- 成長意欲がない人が多いのは、景気が良い時期を経験してない世代など時代背景が関係している
- 成長意欲の有無に関わらず、「お金をもらっているのだからやれ」に尽きる
- 多様性は認める必要はあるが、成長意欲がない人とは視座が近いと認識して物事を捉えれば良い
- 成長意欲が低い人のモチベーションをあげようなんてことは絶対にやってはダメ
「成長意欲がない同僚にイライラ…」「やる気がないやつと働きたくない」
こんな感情を抱きながら毎日仕事をしていませんか?会社の売り上げを伸ばすために一生懸命自分はやっているのに、士気を下げるようなスタッフがいると、自分までモチベーションが下がってしまいますよね…。
結論から言えば、成長意欲のあるなしは関係なく、お金をもらっているだから遠慮する必要はない。
これに尽きます。
ただ、成長意欲がないというのはその人のパーソナリティーももちろんあるのですが、時代背景も絡んだり複雑なことも多いです。今後、そういう人に会うたびに突き放していたら仕事にならないと思うので、成長意欲がない人はなぜ?なんて説明をしつつ、あなたの関わり方や考え方をこの記事では説明をしていきます。
そもそもなぜ成長意欲がないのか?
成長意欲がない人には、その人なりの背景があることも忘れてはいけません。
寄り添う必要は全くありませんが性質を知ることで役に立つこともあると思うので、ここでなぜ成長意欲がないのか?ということにフォーカスを当てていきます。
価値観の違い
例えば、仕事が好きという人の中にも、いろいろあります。
人言われてやる仕事は嫌いだけど自分で選んでする仕事は好き。1人で没頭して仕事をすることが好きだけど、チームでコミュニケーションを取りながら仕事をするのはあまり好きではないなど、いろんなパターンと価値観の人がいます。
自分が成長意欲があるがゆえに、成長意欲がない人のことを「仕事はあまり好きじゃないんだろうな」なんて思ってしまいがちですが、実は仕事が好きで成長意欲だって本来はがある人なのかもしれません。
この価値観を認め、許容しなければならないと理解してください。
時代背景からくる成功体験のなさ
過去の報われなかった経験です。成長意欲がないと見られる人々はおそらく成功体験が少なかったり、社会全体が成長していくような経験をしてこなかったバックグランドからくる可能性が高いです。
特に、ここ30年くらいの日本は経済成長がほぼなく”空白の30年”などと言われているように、世の中全体や国全体が成長している!なんて感じたことがない世代です。生まれてからずっと景気が悪いなんてニュースを見て育ってきました。
少し前だったら、例えばバブルを経験して「あの時代は良かった」とか「当時はすごく儲かったのに」「ボーナスもたくさんもらったのにね」と言えたから、仕事を頑張れば良いことがあると身をもって経験している世代が多いです。
しかし、20代〜30代の会社員であれば、世の中の良い状態を経験したことがないので、仕事をして何か報われるというイメージが薄い人も多いことでしょう。
そういった中で頑張っても報われないというメンタリティが、最初から育っている可能性があるので、成長意欲がないのは、実際にはその周りの環境やその人のバックグラウンドが影響していることが多いと言えます。
職場環境
成長をし続けているスタートアップやベンチャー企業であれば、売り上げが数億伸びた数十億伸びた、上場した、なんて誰がどう見てもわかりやすく会社が成長し、その成長が個人に反映されたり給与が上がったりします。
しかし、多くの一般企業では売り上げが増えているとしても会社としての成長が見えづらかったり、給料がそんなに増えないのが当たり前です。
ましてや日本全体の高齢化により、40代50代の管理職が固定されて上のポジションが詰まって20代30代で出世ができないなんてことが起きてしまっています。
そういった中で、頑張ったから成長したからといって、その見返りがあるというような職場環境や雰囲気を感じ取れないため頑張ろうとか成長しようという気が薄れている可能性が薄れているのでしょう。
成長意欲がない人を肯定するわけではありませんが、ある意味合理的とも見れます。
仕事の優先度が低い
今ではスマホの普及などで、お金を稼がなくても娯楽が身近にある状態になっています。例えば映画館に行かなくてもNetflixやAmazonPrimeなどのVODサービスを使って、国内外の映画やドラマがいくらでも見られるようになりました。
YouTubeを見れば普段は遠い存在の人が私生活を公開していたり、昔はお金を払わなければ得られなかったような情報が当たり前のように無料で落ちています。洋服一つを買うにしても、今はファストファッションやシーインのような格安通販の登場で服にお金をかける時代ではなくなっています。
上記のように娯楽の質が高い上にお金を安く済む時代になってしまったと考えると、生活が困らない程度にお給料を貰えたらいいという人が実際に増えています。定時に帰宅してお風呂に入って、ご飯を食べて、2時間ぐらい映画でも見るという生活が理想なんて人も身近に多くいるでしょう。
成長意欲どうこうよりもワークライフバランスが重視され、ワークではなくライフの部分が尊重されているわけです。これは決して悪いことではなく、それ自体がその人の価値観なので否定もできません。
成長意欲はなくてもいいのか?
