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【「好きなことを仕事にしたい人へ】抽象度が鍵!憧れで起業失敗した32歳が語る現実的キャリア論

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この記事を要約すると…
  • 「好きなことを仕事にする」=「自由に好きなことだけやる」という誤解が多すぎる。好きなことで稼ぐには「人の役に立つ形」への翻訳が必要
  • 好きなことを仕事にすると、納期・クライアント・評価に縛られて嫌いになるリスクがある。純粋な趣味として残す選択もアリ
  • 仕事に「好き」を混ぜるという発想でもOK。20%好きが混ざっていれば人生は十分豊かになる
  • いきなり本業にせず、副業として「実験」から始める段階的アプローチが現実的
  • 好きなことより「伸びる市場×競合が少ない領域」を選ぶことが成功の鍵。市場選びが9割の勝敗を決める

「好きなことを仕事にしたい」というのは、多くの会社員が抱く憧れです。しかし、この願望に対して世間には多くの誤解があり、表面的な理解だけで行動してしまうと、思わぬ落とし穴にはまってしまいます。

32歳で大手ベンチャーの役職者として働く私が、これまでの経験とロジックを基に、好きなことを仕事にする際の現実的な戦略をお伝えします。

目次

「好きなことを仕事にする」には誤解が多すぎる

まず最初に理解すべきは、「好きなことで食っていく=自由に好きなことだけやってる人」ではないということです。これは多くの人が抱く最大の誤解の一つです。

好きなことの「抽象化」が選択肢を広げる理由

好きなことで収入を得るには、それを「人の役に立つ形」に翻訳しなければなりません。仕事とは本質的に他者貢献であり、自己満足だけでは成立しないのです。

例えば、「絵を描くのが好き」という人がいたとしても、それだけでは仕事になりません。「人を喜ばせるデザインを作るのが好き」「メッセージを視覚的に伝えるのが好き」「ブランドの価値を表現するのが好き」といったように、より抽象度の高い「好き」として捉え直すことで、選択肢は大きく広がります。

他者貢献への翻訳が収益化の鍵

「人を喜ばせるのが好き」なら接客業やイベント企画、「びっくりさせるのが好き」なら企画職やマーケティング、「数字の分析をするのが好き」ならデータアナリストやコンサルタントなど、好きな仕事を限定的にせず抽象度を高めることで、自分の中の整理もつきやすくなります。

「仕事にした瞬間、嫌いになる」リスクもある

好きなことを仕事にする際に見落とされがちなのが、「仕事にした瞬間、嫌いになる」リスクです。

IT起業で体験した理想と現実の残酷なギャップ

実は私自身、この失敗を経験しています。「IT企業の社長」という憧れから会社を設立し、大失敗しました。社長という響きに憧れ、IT社長がチヤホヤされる時代もあったので、とにかく形から入ってしまったのです。

しかし現実は、キラキラしたIT社長のイメージとは真逆でした。毎日資金繰りに悩み、エクセルの資金管理表や口座残高を見直すビクビクした経理担当のような日々。月末近くになると、取引先からの振り込みがあるか不安で不安で、借金取りのように各社に電話をかける始末でした。

憧れとのギャップが大きすぎて、本来やるべき営業や事業運営にコミットできず、結果的に潰れてしまいました。私の場合は「好きなこと」というより「憧れ」を仕事にしたパターンですが、表面的なイメージだけで選択することの危険性を身をもって体験したのです。

憧れの裏に隠れた泥臭い日常業務の実態

好きなことが納期、クライアント、評価に縛られるようになると、純粋に楽しんでいた時とは全く違う体験になります。

好きなことにも表と裏があり、表側しか見ていない状態で仕事にしてしまうと、現実を見てやめてしまうケースが多いのです。例えば、写真が好きでフォトグラファーになりたいと思っても、実際は機材の準備や片付け、顧客との打ち合わせ、請求書作成などの事務作業が大半を占めます。

このような現実があるため、「好き」を”純粋な趣味”として残すという選択もあります。重要なのは、自分にとって”好きの重さ”がどれくらいかを考えることです。

仕事に「好き」を混ぜるという発想でもいい

好きなことを仕事にする方法は、必ずしも「好き=仕事そのもの」である必要はありません。仕事に「好き」を混ぜるという発想も十分に有効です。

20%の「好き」が人生を豊かにする理論

具体的には、好きな業界に関わる、好きな人たちと働く、好きなプロダクトを扱う、といった形で、好きな要素が仕事に「含まれていれば」幸せになれる人も多いのです。

仕事が100%好きじゃなくてもいいのです。20%”好き”が混ざっていれば、人生は十分に豊かになります。この考え方は、キャリア選択の幅を大きく広げてくれます。

音楽好きが選べる多様なキャリアパス

例えば、音楽が好きな人が必ずしもミュージシャンになる必要はありません。音楽業界で働く、音楽配信サービスの企画をする、アーティストのマネジメントをする、音楽イベントの運営をするなど、様々な形で音楽に関わることができます。

「やってみてから考える」も立派な戦略

好きなことを仕事にする際の現実的なアプローチとして、「やってみてから考える」という戦略があります。

失敗から得た意外な財産とその活用法

私自身、この「やってみる」を実践した一人です。前述の起業失敗体験がまさにそれでした。

しかし、この失敗から得られたものは結果的には大きかったと感じています。ビジネスの現実、お金の重み、顧客との関係性、そして何より自分自身の限界や適性について深く理解できました。現在の役職者としての立場でも、この時の経験が活かされています。

