- 職場でカッとなる人は、実はホルモンバランスや性格的な要因で感情をコントロールしづらい人も多い
- 気を使いすぎると、その人が感情を出していい環境を作ってしまうため、対等にはっきり話すことが重要
- カッとなったタイミングで「あなたは損してる」という視点で優しく指摘してあげることが効果的
- 上級者編として、冷静淡々と事実ベースで質問し続けることで、感情的な発言を整理できる
- 結局、クーラーや暖房のように「たまに音がうるさくなる存在」として気にしすぎないことが一番大切
「職場でいきなりカッとなる人がいて怖い」「会議中に感情的になられて話が進まない
こんな悩みを抱えながら仕事をしていませんか?急に怒り出したり、泣いてしまったりする同僚や上司がいると、周りはどう対応していいか分からず困ってしまいますよね…。
筆者が以前勤めていた会社は女性が9割以上を占める職場で、ホルモンバランスの関係で普段は温厚なのに急に感情的になってしまう方が実際に何人もいました。そして現在勤めている男性中心の会社でも、同じような特徴を持つ方がいるのです。
実はこういった方々への対応方法にはコツがあります。筆者自身が実践してきた方法を通じて、「意外と気にしなくても大丈夫なんだ」と思っていただければ幸いです。
この記事では、職場でカッとなる人への具体的な対応策を3つご紹介します。気を使いすぎて疲れてしまっている方、会議が進まなくて困っている方はぜひ最後までご覧ください!
カッとなる人は意外と多い!性格だけの問題ではない
まず前提として理解しておきたいのは、職場でカッとなってしまう人は決して少なくないということです。
筆者の経験上、関わる人が多ければ多いほど、こういった特徴を持つ方に出会う確率は高くなります。女性に限らず男性でも、急に感情的になってしまう方は一定数いらっしゃるのです。
「何で泣いてるのか分からない」「何で怒ってるのか分からない」
こういった状況に遭遇したことがある方も多いのではないでしょうか。社会人としてどうなのかという議論はあるかもしれませんが、実際のところ、これは性格だけの問題ではありません。
ホルモンバランスの影響や、ストレス耐性の個人差など、本人にもコントロールしづらい要因が関係していることも多いのです。だからこそ、一定の言動が出てしまう人は確実に存在します。
つまり、この悩みを持っている方は決してあなただけではありません。多くの職場で共通する課題なのです。
対応策①:気を使いすぎないことが大切
気を使われることを嫌う矛盾
最初の対応策は「気を使いすぎない」ことです。
「いやいや、気を使わないと怒られるから困ってるんだよ」と思われるかもしれません。しかし、ここに大きな矛盾があります。
実は、カッとなりやすい人に限って、気を使われることを嫌がる傾向があるのです。
「あなたがいきなり怒るから、こっちは気を使って話してるのに、なんで遠回しに言われることや気を使われることを嫌がるんだ?」「あなたのせいでしょ?」と正直思いますよね。
でも、これが現実なのです。こういう方々は、意外にも気を使われることを好まない傾向があります。
フラットな関係性を作る重要性
では、なぜこうした矛盾が生まれるのでしょうか。
それは、みんなが気を使うことで、その人にとって「感情を出していい環境」が出来上がってしまっているからです。
周囲が気を使って話すことが普通になり、本人は気を使われていることすら気づいていないケースもあります。その結果、自分がカッとなって感情を出すことが許される雰囲気になってしまっているのです。
だからこそ、まずは対等な関係性を築くことが重要です。
普通に、フラットに、はっきりと話す。「そもそもそれが普通じゃないんだよ」ということを、態度で示していく必要があるのです。
気を使わない環境を作ることで、その人自身も「ここでは感情的になるべきではない」という認識を持つようになります。
対応策②:カッとなったタイミングではっきり指摘する
上司の場合は上のレイヤーに相談
二つ目の対応策は、カッとなったタイミングではっきりと指摘してあげることです。
ただし、これは相手との関係性によって方法が変わります。
もし相手が直属の上司であれば、さすがに直接指摘するのは難しいでしょう。この場合は、その上のレイヤーの方に相談するのが賢明です。
「この言動はおかしいと思うんですけど、何か解決策はないでしょうか?」と、事実ベースでお話をする。直属の上司の上司がいれば、その方に相談するのがベストです。
同僚には優しく、でもはっきりと
同じ立場の同僚であれば、はっきりと伝えてあげることが大切です。
ただし、伝え方には工夫が必要です。筆者が実際に使った方法をご紹介しましょう。
「言ってることは分かるんだけど、さすがに言い方があると思う」 「この場でそんなに感情をむき出しにして言う必要はないんじゃない?」
まず、相手の主張自体は理解していることを示します。その上で、問題は「感情的な表現方法」にあることを伝えるのです。
「あなたは損してる」という視点で伝える
さらに効果的なのは、「あなた自身が損をしている」という視点で伝えることです。
例えば、5人で会議をしているとします。その中の1人が感情的になって議論が止まってしまったら、30分の会議で合計150分(5人×30分)が無駄になります。
