「上司の返事が遅くて仕事が進まない」「確認依頼を出しているのに返事が後回しになって支障が出ている」
上司に対してこんな不満を抱きながら仕事をしていませんか?せっかくこっちが期限通りに出しているのに、返事が遅かったり後回しにされている言動を見るとイライラしますよね。と同時になんか損をした気持ちになるものです。わかります。
結論から言うと、明確の期限を設けてあげることで無駄に損をした気持ちはなくせるものです。
上司に期限を設けるのもおかしな話しに聞こえてしまうかもしれませんが、「いつまでに」という明確な期限が見える化しているほうが案外やりやすかったりします。
自分としても「本当にやってくれているのかな?見てすらないんじゃないの!?」と疑っているよりも、「この期間内に返してくれればいいや」という心の余裕にもつながります。
今日は、そんな”上司の返事が遅くて仕事が進まない問題”の解決方法を、筆者の会社の実例なども交えてご紹介をしていきます。間違っても「遅いから早くやってください!」なんて怒鳴ったりしてはダメですよ?笑
何日の何時までという明確返答の期限を設ける
上司への確認依頼時には明確な期限を設定することが重要です。フィードバックやチェックを依頼する際は、具体的な日時を指定して要望を伝えましょう。
「できるだけ早く」や「今日中に」といった曖昧な表現は避けるべきです。例えば、「明日中」という依頼をする場合でも、午前12時に返信があるのと夜20時では、その後の作業時間に大きな差が生じます。
12時であれば午後の対応が可能ですが、20時では翌日に作業が持ち越されてしまいます。このように、同じ「明日中」でも実際の作業時間に大きな影響を与えることになります。
そのため、「○月○日の12時までにご確認をお願いいたします」というように、具体的な期限を設定することをお勧めします。
期限の設定は失礼ではなく気遣い
上司など目上の方に時間を指定することに躊躇を感じるかもしれませんが、これは業務を円滑に進めるための重要な取り決めです。むしろ、明確な期限を示さないことでお互いの業務に支障をきたす可能性が高まります。
明確な期限を設定することで、相手(上司)も「申し訳ありませんが、その時間までには厳しい」「会議が立て込んでいて間に合わなそう」と断りやすくなります。
逆に、「お手すきの際で構いません」といった曖昧な表現では、優先度が下がり後回しになる一方でしょう。これは結果として「忘れてた」なんて機会損失にもつながりかねません。せっかくの確認依頼も、曖昧な期限設定によって鮮度が失われて効果が薄れてしまう可能性があるのです。
実は、具体的な期限を示されることで、上司側も仕事の優先順位を付けやすくなるため、むしろ歓迎されることも多いのです。
お忙しいところ恐れ入りますは忘れずに
ただし、依頼の際は「お忙しいところ恐れ入りますが」「お忙しいところ恐縮です」といった一言を添えて相手への配慮も忘れないでください。
このように、明確な期限と丁寧な言葉遣いを組み合わせることでスムーズな業務進行が期待できます。期限を明確にすることは決して上司への無理な要求ではなく、むしろ双方にとって有益な業務改善の一歩となるのです。
待ち時間を自己成長(投資)の時間に充てるべき
上司からの確認待ち時間を単なる無駄な時間ではなく自己成長のための貴重な機会として捉え直すことが重要です。
確認が遅いために仕事が進まない状況は一見すると困ったことのように思えますが、この時間を自己投資に活用できれば、むしろラッキーな状況と捉えられるでしょう。
なぜなら、この待ち時間は業務時間内であり通常であれば仕事後や休日に行うような自己成長やスキルアップのための時間を勤務時間内に確保できるからです。
確かに、予定していた業務は上司の確認が遅いために進まないかもしれません。しかし、この時間を自己投資の機会と捉え直せば、むしろ貴重な成長の時間となります。
そのため、まずは自分に足りないスキルや伸ばしたい分野を見極め、待ち時間に取り組むべき課題を決めておくことをお勧めします。
待ち時間の使い方の実例
例えば、筆者が勤務するEC通販ブランドでは、新商品のページデザインやパッケージデザインの確認依頼が部下から頻繁に上がってきます。
筆者自身も上司がおりすぐに承認が下りないこともあります。そのため、部下を待たせてしまうケースも少なくありません。
しかし、デザイナーたちはその待ち時間を決して無駄にしていません。次の商品のパッケージデザインに取り掛かるのは当然として、次の案件が決まっていない場合はAIツールを活用してより効率的なデザイン方法を研究するなどの取り組みを行っています。※2024年11月現在
0から100までイメージしたものをAIで作るのはまだまだ難しいですが、0から100までやっていたものを20から100になるだけでも相当工数が変わってきます。
