- 職場での中断問題は広範囲に及び、69%の労働者が仕事中に頻繁に中断されていると感じている
- 中断からの回復には平均23分かかり、1日の生産性を最大25%低下させる可能性がある
- 人の問題もあるが、会議の質の低さ、業務量の偏り、緩い職場環境など、環境が原因のケースが多い
- 明確なタスク設定、週次報告をするなど、自分から「この課題に対して、これを今週やります!」と明確にするだけで、そもそもの上司からの確認は減る。確認する必要がなくなるため。
- 改善が見られない場合は、リモートワークやフレックスタイム制度があるような環境へ転職することも手段になってくる
「仕事中に話しかけれて集中できない!」「話しかけられることで日中の生産性がゲキ落ちくん状態…」
こんな不満を持ちながら日々の仕事に取り組んでいませんか?せっかく集中モードに入ったのに、上司や同僚から話しかけられ、全く違う話題を振られることで一気に深めた集中力が0になってしまうなんてことはあるあるですよね。
この記事を書く筆者も、以前は毎日その悩みと格闘しては、みんなが帰った後に集中時間を作って日中の生産性の低さをカバーするなんてことをやっていました。残業でカバーをしていたわけですから非効率極まりないです。
今日は、以前の筆者と同じ悩みを持っている皆さんに向けて、職場の中断問題の実態やその解決方法を記事では書いていきたいと思います。
話しかけられて集中できないと悩んでいる人は多い
「仕事中に話しかけられて集中できない」と悩んでいますが、実はこの問題で苦しんでいる人は以外と多いです。
データで見る職場の中断問題
Udemyが実施した調査によると、驚くべきことに69%もの労働者が「複数の要因で仕事が中断されている」と感じているそうです。さらに注目すべきは、その中の80%が「おしゃべりな同僚」を主要な中断要因として挙げているという事実です。
別の調査では、27%の労働者が同僚の立ち寄りを主な中断要因の一つとして報告しています。これらのデータから、職場での中断、特に同僚からの話しかけによる中断が、広範囲に渡る問題であることが分かります。
中断が生産性に与える影響
仕事の中断は単なるイライラの原因にとどまりません。実際に、生産性に大きな影響を及ぼしています。研究によれば、仕事の中断から集中力を取り戻すには平均して約23分もかかるとされています。
この時間のロスは一日の中で何度も発生すれば生産性を著しく低下させる要因となります。例えば、1日に5回中断されるだけで、合計で約2時間もの生産的な時間が失われることになるのです。これは、8時間労働の4分の1に相当し、決して無視できない影響と言えるでしょう。
会社側からすれば生産をしていない2時間にお金を払っているわけですから、いい迷惑です。社員からしても、もっともっと成果を出せるはずの2時間を失っているわけですから迷惑なはずです。
会社も社員も得をしませんから、この中断による生産性の低下は、本来はもっともっと注目されて改善がなされるべきと言えるでしょう。
なぜ話しかけられる回数が多くなるのか?
職場で頻繁に話しかけられる原因にはいくつかの根本的な要因が存在します。これらを理解することで、問題の解決に向けた第一歩を踏み出すことができるでしょう。
1. 会議の質が低い
会議の進行が不十分で明確なタスクや期日が設定されていない場合、従業員は会議後に何度も確認を取る必要が生じるため、これにより自然と話しかける回数が増えてしまいます。
会議の内容が不明確だと、仕事の進行に必要な情報を何度も確認することが必要となり、頻繁な中断を引き起こします。効果的な会議運営が、この問題の解決に大きく貢献する可能性があります。
2. 暇な人が多い
一部の従業員が忙しいと感じる一方で、他の従業員は暇を持て余していることがあります。こうした従業員は、時間を潰すために他の人と話をすることが多くなります。
結果として、仕事中に雑談が増え、忙しい従業員の集中が妨げられます。業務の適切な配分や、従業員のエンゲージメントを高める取り組みが必要かもしれません。
3. ゆるい職場環境
仕事中に雑談することが許されるような緩い職場環境では、従業員同士の話しかけが頻繁に発生します。ケジメがなく、仕事と休憩の区別があいまいな場合、業務中に話しかけることが常態化しやすくなります。
適度な規律と柔軟性のバランスを取ることが、この問題の解決につながる可能性があります。
4. コミュニケーションの断片化
職場でのコミュニケーションが断片的である場合、必要な情報を一度に得られず、何度も確認が必要となります。これにより、頻繁に話しかけることが求められ、業務の中断が増えます。
効率的なコミュニケーション方法の導入や、情報共有の仕組みの改善が解決策となるかもしれません。
5. 仕事の複雑性の増加
仕事が複雑であり、多くの情報や連携が必要な場合、従業員は頻繁に話しかけて確認や相談を行うことが増えます。特にプロジェクトが複雑で、複数のチームやメンバーが関わる場合、この傾向が顕著です。
プロジェクト管理ツールの導入や、定期的な進捗確認ミーティングの実施などが有効な対策となる可能性があります。
6. 物理的レイアウトの影響
オープンプランのオフィスや狭い空間では、話しかけやすい環境が形成されます。物理的なレイアウトが話しかけやすさに影響を与え、結果として話しかける回数が増えることがあります。
オフィスレイアウトの見直しや、集中作業用のスペース設置などが解決策として考えられます。
話しかけられやすい環境で集中する方法
では、このような状況下で集中力を高め、生産性を向上させるにはどうすればよいでしょうか。以下に、効果的な方法をいくつか紹介します。
1. 会議の最後に明確にタスクや期日を設定する
会議の終わりに、各メンバーのタスクとその期日を明確に確認し合うことで、後で再確認する必要がなくなります。これにより、会議後の不必要な話しかけが減少し、各自が独立して作業を進めやすくなります。
具体的には、会議の最後に5-10分程度の時間を設け、参加者全員で以下の点を確認します:
各自に割り当てられたタスク