「カッとなることで、議論が止まってしまう」 「結局、みんなの時間が無駄になってしまう」 「そして、それはあなた自身の評価にも影響する」
こういった事実を、優しく伝えてあげるのです。
実体験:認識がない人も多い
筆者が以前の女性ばかりの会社で、実際にこの方法を試したことがあります。
すると、相手の方は「私は怒ってないんですよ」と言ったのです。つまり、本人には怒っているという認識がなかったのです。
これは大きな発見でした。多くの場合、カッとなる人は自分が感情的になっていることに気づいていません。
そこで、こう伝えました。
「認識がないなら、意識するようにしてみよう」 「あなたは何を言われても否定的な言葉を発する傾向がある」 「これは直した方が絶対に得だよ」 「もし誰かに言われて嫌な気持ちになったら、私の顔を見てみて」 「今日の話を思い出してほしい」
これはトレーニングだと伝え、次の会議からすぐに直ると思っていないことも正直に話しました。
伝え方としては「その言い方やめてください」という命令形ではなく、「あなたは損してるよ」という相手を思いやる形で伝えることが、最も優しく効果的な方法だと思います。
対応策③:冷静淡々と事実を質問し続ける(上級者編)
感情的な発言は論理が崩壊している
三つ目の対応策は、正直かなり難しいです。できる人は少ないかもしれませんが、上級者編としてご紹介します。
それは、「カッとなった人に対して、冷静淡々と事実を質問し続ける」という方法です。
前提として、カッとなったらカッとなったでいい、と割り切ります。
なぜなら、カッとなった時の意見は、大抵の場合、論理が崩壊しているからです。感情だけが先行して、「結局この人は何が言いたかったんだろう?」という状態になっていることがほとんどです。
具体的な実践方法
では、どう対応するか。
「すみません、今いろいろおっしゃってくださったと思うんですけど、結論、何だったんでしたっけ?」
冷静に、淡々と、議題に戻すのです。
例えば、会議の議題が「今後の事業戦略において広告費をいくらにするか」だったとします。
「Aさんの質問は、広告費の予算についてだったと思うんですけど、結論いくらまで使っていいんでしたっけ?」
このように、感情的な発言に対して、冷静淡々と事実ベースで質問を続けるのです。
なぜこれが効果的なのか
怒っている人にとって、同じテンションで返されないこと、冷静淡々と対応されることは、実は結構屈辱的です。
「なんだこいつ」と思われるかもしれません。でも、冷静淡々に事実を引き出そうとしているあなたは、決して間違っていません。
だって、炎上させたいわけではないですよね?冷静に事実を引き出したいだけなのです。
この方法は確かに難しいです。筆者自身も、実践するのはかなりきついと感じています。でも、上級者編として、知っておいて損はない対応方法だと思います。
結局、空気のように思うことが一番
クーラーや暖房と同じ感覚で
ここまで3つの対応策をお伝えしてきましたが、まとめると一つの結論に辿り着きます。
それは、「空気のように思う」ことです。
カッとなる人は確かに怖いし、嫌な気持ちにはなります。でも、その人にばかり気を使っていたら仕事になりません。自分自身が疲れて終わってしまいます。
だから、クーラーや暖房と同じだと思ってください。
たまに音がうるさくなるタイミングがありますよね?1時間くらいつけていると、バーッと強くなる瞬間があります。
でも、あまり気にしないでしょう?「あ、強くなったな」くらいじゃないですか?
涼しければ、それでいいわけです。毎回クーラーをぶっ叩いたりしないですよね。
気にしすぎないメンタルを持つ
それと同じです。「あ、カッとなったな」と思っても、そこまで深刻に捉える必要はありません。
もちろん、業務に支障が出る場合は、先ほどお伝えした対応策を使って改善を促すべきです。
でも、基本的には「たまにうるさくなる存在」として認識し、あまり気にしすぎないことが一番のメンタルヘルス対策になります。
あなたの仕事のパフォーマンスや、あなた自身の幸福度を下げてまで、その人に合わせる必要はないのです。
まとめ:自分を守りながら上手に付き合う
職場でカッとなる人への対応方法を3つご紹介しました。
- 気を使いすぎず、対等にはっきり話す
- カッとなったタイミングで優しく指摘する(上司の場合は上のレイヤーに相談)
- 冷静淡々と事実を質問し続ける(上級者編)
そして最も大切なのは、「空気のように思う」こと。クーラーや暖房がたまにうるさくなるのと同じように、「そういうものだ」と割り切ることです。
筆者自身、女性が9割以上の職場、男性中心の職場の両方で、こういった方々と働いてきました。その経験から言えるのは、完璧に対応しようとする必要はないということです。
あなたが疲れてしまっては元も子もありません。適度な距離感を保ちながら、自分自身のパフォーマンスを最大化することを優先してください。
この記事を読んだ1人でも多くの方が、職場でカッとなる人への対応に悩まされることが減り、より快適に仕事ができるようになれば筆者冥利に尽きます。最後まで見ていただき、ありがとうございました!
