- 言われたこと以上のことをやって評価されないと「損した」と感じるのは、見返りを期待しすぎているから
- 実際には何も失っていない。むしろ経験値ややり切る力など、確実に得ているものがある
- 「やっている」は自己評価、「できている」は他者評価。自分で勝手に「以上のことをやった」と判断しているだけかもしれない
- 1、2回やったくらいで見返りを求めるのは早すぎる。打席数を増やすことで必ず評価される日が来る
- 継続して期待以上を意識することで、確実に自分の力になっている
「言われたこと以上のことをやったのに評価されない」「頑張っているのに報われない気がする」
こんな気持ちで仕事をしていませんか?上司の期待を超える仕事をしたつもりなのに、何の反応もなかったり、感謝の言葉すらもらえなかったりすると、損した気分になりますよね。
しかし、本当にあなたは「損」をしているのでしょうか?
筆者は大手ベンチャーで役職者として働く中で、多くの社員を見てきました。その中で気づいたのは、「損した」と感じている人ほど、実は何も失っていないという事実です。むしろ、気づかないうちに多くのものを得ているのです。
この記事では、言われたこと以上のことをやって評価されなくても、実は1mmも損していない理由について、筆者の経験とロジックをもとに解説していきます。
「もしかして、自分が勝手に損した気分になっていただけかも…」そう思っていただけたら嬉しいです。
「損した」と感じる心理の正体
言われたこと以上のことをやったのに評価されないと、損した気分になる。これは多くの社会人が経験する感情でしょう。
しかし、ここで冷静に考えてみてください。
あなたは一体、何を失ったのでしょうか?
時間?労力?それとも、期待していた報酬やボーナス?
実は、失ったものなど何もないのです。あなたが勝手に「損した」と思い込んでいるだけなのです。
人間は本能的に、努力に対する見返りを求める生き物です。特に現代社会では、すぐに成果を求めたがる傾向が強くなっています。1回や2回、言われたこと以上のことをやったくらいで、目に見える報酬を期待してしまう。ボーナス、賞与、昇給、感謝の言葉…。
しかし、冷静に考えてみてください。たった1、2回やったくらいで、本当に相手があなたの行動を「言われたこと以上」と認識しているでしょうか?
自己評価と他者評価のギャップ
このブログでは何度も話していることですが、「知っている」「やっている」「できている」という3つの段階があります。
「知っている」と「やっている」は自己評価です。自分で判断できます。
しかし、「できている」というのは他者評価なのです。他人が評価して初めて「できている」と言えるのです。
今回の話で言えば、「言われたこと以上のことをやっている」というのは、あくまでもあなたの自己評価に過ぎません。実際にそれが相手にとって「以上」だったのか、役に立っていたのかは、他者が評価することです。
極端な話、あなたが「以上のことをやった」と思っていても、相手からしたら「おせっかい」だった可能性すらあります。相手が求めていないことを勝手にやって、勝手に期待して、勝手に失望する。
これは、自分で勝手に気持ちよくなって、なぜか勝手に気持ちが落ちているような状態です。言い方は厳しいですが、メンヘラ予備軍と言っても過言ではありません。
実際に得たものを冷静に考えてみる
ここまで少し厳しめに話してきましたが、だからといって「言われたこと以上のことをやる価値はない」という話ではありません。
むしろ、その逆です。
言われたこと以上のことをやったとき、あなたが得たものは何でしょうか?冷静に考えてみてください。
まず、経験です。言われたこと以上のことに挑戦することで、新しいスキルや知識を得られたはずです。普段やらない業務に手を出したことで、視野が広がったかもしれません。
次に、やり切る力です。言われたこと以上のことをやり遂げるには、自分で考え、工夫し、時には困難を乗り越える必要があります。その過程で、あなたの「やり切る力」は確実に鍛えられています。
さらに、自己成長です。期待以上のことをしようとする姿勢そのものが、あなたを成長させています。その経験は、次の仕事で必ず活きてきます。
これらは、誰も奪うことのできない、あなた自身の財産です。ボーナスや昇給よりも、よほど価値のあるものではないでしょうか?
