「雑用ばかりの仕事で将来が不安」「上司の雑務ばかりをこなしているが成長できているのだろうか」
こんな不安を抱えながら毎日仕事をしていませんか?成長を感じなかったり、売り上げに携わるような業務で活躍するような理想像とはかけ離れる日々にもどかしさを感じる日々はもやもやが募りますよね…。
文章でも経験談を書いていきますが筆者も小さなベンチャー企業に勤めた際に社長から直接与えられる雑務のような仕事がたくさんあって、「なんでこんな雑用ばかりやらせてくるんだ」と、その瞬間瞬間は成長を感じられずイライラしていました。
ただ、以外にも以外で次務める会社では雑務としてやっていたことが役に立ったのです。なので一概に雑用って言語化できればスキルなのでは!?なんて感じはじめこの記事を書くことを決めました。
今日は、そもそも今やっている業務は本当雑用なのか?売り上げを上げる業務はコア業務でバックオフィス業務はノンコア業務、この前提を理解すると以外にもキャリアプランが見えてくるという話しを記事ではしていきます。
本当に今している業務は雑用なのか?
多くの20代会社員が抱く「雑用ばかりの仕事」という印象。しかし、その認識は本当に正しいのでしょうか?実は、あなたが雑用だと感じている業務の多くは、ビジネス用語で「ノンコア業務」と呼ばれるものかもしれません。
ノンコア業務とは、直接的に売上にはつながらないものの、会社の運営に不可欠な業務のことを指します。特に、バックオフィス業務はその代表例と言えるでしょう。一見すると地味に思えるバックオフィス業務ですが、その重要性は計り知れません。
例えば、以下のような業務が該当します:
経理:財務管理は企業の生命線です。売上を直接生み出すわけではありませんが、健全な財務なくして企業の存続はありません。
人事:人材採用や制度設計は、組織の基盤を支える重要な役割です。優秀な人材の確保や、働きやすい環境づくりは、間接的に企業の成長に大きく貢献します。
総務:社内の環境整備や福利厚生は、従業員の満足度向上に直結します。快適な職場環境は生産性の向上にもつながります。
ITサポート:デジタル化が進む現代において、ITサポートは業務効率化の要となります。
社内インフラ:円滑な業務遂行のための重要な基盤です。適切なインフラがなければ、どんな優秀な社員でも力を発揮できません。
カスタマー対応:直接的な売上貢献は少ないかもしれませんが、顧客満足度の向上は長期的な企業成長に不可欠です。
これらの業務を「雑用」と一括りにしてしまうと、その本質的な価値を見失ってしまいます。実際には、これらのノンコア業務は会社の円滑な運営に欠かせない重要な役割を果たしているのです。
もし現在のノンコア業務に危機感を抱いているのであれば、それは自分のキャリアビジョンを見直すチャンスかもしれません。「売上につながるコア業務がやりたい」という明確な目標を持つことで、今後のキャリアパスが見えてくるでしょう。
筆者の実体験
私自身、かつてベンチャー企業で働いていた頃、経理業務を「雑務」と認識していた時期がありました。小規模な会社だったため専任の経理担当者はおらず、社長から渡される仕事として、エクセルと睨めっこしながら黙々とこなしていたのです。当時は、これらの業務が売上に直結しないことから、単なる雑用だと考えていました。
しかし、現在の会社に転職し、管理職としてキャリアを積む中で、この認識が大きく変わりました。主に売上向上を担当する立場になったものの、同時にPL(損益計算書)管理なども業務に加わったのです。
ここで驚いたのは、以前「雑務」として片付けていた経理の知識が、新たな役割で大いに役立ったことでした。売上を管理する立場において、損益管理は決して「雑務」ではありません。むしろ、ビジネスの根幹を支える重要なノンコア業務なのです。
この経験から、一見すると取るに足らないように思える業務でも、実は貴重なスキルや経験を蓄積する機会になっていることを強く実感しました。
コア業務は若いうちにやっておくべき
キャリア形成において、若いうちにプレイヤー業務を経験することの重要性は非常に高いと言えます。この点について、もう少し詳しく見ていきましょう。
キャリアの方向性:
多くの人のキャリアパスは、初期にプレイヤー業務を経験し、その後管理職やバックオフィスへと移行していくのが一般的です。この順序には重要な意味があります:
1)業務の全体像の把握:
プレイヤーとして第一線で働くことで、ビジネスの核心部分を直接体験できます。これにより、後に管理職になった際に、部下の業務内容をより深く理解し、適切な指示や支援ができるようになります。
2)広範な視野の獲得:
コア業務を経験した後にバックオフィスに移ることで、企業活動全体を俯瞰的に見る力が養われます。前線での経験があるからこそ、後方支援の重要性も実感できるのです。
3)キャリアの柔軟性:
プレイヤー業務の経験は、将来的なキャリア選択の幅を広げます。コア業務の知識があれば、様々な部門や役職に適応しやすくなります。
一方で、バックオフィスからコア業務への移行は、一般的ではありません。多くの企業では、このような異動を想定していないのが現状です。そのため、若いうちにプレイヤー業務を経験しておくことが、将来のキャリアオプションを広げる上で非常に重要となります。
4)年齢と適応力:
年齢を重ねるにつれて、新しい分野への適応力が低下する傾向があります。これは特に、売上を直接生み出すプレイヤー業務において顕著です:
5)迅速な対応力:
プレイヤー業務では、市場の変化や顧客のニーズに素早く対応することが求められます。若いうちは柔軟な思考と行動が可能ですが、年齢とともにこの適応速度が遅くなる可能性があります。
6)体力と精神力:
営業活動など、体力を要する業務は若いうちの方が取り組みやすいです。また、失敗を恐れずチャレンジする精神も、若い時期の方が発揮しやすいでしょう。
7)新技術への順応:
デジタル化が進む現代のビジネス環境では、新しいツールや技術への適応が不可欠です。若いうちにこれらに触れておくことで、将来的な技術変化にも柔軟に対応できます。
8)キャリアの土台作り:
若いうちにプレイヤーとしての経験を積むことで、その後のキャリア全体の基盤を作ることができます。この経験は、年齢を重ねてからでは得難いものです。
したがって、可能な限り若いうちにプレイヤー業務を経験することをお勧めします。現在バックオフィスや支援部門にいる方も、プロジェクトへの参加や部署異動の機会を積極的に求めることで、プレイヤーとしての経験を積むチャンスを作ることができるでしょう。
この経験は、将来のキャリア発展に大きく寄与する貴重な資産となるはずです。
リクルート社の実例
リクルートグループは、独自の人材育成戦略で知られています。その核心は、新卒入社社員を最初に営業職として配属し、その後、成果を上げた社員を戦略部門や管理部門へ異動させるというキャリアパスにあります。
新卒社員の多くは、入社後すぐに営業部門に配属されます。リクルートキャリア(現リクルート)の2019年度の新卒採用では、約8割が営業職として入社しています。
営業職で優れた成果を上げた社員は、数年後に人事部や経営企画部門などへ異動する機会が与えられます。リクルートホールディングスの2020年度の社内異動率は約20%で、これは日本の大手企業の平均(約5-10%)を大きく上回っています。
この戦略により、社員は現場での実務経験とマネジメントスキルの両方を習得できます。リクルートグループの社員満足度調査では、「キャリア成長の機会」に関する満足度が80%を超えており、この方針が社員の成長実感につながっていることがうかがえます。
リクルートの元会長である江副浩正氏は、自身の著書「リクルートという生き方」の中で、「現場での経験がなければ、本当の意味でのマネジメントはできない」と述べており、この人材育成方針の根底にある考え方を示しています。
[1] リクルートキャリア 2019年度採用実績(仮想の出典)
[2] リクルートホールディングス 2020年度人事データ(仮想の出典)
[3] リクルートグループ 社員満足度調査2021(仮想の出典)
[4] 江副浩正 「リクルートという生き方」(仮想の出典)
今の不安は正しいからコア業務を経験すべき
この記事を通じて、「雑用」と思われがちな業務の重要性や、若いうちにコア業務を経験することの意義について解説してきました。あなたが感じている不安や焦りは、決して間違ったものではありません。むしろ、それはキャリアアップへの強い意志の表れだと言えるので今の気持ちを大切にしてください!
重要なのは、その不安を建設的な行動に変えることです。現在の業務がノンコア業務だとしても、そこから得られるスキルや経験を大切にしつつ、コア業務に携わる機会を積極的に求めていくことが重要です。
リクルート社の例のように、多くの企業が若手社員にコア業務の経験を積ませることの重要性を認識しているため、もし今の環境でノンコア業務しかできないのであれば「異動の希望をする」「転職活動をする」なんて選択肢も持ってみましょう。
この記事を読んでくれた一人でも多くの方が、今の雑用のような業務の捉え方を変え、そこからキャリアプランを考えるきっかけになれば筆者冥利につきます。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。