- 会社員の失敗は生死に関わらない当たり前のことで、給料が下がることもなければ命を奪われることもない
- 人は他人の失敗をすぐに忘れるため、いつまでも覚えているのは当事者だけという現実がある
- 会社が求めているのは100点の完璧さではなく、80点でも前に進めるスピード感のある人材
- 筆者が取り組む5000万円プロジェクトも、小さなキックオフMTGから始めるという実例がある
- 1つの失敗が怖いということは、普段から挑戦していない証拠でもあり、小さな挑戦の積み重ねが重要
「失敗したらどうしよう」「上司に怒られるかもしれない」「評価が下がったら困る」
そんな不安で新しいことに挑戦できず、毎日同じルーティンワークに安住していませんか?大手ベンチャー企業で役職に就く32歳の私が、実体験を交えながら「失敗恐怖症」から抜け出す方法をお伝えします。
会社員の「失敗」は実は大したことじゃない
まず最初に、厳しい現実をお話しします。会社員にとって失敗は、ほぼ当たり前のことなのです。
数字目標を少し外した、プレゼンがうまくいかなかった、新しい施策が成果に結びつかなかった——これらを「失敗」だと思っているかもしれませんが、冷静に考えてみてください。これらの出来事で、翌月の給料が下がりましたか?年収が減りましたか?生活できなくなりましたか?
答えは「NO」でしょう。
狩猟時代であれば、今日獲物を取れなければ今夜のご飯が食べられない。失敗は文字通り生死に関わる問題でした。しかし現代の会社員の「失敗」は、そんな緊迫感とは全く次元の違うものです。
私たちが恐れている「失敗」の多くは、実際には命や生活を脅かすものではありません。むしろ、失うものは意外なほど少ないのが現実なのです。
人は他人の失敗をすぐに忘れる
もう一つ覚えておいてほしいのは、人は他人の失敗なんてすぐに忘れるということです。
あなたが「大失敗だ」と思っている出来事を、周りの人たちは数日後には忘れています。いつまでも覚えているのは当事者である自分だけ。だからこそ、失敗への恐怖は時が解決してくれるものでもあるのです。
私自身、過去に「これはもうダメだ」と思った失敗も、今振り返ってみれば大した問題ではありませんでした。当時は世界の終わりのように感じていたのに、です。
会社が求めているのは完璧ではなく「前進力」
多くの人が動けない理由は、「完璧な成果を出さないといけない」という思い込みにあります。しかし現実には、会社が求めているのは80点でいいから前に進める人なのです。
例えば、こんな二人がいたとします:
Aさん: 100点の完璧な資料を1か月かけて作る人 Bさん: 80点でも1週間で提案できる人
評価されるのは圧倒的にBさんです。なぜなら、ビジネスの世界ではスピードが重要だからです。完璧を求めて時間をかけすぎるより、小さなアウトプットでも素早く出せる人の方が価値があるのです。
これから挑戦する人に「プロレベル」なんて求められていません。まずは小さな目標を設定し、そこに向かって全力疾走することから始めてみてください。
実体験:5000万円プロジェクトでの小さな一歩
私は現在、年間5000万円近くのコスト削減を目指すシステム改修プロジェクトに取り組んでいます。しかし正直に言うと、システム畑の人間ではない私には、具体的に何をすればいいのか、誰が必要なのかもイマイチ分かっていません。
これだけ聞くと「そんな状態で大丈夫なのか?」と思うかもしれません。確かに挑戦は怖くて当たり前です。しかし私は、小さなゴールを目の前に置くことで前進しています。
具体的には「関係者(になりそうな人)とキックオフミーティングを設定して実施する」という小さな目標を立てました。
物事はどんなに計画を立てても、うまくいかないことがほとんどです。だからこそ、とりあえず目の前の小さな目標を1つずつクリアしていけばいいのです。
キックオフミーティングの実施に失敗も成功もありません。でも確実に案件は進むし、実施することで見えてくる課題もあるでしょう。収穫があればそれは成功です。失敗なんて実はないんです。
重要なのは、完璧な計画ではなく、小さな一歩を踏み出すことなのです。
厳しい現実:挑戦していない証拠かもしれません
ここで少し厳しいことを言わせてください。「1つの失敗が怖い」と感じているということは、普段から全然挑戾できていないのではありませんか?
いろんなことに挑戦していれば、1個の失敗くらい他のことで取り返せるものです。仕事をしていれば、大小様々な業務を抱え、常に何かしらの課題があることでしょう。
にも関わらず「1つの失敗が怖い」となっている時点で、あなたの環境が成長を止めてしまっている可能性が高いです。失敗しないようなルーティン業務ばかりで、責任は全て上司が取る——これではあなたの成長が止まるのは当然です。
「失敗恐怖症」から抜け出す3つのステップ
ステップ1:失敗の本質を理解する
会社員の失敗は生死に関わるものではありません。給料が即座に減ることもなければ、人生が終わることもありません。まずはこの事実を受け入れましょう。
ステップ2:完璧主義を捨てる
100点を目指すのではなく、80点で前進することを心がけてください。会社が求めているのは完璧な成果ではなく、スピード感のある行動力です。
ステップ3:小さな挑戦から始める
いきなり大きなプロジェクトに挑む必要はありません。明日のミーティングで1つ提案してみる、新しいツールを試してみる——そんな小さなことから始めてください。
まとめ:失敗を恐れず、小さく始めよう
失敗への恐怖は、実は挑戦不足の表れかもしれません。現代の会社員にとって、業務上の失敗が命に関わることはほぼありません。むしろ、失敗を恐れて何もしないことの方が、長期的には大きなリスクなのです。
完璧を求めず、80点でも前に進む。小さな目標を設定し、1つずつクリアしていく。そして何より、たくさんの小さな挑戦をすることで、1つの失敗なんて気にならなくなる——これが「失敗恐怖症」から抜け出す秘訣です。
明日から、いや今日から、何か小さなことでいいので挑戦してみてください。その一歩が、あなたの成長とキャリアの転換点になるはずです。
この記事を読んだ1人でも多くの方が、失敗への恐怖から解放され、前向きに挑戦できるようになり、職場での悩みが1つでも減れば筆者冥利に尽きます。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!