- チームが未達の責任は上司の責任。個人の未達は個人の責任だから部下を責めるはご法度
- ただ、部下に対して目標を達成してない事実情報は認識させる
- 未達が続いたら、勝ち癖をつけるためKPIを前に持ってくる
- 自責意識を持たせるため、部下に目標を達成するための権限を要求させる
- あまりにも未達が続く場合は、上司が会社と目標の設定を見直す必要がある
筆者である僕自身もそうですが、部下が目標を達成しないせいで自身の目標が達成できない、なんてことがよくあります。
ボーナスの査定や来季の給与にも関わってきますから、思わず部下を思い切り責めて、文句の1つや2つも言いたいところ。
ただ絶対にそれだけはしないでください。
今日の記事では、目標未達時の部下への対応や接し方、そして自身の行動について記載していきます。
部下を怒ったら絶対にダメなワケ
まず、怒ってはいけない理由はシンプルにあなたの未達はあなたの責任だからです。
例を上げて役割を整理します。
だいたいの場合、
1)部長・課長(チームリーダー)の目標
→店舗やメンバーの売り上げ合計
2)平社員の目標
→個人の売り上げ
こういった図式の上、目標設定がされると思います。
1と2がまさに役割分担ですが、
チームの目標を達成するのは部課長の責任ですが、一般スタッフはチームの目標は持っていないです。
イメージの図を作る
つまり、チームの目標を達成していないのはあなたのせいだ・・・と上司が部下に対して怒るのは、あなた自身の失敗を部下に擦りつけているのと同じことになります。
サッカーに例えると、1対0で負けた試合のあとに、
スタンドで応援していた控え選手に対して、「なんでお前が点取らないんだ!」って言っているようなものです。
大袈裟かもしれませんが、それだけ部課長の目標とスタッフの目の前の目標と言うのは違い、自責ベースで捉えないと矛盾が生まれます。
会話:だったら、部下の未達はそのまま放っておけばいいということ?
自分:いいえ、そうじゃないです。次の章でそんな時の対応方法を説明していくね!
部下の未達を認識させることはすぐやるべし
怒ったり責任を擦りつけるのはNGですが、「達成をしていない」という事実を部下に認識させることは必須です。
上司がやること①【未達幅を認識させる】
目標に対して何%の達成率だったのか。
何%足りなかったのか?
営業の職業とかであれば、純粋に獲得件数とかが目標なことも多くシンプルです。
ただ、webマーケティングやエンジニアの仕事になると複雑な目標設定がされていることもあり、純粋に達成しているか?達成しないか?だけの振り返りで、達成度という数値が忘れ去られがちなため、まず未達幅を認識させる必要があります。
頑張れば達成できる数値なのか?
単純に目標設定が無謀だったか?
今よりも行動量を増やす必要がどれくらいあるのか?
これを認識させることを未達幅の認知です。
会話:でも注意なのは、未達幅の分析に時間をかけさせることだよ!過去に終わったことの分析よりも未来の方が大事だから。ここではあくまで数値の未達状況の把握をさせるんだ。
上司がやること② 未達幅を埋めるための行動の約束
数値の不足を認識させたら次は未来の行動の約束をする必要があります。
「なんで達成してないんだ!」「目標を達成してない理由は?」「残業してでも達成させるろ!」「根性が足りない!」
絶対に上記は言わないでください。
大切なのは過去に未達だった事実よりも、未来に達成できるかどうかです。
あなた自身は冷静に、「目標を達成するために何をやろうか?」「いつまでに、なにを?」
これを引き出し、上司として、キャリアの先輩として「はい、いいえ」で淡々と約束をしていくだけです。
会話:でも、行動の約束で全然達成できなそうなことばかり言ってくる人もいるよね?
上司:もちろん居るよ。その場合はスキルの勉強会をやったり、過去の自分の経験を伝えたりする時間を別にとる必要があるよ。
基本は部下の目標なので、部下にタスクの設定をさせて、上司はよほどのことがない限り自走をさせることで自責意識を持たせます。
目標未達が続く部下への対応方法
図形を用いる ゴール設定について
1)短期的なゴールの設定を甘くする
まずは勝ち癖をつけさせましょう。
目標を甘くするのは本意ではないかもしれませんが、高い目標を設定して未達が続くのなら、甘くしたところで結果は変わりません。
圧倒的に成功体験が不足してますから、まずは
・頑張れば達成できる
・数字に向かってタスクをこなしていく
こういった感覚をつけさせるのが上司に求められることです。
2)管理されているという認識を持たせる
次に管理されているという認識を持たせましょう。
具体的には、週次(あまりにもできない人には日次)でタスクを管理して、完了を報告させます。
どうしてもできない場合はできないとわかった時点で報告をいれさせ、「上司(会社)に管理をされている」という認識を持たせることが大切です。
会話:今は自由な社風が求められ、時代に逆行しているように感じるけど本当にいいの?