結論から言うと、成長意欲は持つに越したことはないですが必ずしも必要ではありません。そんな成長意欲の必要性に関してこの章では解説をしていきます。
成長意欲があるないは直接仕事に関係ない
会社からすると、「成長意欲があろうがなかろうが、お金を払っているんだからもん言わずに働いてほしい」、「言われたことくらいは当たり前にやってくれ」というのが本音です。
たとえば、”彼氏、彼女に振られた”など個人的な悩みであっても、それが仕事を休む理由にはなりません。もちろん家族の不幸などは別ですが、日常生活の出来事が仕事に影響を与えるべきではないのが大前提です。
それと同じように、成長意欲がないとしても仕事をしない理由にはできません。
期限と状態は徹底的に守れば良い
職場でのコミュニケーションや仕事の進め方においても、明確な期限と状態(目標)を設定しそれに従うことが大切です。
成長意欲がないからといって仕事をしなくていいわけではありません。与えられた仕事に対して、どのような成果をいつまでに出すべきか、具体的に期限を設け目標を明確にすることが求められます。
逆にやる気がなくてもこれさえしっかりと実行し、毎度期限を守ってくれたら成長意欲がなかろうが優秀と言えるでしょう。成長意欲はないかもしれませんがやることはやっています。
成長意欲というものは定性的なものなので突っ込もうとすればいくらで言えてしまうのが事実。定量的に物事を定め判断していくことが大切です。
定量的な決め事の例
定量的な例:デザイン案の提出する場合、「デザインのラフ案を3ページ分、かつ他社の動線も考慮した完璧なものを、3月10日までに提出してください」と指示します。
定性的な例:デザイン案の提出する場合「デザインのラフ案を3ページ分やっといて。なるはやで。」
絶対指示というのですが、期限と完了した際の状態を明確にすることで、定量的に判断し「やる気がない」などの個々の主観で人を判断することがなくなるのでおすすめです。
成長意欲がない同僚との関わり方
成長意欲ない人に対して特別な態度を取る必要はありませんが、普通に関わっていてもこちら側が疲弊してしまうものです。
そうならないための心持ちややってはいけないことを説明していきます。
同じ視点で考える必要はない
見下していいとまでは言いませんが、自分の方が視座は上だと思ってください。すなわち「見ているところが違うんだよ」と思うようにしてください。※見下すとかそう言った意味ではありません。大切なので2回目。
根本的な価値観が違うので、自分の考えていることを理解してほしいとか、自分と同じようなモチベーションで成長意欲を持ってほしいと押し付けることは考えないでください。視座が違うのですから。
わかりやすく極端な例を出します。生まれた国や人種によって信仰する宗教が違いますが、キリスト教徒の方に「明日からイスラム教になってほしい」と言ってもまず無理でしょう。
この記事を見ている日本人のあなたに、「明日からアメリカ人になって欲しい。地元を捨て出身もアメリカと答えて。」と言われても、バカけ過ぎている話しなので無理だと思います。
極端過ぎるのでこれと同じようにとは言えませんが、やはり育ったその環境やその人ごとのバックグラウンドがあるので、それを変えることはまず無理です。
成長意欲が低い、あまりない人というのはバックグラウンドが関係している可能性が高いので、その人の人生を変えるぐらいの根性や責任を持ちながら向き合う努力をしてやっと同じ視点視座になることでしょう。
さすがに人生は背負えないと思うので、同じ視点になろうと頑張ることに体力や自分の気力を使うのは無駄です。そもそも同じ視点ではないという前提条件を理解した上で自分自身が振る舞う必要があります。
多様性を認める
成長意欲があるに越したことはないですが、別になくてもいいという説明を前述させていただいたとおり、同僚に対して成長意欲を求める必要はありません。
家族との時間を多くすることが重要だったり家に帰って娯楽の時間が一番重要など、本当にいろんな価値観があるので、その人の価値観をまず否定せずに認めてあげましょう。
認めるというのはその人に対する妥協を許すわけではなく、やることをやっていれば、それ以上のコミットメントに対して干渉する必要はないという自分の心持ちでいてください。
同僚として遠慮しない
成長意欲がないからといって、その関わり方に遠慮する必要は全くありません。ダメなものはダメと指摘する必要があります。
給与をもらっているのに仕事をしないというのはシンプルに問題なので、その人の価値観とは関係なく問題があれば指摘が必要です。
例えば会議に1時間参加しているのに発言をしないなど、それは仕事をしていないことと同じなので、「しっかり発言をして問題解決のための解決案を出してほしい」ということを伝えます。
モチベーションを上げようとしない
無理にその人のモチベーションを上げる必要はありません。
文字通りモチベーションを高めようとすることは悪いことではありませんが、モチベーション管理をしてしまうと一生それをしなくてはならないという状況があります。
例えば最初に上司が飲みに連れて行ってくれてお金を出してくれたら、最初は感謝するかもしれませんが要求はどんどんエスカレートしていきます。
「他の会社に勤める友人の先輩はもっといいところに連れて行ってくれている」「付き合っているのになんでタクシー代をくれないんだろう」などなど、感謝が文句に変わります。
もう既に給料をもらっているのでその人が働こうが働かなかろうが、今月の給料が発生することはもう決まっています。これを理解した上で、とにかくやるべきことをやってほしいと期待し指摘を続けることが大切です。
成長意欲がない人で疲れることは辞めよう
ここまで、成長意欲がない人の背景や関わり方について説明していきましたがいかがだったでしょうか?
時代背景などもあり実は複雑な問題でもあるのですが、成長意欲があるあなた自身が疲弊して足を引っ張られた元も子もありません。
意欲のありなしはそもそも関係ない。だから特段意識する必要なく、物事を実施して成功させるための手の1つとして考えましょう。
成長意欲があるあなたが、成長意欲がな人に対して遠慮やモチベーション管理をせずに自分の役割を徹底的に全うできるきっかけの1つになれば筆者冥利に尽きます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。