチャットツールで連絡を取るしかありません。
ただ、そういったツールを積極的に使ってこなかったため、急に「何をしているかわからない人」になってしまったのです。
この経験があるからこそ、「何をしているかわからない人」の気持ちが痛いほどわかります。
「何をしているかわからない人」の実態
筆者が経験者だからこそわかること、そして自分の周りにそういう人がいるからこそ理解できることがあります。
それは、何をしているかわからない人に限って、意外と集中して仕事に取り組んでいるという事実です。
考えてみてください。チャットでの連絡って、いつ送っていいかわからないし、相手が忙しくないか気を使いますよね。「今送ったら迷惑かな」「返信が来ないとモヤモヤする」といった心理的負担が意外と大きいのです。
連絡を取ることに気を使うくらいなら、直接話した方が絶対に早い。でもリモートワークではそれができない。そして、作業中に通知が来るとノイズになってしまう。
だったら、できるだけ集中して一気に作業を進めた方が効率的だと考える人がいても不思議ではありません。
つまり、「何をしているかわからない人」の多くは、決してサボっているわけではなく、むしろ自分なりに効率を考えて働いているのです。ただ、その働き方が周囲から見えにくいだけなのです。
解決策:アウトプットの機会を設けること
では、「何をしているかわからない人」に対してどう対処すればいいのか。
答えはシンプルです。アウトプットの機会をこちらから設けてあげること。これに尽きます。
具体的には、以下のような方法があります。
1. 定期的な報告の場を設ける
週次や隔週で、進捗報告のミーティングを設定しましょう。その際、「この1週間の課題とアウトプットを持ってきてください」と明確に伝えることが重要です。
ポイントは、何を報告すればいいのか明確にすることです。漠然と「進捗を教えてください」ではなく、「課題」と「アウトプット」という具体的な項目を指定することで、相手も準備がしやすくなります。
2. 仕事を依頼する際に期日を明確にする
「これ、12日の15時までにやっておいてもらっていいですか?」というように、具体的な期日を設定しましょう。
曖昧な依頼ではなく、「いつまでに」「何を」提出してほしいのかを明確にすることで、相手もアウトプットを意識して作業を進められます。
3. タスク管理のフォーマットを作成する
例えば、以下のような項目を持つタスク管理シートを作成します。
- 依頼した日付
- タスクの内容
- 期日
- 納品物のリンク
このフォーマットを共有し、「納品物はここにリンクを貼ってください」と伝えれば、その人が何をやっているのか、何を完了したのかが一目瞭然になります。
なぜアウトプットの機会が重要なのか
「何をしているかわからない」という状態に陥っているのは、アウトプットする機会がないからです。もっと言えば、きちんと握れていないのです。
依頼する側が何を頼んでいるかを把握していなければ、相手が何をしているかわかるはずがありません。同僚の立場でも、相手が何を頼まれているかわからなければ、何をしているか見えないのは当然です。
つまり、アウトプットする場所さえあれば、「何をしているかわからない」事態は確実に防げるのです。
もし自分が依頼する側、マネジメントする側であれば、この問題の一部は自分自身にあると認識すべきでしょう。アウトプットの機会を設けていないのは、管理する側の責任でもあるのです。
まとめ:問題解決のカギはコミュニケーション設計
「何をしているかわからない人」への対処法は、決して難しいものではありません。
アウトプットの場所を作ってあげる。本当にこれに尽きます。
- 定期的な報告の場を設ける
- 期日を明確にして仕事を依頼する
- タスク管理のフォーマットを作成する
こうした仕組みを整えることで、チーム全体の可視性が向上し、コミュニケーションの質も大きく改善されます。
「何をしているかわからない」という問題は、個人の問題というより、チームのコミュニケーション設計の問題です。相手を責める前に、まずはアウトプットしやすい環境を整えることから始めてみてください。
リモートワークが当たり前になった今だからこそ、意識的にコミュニケーションの仕組みを作ることが、チームの生産性を高める鍵となるのです。
この記事を読んだ1人でも多くの方が、「何をしているかわからない人」との関係性に悩むことが減り、より生産的なチームワークを実現できれば筆者冥利に尽きます。最後まで見ていただき、ありがとうございました!