打席数が全てを決める
野球に例えて考えてみましょう。
1回バッターボックスに立っただけで、ホームランを打てる人はほとんどいません。プロ野球選手でさえ、3割打者になれば一流と言われる世界です。
仕事も同じです。
言われたこと以上のことをやったからといって、1回や2回で評価されると期待するのは、甘すぎます。打席数が少なすぎるのです。
数打ちゃ当たる、という言葉があります。これは決して適当にやれという意味ではなく、継続的に挑戦し続けることの重要性を示しています。
言われたこと以上のことをアウトプットしようと心がけて続ければ、必ずどれかは、他者評価の「できている」に繋がります。喜んでもらったり、賞与や給与、昇給、感謝の言葉につながる日は必ず来ます。
私自身、32歳で役職者になれたのも、この「打席数」を意識して働き続けてきたからです。入社して6ヶ月で部長になれたのも、日々、期待以上を意識して行動し続けた結果なのです。
損しているのではなく、投資している
視点を変えてみましょう。
言われたこと以上のことをやることは、「損」ではなく「投資」なのです。
短期的には目に見える見返りがないかもしれません。しかし、長期的に見れば、その経験やスキルは必ずあなたのキャリアにプラスになります。
私がよく部下に言うのは、「今の行動は、3年後の自分への投資だ」という言葉です。
今日、期待以上のことをやった経験は、3年後のあなたの市場価値を高めています。今日、やり切る力を鍛えた経験は、3年後のあなたの選択肢を広げています。
これのどこが「損」なのでしょうか?
むしろ、目先の見返りばかり気にして、言われたことしかやらない方が、長期的には大きな損をしているのではないでしょうか。
継続することで見えてくるもの
言われたこと以上のことをやり続けると、不思議なことが起こります。
最初は気づかれなかったあなたの努力が、徐々に周囲の目に留まるようになります。「あいつはいつも期待以上のことをやってくれる」という信頼が積み重なっていくのです。
そして、ある日突然、大きなチャンスが巡ってきます。重要なプロジェクトのリーダーに抜擢されたり、昇進の話が来たり、給与が大幅に上がったり。
これは、あなたがコツコツと積み重ねてきた「期待以上」の結果なのです。
私の経験上、キャリアで成功している人は例外なく、この「継続」を大切にしています。1回や2回の失敗や無反応で諦めず、黙々と期待以上を意識して働き続けています。
すでに身についている力を信じる
最後に、一番大切なことをお伝えします。
あなたが言われたこと以上のことをやってきた経験は、すでにあなたの力として身についています。
評価されていないと感じているかもしれませんが、あなたの中には確実に、以前にはなかった能力やスキルが蓄積されているのです。
それは、次の仕事で必ず発揮されます。転職するときに、必ず評価されます。人生のどこかで、必ず活きてきます。
だから、損した気分になる必要はまったくありません。
いつも期待以上を意識して働けば、必ず自分の力になります。すでにもう身についているから、大丈夫です。
自信を持って、これからも継続してください。
まとめ
言われたこと以上のことをやって評価されなくても、あなたは1mmも損していません。
失ったものは何もなく、むしろ経験、やり切る力、自己成長という、誰にも奪えない財産を手に入れています。
すぐに見返りを求めるのではなく、打席数を増やすこと。継続して期待以上を意識すること。これが、本当の意味であなたのキャリアを豊かにします。
「損した」という気持ちは、ただの思い込みです。今日からその考えを捨てて、自信を持って働いていきましょう。
この記事を読んだ1人でも多くの方が、「言われたこと以上のことをやることの本当の価値」に気づき、職場での悩みが1つでも減れば筆者冥利に尽きます。最後まで見ていただき、ありがとうございました!