上司:自由な社風というのは求人の謳い文句で都市伝説くらいに思った方がいいよ!確かに自由な社風は存在するけど、会社にいる以上は会社のルールを守ることが基本だよ!
「管理されている」という認識を持たせるのは、会社の一員として目標を達成させることが使命なことを認識させるためです。
売り上げ貢献しなくていい社員なんて本来一人もいないはずです。
会社で働く以上は目標をしっかり追う、達成させるという意識を持つことは、”日本で日本の法律を守りましょう”と当たり前のことを言っているようなものです。
数値なので、達成できないことはもちろんありますが、会社の管理のもと自分が社員として存在していることを忘れさせてはいけません。
・必要な権限を要求させる
目標を達成しない意識が低い部下に限ってこんなことを言ってきませんか?
「人が足らない、広告費が足らない、会社の制度が不十分・・・」
これらがあったら本当に目標を達成するのでしょうか?
そんな部下へは権限を要求させます。
「広告費を〇〇円増やさせてください」
「誰々をこのプロジェクトにアサインさせてください」
「〇〇の業務がリソースを圧迫しているので、減らしてもよいですか?」
この時、ただ、ヒトモノカネのくれくれにさせてはダメです。
しっかりと、過去の実績や市場の事実情報に基づき、実現性や金を使っての投資なら回収計画まで落とし込ませます。
ここまでくると、次の目標を達成させるための行動計画にもなるので、タスクが明確になります。
そしてなにより、自分で権限を要求して実行したタスクですから、人に言われてやるタスクよりも自責思考が生まれやすいです。
最初はなかなか、的外れな権限要求しかでてこないものですが、”まず達成するために必要な要素を考えさせる”ことでも十分なトレーニングになるのでやらせましょう。
上司側が会社へ要求しないといけないこと
最後に、上司側が部下ではなく、会社側に対してアクションを起こすべき。という話しをさせていただきます。
結論、目標未達が続く部下がいる場合、会社側と設定をしている目標を下方修正できないか交渉をしましょう。
3ヶ月、、、半年、、、と未達が続くような目標は、残念ながら今日明日頑張ったところで達成できる目標ではありません。
起業家でもない限り、せいぜい今週の週末や、あと数日に控えた給料日、年に2回の賞与支給日くらいしか、スタッフレベルの意識は向きません。
今頑張れば1年後、2年後、会社の未来のために・・・
なんて人はまずいないです。
となると、いかに今日明日ちょっと頑張れば・・・という意識を持たせることが最大のニンジンになるのです。
厳しい話しですが、筆者である私も役職者でありながら一般的な会社員であり、役職がない時期ももちろんありましたから、この目の前のことしか見ていない気持ちは重々理解できます。
一般社員が経営層に直接打診するのは会社の秩序や、あなたが管理者として存在している意味がなくなってしまうので、あなた自身が会社側に部下の目標の下方修正を打診しましょう。
そして大事なのは目標の下方修正も部下のためにやってやっているというわけではなく、あなた自身のチームが勝つためのタスクと自責意識を持ち行動をすることです。
要求を飲んでくれない会社の場合
感情論ではなく、事実が十分に揃った上で目標の下方修正に応じてくれない会社の場合は、「数値が悪くなると根性論になる・・・」
という、少しブラック気質なところがあるので、
長く勤めるようなことはおすすめしません。
もちろん、若いうちに多少なりともブラックな環境で理不尽に打ち勝つ経験は必要かもしれませんが、30代…40代になってもその環境は、あなた自身のキャリアのリスクが高くなるだけです。
理由は、歳を重ねたり、出世をする度に、あなたが気づかぬうちに加害者になっていくことが容易に予想できるためです。
環境というのは怖いもので、ブラックな環境が普通でその環境に慣れてしまうと、被害者だった自分でさえ、無意識なうちに加害者になっているもの。
中学生や高校生のころ、1個上の優しかった部活動の先輩が、最上学年になった途端嫌いな先輩に変わった経験はありませんか?
あれも同じことで、自分がされてきたことは後輩や部下にもしていいという錯覚を起こし、権力を持てば持つほど加害者になっているのです。
今からでも遅くないです。
もしあなたの事実に基づいた要求を受け入れてくれず、根性論ばかり押し付けてくる会社の場合は、加害者になる前に転職をおすすめします。
何も、すぐに転職活動とは言いません。
すこーし視野を広げて、求人を見たり、他の会社の制度を見たり聞いたりしながら、今の自分の地位や年収を上げられる環境の選択肢を持っておけばよいだけです。
これだけでも、あなたが加害者へ一直線から抜け出せます。
筆者が27歳の時に転職活動をして、年収が100万円以上上がったリクルートエージェントであれば、完全に無料で専門家にキャリアを相談できます。
もちろん、その後のサポートも無料で、仮に転職が成功してもエージェントに料金を取られることは一切ありません。
まったく、利用者は損をしない仕組みになっているので、ぜひ外の世界を覗いてみてはいかがでしょうか?