特に、「表面的な憧れと現実の違い」を肌で感じたことで、部下のキャリア相談や採用面接でも、より現実的なアドバイスができるようになりました。また、資金管理の重要性や顧客との信頼関係構築の難しさを知ったことで、現在の会社経営においても慎重かつ戦略的な判断ができています。

「やってみる」価値と覚悟の重要性

つまり、「やってみる」こと自体は非常に価値があります。ただし、憧れや表面的なイメージだけで飛び込むと、私のように現実の厳しさに押し潰されてしまう可能性があることも事実です。

好きなことを仕事にしたいなら、その仕事の「裏側」「泥臭い部分」「日常の9割を占める地味な作業」も含めて受け入れる覚悟があるかどうかが重要になります。理想の部分だけでなく、現実の全体像を把握した上で、それでも挑戦したいと思えるかが分岐点です。

また、失敗したとしても必ずそこから得られる学びがあります。重要なのは、その学びを次にどう活かすかという視点を持つことです。

キャリアは”ストーリー”。好きは軸にすればいい

キャリアを考える上で重要なのは、好きなことは「仕事そのもの」でなくても「選択の軸」になっていればOKということです。

「好き」を軸とした一貫性のあるキャリア設計

自分が選んだキャリアを”好きなストーリー”に変えていけるかどうかが鍵になります。仕事そのものより「自分が主人公でいられるか」が大事なのです。

例えば、「人の成長を支援するのが好き」という軸があれば、人事、研修講師、コンサルタント、マネージャーなど、様々な職種でその軸を活かすことができます。重要なのは、自分のキャリアを一貫したストーリーとして語れることです。

市場選択が9割を決める現実

また、仕事を選ぶ上で重要なのは、好きなことより伸びる市場や伸びる会社を選ぶことだと私は考えています。

勝てる土俵で戦え

「好きなことで稼ぎたい」という願望の裏には、経済的な成功への期待も隠れています。しかし、好きだけを切り取っても、伸びない市場であればかなり厳しいのが現実です。

才能より市場選択が9割を決める理由

世の中、努力だけでは報われません。才能ではなく”市場選び”が9割の勝敗を決めるといっても過言ではありません。どれだけ優秀でも”需要のない市場”では成果はゼロです。今さらブラウン管テレビを全力で売るようなものです。

成功者は「波に乗れる市場」に早く入った人たちです。AIや効率化コンサルなど、時代の波に合った分野に注目し、努力よりも「今、何が伸びているか」を見極めることが大事です。

伸びる市場を見極める具体的な方法

「好きなことで稼ぎたい」というアプローチは失敗しやすいのです。「やりたいこと」ではなく「伸びる市場×競合が少ない領域」を選ぶことが、現実的な戦略となります。

具体的には、以下のような視点で市場を分析することが重要です:

  • 成長率: その市場は年々拡大しているか
  • 参入障壁: 新規参入者が増えすぎていないか
  • 収益性: 適正な利益率が確保できるか
  • 持続性: 一過性のブームではなく、長期的な需要があるか

市場のズレに気づける人が勝てるのです。ビジネス成功のカギは「ポジショニング」であり、才能ではなく「戦う場所」で勝敗が決まります。正しい土俵を選べば凡人でも勝てるのです。

明日から始められる3つのアクションステップ

この記事を読んだ後、具体的に何から始めれば良いのか。私の失敗経験も踏まえ、現実を見極めるためのステップをお伝えします。

ステップ1:「好き」の言語化と現実確認

期間:1週間

  • 自分の「好き」を抽象化して書き出す(人を喜ばせる、問題解決する、など)
  • その分野の「表の仕事」と「裏の仕事」を徹底的に調べる
  • 実際にその仕事をしている人に話を聞く(SNSでも可)

ステップ2:現実と向き合う覚悟を確認する

期間:1ヶ月

  • その仕事の最も大変な部分、嫌な部分も含めて受け入れられるかを自問する
  • 収益化までの道のりや必要なスキル、競合状況を冷静に分析する
  • 憧れではなく、現実的な判断ができているかを第三者にも相談する

ステップ3:戦略的にアプローチを決める

期間:3ヶ月

  • 本業として転換するか、副業として始めるか、趣味として楽しむかを決める
  • どの道を選ぶにしても、感情的ではなく戦略的な判断を心がける
  • 市場性や自分の適性を含めた総合的な視点で決断する

私のように表面的な憧れだけで突っ走らず、現実をしっかり見極めることが何より重要です。

まとめ

好きなことを仕事にすることは素晴らしいことですが、それは”仕事化”するだけが正解ではありません。

他人の期待ではなく、自分の中で「どう付き合いたいか」を考えることが重要です。好きを仕事にするには、”地に足ついた戦略”と”感情の自己理解”が鍵となります。

表面的な憧れだけでなく、現実を見据えた上で、自分なりの形で好きなことをキャリアに活かしていく。そんな現実的で持続可能なアプローチが、長期的な幸福につながるのではないでしょうか。

好きなことを仕事にしたいと思ったら、まずは今回お伝えした3つのステップから、自分の状況を整理してみてください。きっと、新しい可能性が見えてくるはずです。

この記事を読んだ1人でも多くの方が、好きなことと仕事の関係性について現実的な視点を持ち、自分らしいキャリアを歩んでいけるようになることを願っています。キャリアの悩みが1つでも減れば筆者冥利に尽きます。最後まで見ていただき、ありがとうございました!

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