タスクの期限
次回の進捗確認の日時
これらを文書化し、参加者全員に共有することで、後々の確認作業を大幅に減らすことができます。
2. 週次報告の提出
毎週、上司に週次報告を提出し、今週の目標やタスクを明確に示すことで、上司からの追加指示を求める際に細かいコミュニケーションが不要になります。これにより、仕事の進行がスムーズになり、無駄な話しかけを減らせます。
週次報告には以下の内容を含めると効果的です:
先週の達成事項
今週の目標とタスク
現在直面している課題や懸念事項
必要なサポートや資源
このような報告を定期的に行うことで、上司との間で不必要なコミュニケーションを減らし、より効率的な業務遂行が可能になります。
以下の記事では具体的な週次報告のフォーマットを記載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
3. 物理的およびデジタルなバリアの設定
ノイズキャンセリングヘッドホンを使用したり、デスク周りにパーティションを設けたりすることで、物理的に話しかけられる回数を減らします。また、メールやチャットの通知をオフにすることも有効です。
具体的な対策として以下が挙げられます:
ノイズキャンセリングヘッドホンの着用
デスク周りにパーティションを設置
「集中作業中」の札を掲示
メールやチャットの通知を一定時間オフに設定
「集中タイム」を設定し、チームに周知
これらの方法を組み合わせることで、物理的にも心理的にも「話しかけにくい」環境を作り出すことができます。
4. コミュニケーション手段のリクエスト
あまりおすすめはしませんが、コミュニケーション手段をリクエストすることも重要です。例えば、「可能であれば社内のチャットで連絡をしていただけませんか?」「少し時間を要する内容の場合は事前に一報欲しい」などと伝えることができます。
これは非常に難しいリクエストでもありますが、話しかけられて生産性が落ちることは会社も望まないことだから、ある意味では正義でもあります。ただし、これは相手との関係性も踏まえ慎重にリクエストをすべきです。
リクエストの際は以下の点に注意しましょう
相手の立場や気持ちを考慮する
- 丁寧な言葉遣いを心がける
- 自分の状況や理由を明確に説明する
- 代替案を提示する(例:「緊急の場合は直接話しかけてください」)
- それでもまだ集中できなかったら環境を変える努力をする
職場でのコミュニケーションが多い=人間関係が良好だと思いがちですが、意外にもそれがストレスの原因になっている人もいます。少なからずこの記事に辿り着いてくれた人は、それが原因で生産性が落ちていると悩んでいる方のはずです。
今の職場で解決できるのが一番望ましいですが、改善が見られないようなら、環境を変える必要があるかもしれません。これは適応できなかったあなたが悪いのではなく、職場環境とのミスマッチだからです。あなたは全く悪くありません。
環境を変える際に考慮すべき点
- リモートワークの可能性
- フレックスタイム制度を導入している企業か?
- 部署異動で解決ができる問題か?
- 転職をすることで解決ができる問題か?
ただし、環境を変える前に現在の職場での改善の可能性を十分に探ることが重要です。上司や人事部門と率直に話し合い、問題解決の道を模索してみましょう。
イライラをなくすことが一番
ここまで同じ悩みを持つ人は多いことや、そもそもの原因や解決方法を書いていきましたがいかがだったでしょうか?
当たり前ですが、生産性が向上することはメリットしかないです。特に筆者は毎日「やりきった!」「頑張った!」と思えるくらいやり尽くすメリットが非常に大きいと思います。
「話しかけられて進まない」「今日も終わらなかった」なんて、マイナスの感情で会社を出るのに比べれば、1日の達成感が全く違うでしょう。
仕事が進まないということにフォーカスがあたる話題ですが、自分の自身だったり生きがいに直結する問題だと筆者は捉えているので、この記事を見た1人でも多くの人のヒントになれば筆者冥利につきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
P.S.筆者の体験談
ここからは余談も入りますが、筆者はイヤホンをすることで話しかけられる回数が減りました。相手からすると最初はよく思わないかもしれませんが、少しでも話しかけずらくなることで雑談のような内容で話しかけられることがだいぶ減ります。
そして仕事上全く問題なかったので、普段からどれだけ雑談が多かったのやら…と思ってしまうほどでした。
また、管理職と言われる人をマネジメントする立場になってからは、週次報告やタスクの完了の報告ということを徹底させました。
- 月曜日の13時までには今週のタスクと期限を明確に決める
- それが終わったら報告をする
これだけです。約束したタスクが期日までに終わっていなかったら声をかけますが、タスクと期日さえ決まっていれば、あとはそれが終わっているか終わってないかだけになるので無駄なコミニケーション(わざわざ話しかける機会)がなくなります。
お互いに仕事に集中できるのでメリットしかありませんでした。
コミニケーションがなくて寂しいという声があったのも事実ですが、雑談をしに会社に来ているわけではないですし、
- 社員が集中して結果が出やすい
- 社員が結果がでると業績が上がる
- 帰宅する時間が早くなる
と双方にメリットしかないことが起きたので正しい形なのかな?と思っています。
業績が上がったり役職が上がればもらえる給与だって増えますし、帰宅時間が早くなれば会社以外の人とコミニケーションをとる機会が増えるでしょう。
会社とプライベートが混同してしまう方がストレスと感じる人が多いですし、プライベートの人間関係を仕事に持ち込まれても困りますから、コミュニケーションが減って寂しいというデメリット以上のメリットがあると確信しています。
どんなに環境だろうと1つ2つ不満は出ますから、対応が必要な不満なのか、逆に過剰反応しない方が会社や社員のためになる不安なのかを見極めて行動をしたいと思わされました。