これを1人ではなく2人3人と増えていくと相当な工数が浮いてきたり新しいことにチャレンジする時間がどんどん捻出できるしょう。
会社にとっても通常業務をこなした上で、さらなる成長や新しいノウハウの習得に意欲的な社員は非常に貴重な存在です。
このような「遊び」やプラスアルファの時間を使って自己成長を図り、会社に新しい価値をもたらしてくれる人材は、組織の発展に大きく貢献します。
Googleが定義「20%ルール」
実は、このような取り組みはGoogleの「20%ルール」という考え方に通じるものがあります。これは、業務時間の80%は通常の職務に充て、残りの20%は新規事業の立案など普段とは異なる業務に取り組んでよいという制度です。
すべての企業でこのルールを適用することは難しいかもしれませんが、確認待ちで生まれた時間をこの20%ルールの考え方を参考に活用することは可能です。
新しい業務手法の研究や業務効率化の方法を調査したり、筆者の例で言えばAIツールの使い方を習得したりと、様々な自己投資が可能です。
このような取り組みを続けていくと、待ち時間が「ラッキーな機会」として感じられるようになってきます。
会社で正式に20%ルールが定められていなくても、この考え方を自分なりに取り入れ新しいスキルの習得や業務効率化の研究に時間を活用することができるのです。
上司のフィードバックが遅いことをネガティブに捉えて仕事をするよりも、「自己投資の時間が得られてラッキー」というポジティブな気持ちで仕事に取り組む方が結果的にストレスも少なく、より良い成果も期待できます。
ネガティブな感情自体が悪いわけではありませんが、ポジティブな感情で仕事に向き合える方が心身ともに健康的です。前向きな気持ちで取り組める環境を自ら作り出すことが大切です。
上司の返事が遅くても必ずお礼は忘れない
たとえ上位からの返信が遅れたとしても、確認やフィードバックをもらえたことへの感謝を示すことが重要です。
上司からのフィードバックが遅れる背景には、上司にも上司がいるという組織の階層性があります。上司の立場から見れば、さらに上の上司への対応は慎重に行う必要があり、結果として部下への返信が後回しになってしまうことは多くの組織で起こり得ることです。
上司に対する期限は厳守する一方で、部下に対する期限意識が比較的緩やかになるやつです。
これは決して部下をないがしろにしているわけでも上司に媚びているわけでもありません。単に優先順位が下がってしまうという組織の現実があるのです。
そのため、遅い返信に対して反発心を抱いたり軽視されていると受け取りがちです。
ただ、必ず
- 「お忙しい中ありがとうございました」
- 「いつもご丁寧にご返信いただき、ありがとうございます」
といった感謝の言葉を必ず伝えるようにしましょう。
連絡を返して上げたい人になる
例えば、お土産を渡したときの反応を考えてみてください。
- 「すごく嬉しいです!ありがとうございます!」と喜んでくれるAさん
- 「あ、これ、食べたことがあります。」と素っ気ない反応をするBさん
次はどちらにお土産を持って行きたくなるでしょうか。明らかに、喜んでくれた人の方が気持ちよく、また何か持って行きたいと思うはずです。
次回の旅行でお土産を選ぶとき、きっと前回喜んでくれた人のことを真っ先に思い出すことでしょう。
同じように上司とのやり取りでも、返信に対する受け取り方が丁寧で気持ちの良い部下の方が自然と優先順位が上がっていくものです。
確かに返信が遅れることは上司の課題かもしれません。
しかし、そこで感謝の気持ちを示すことで、「いつも丁寧に受け取ってくれるから、早めに返信しよう」という意識が上司の中に芽生え、結果として優先順位が上がることも期待できます。
このように感謝の気持ちを伝えることは単なる形式的な礼儀以上の効果があります。
相手に対する敬意と感謝を示すことでより良好な関係を築き、結果として業務の円滑な進行にもつながっていくのです。遅れてしまったフィードバックに対しても、必ず感謝の気持ちを伝えることを心がけましょう。
仕事術ではなく、相手に対するリスペクト
今日は期限を明確にしてあげることや、相手への感謝を添えること、そして待ち時間を自己成長の時間に充てると言う話しをしていきましたがいかがだったでしょうか?
仕事でのテクニック論が世にはたくさん落ちていますが、ここで書いてきたことはテクニック論というよりは
“相手への配慮(リスペクト)を忘れない”
これに尽きると思います。
連絡をすぐ返してくれない上司が悪いのは確かかもしれませんが、上司には上司の仕事があって、あなたが見えていないところですんごい大変な業務を任されているかもしれません。
どんなに暇に見えても、上司と一般社員では与えられている役割が全く違うので、どうしても理解ができないものなのです。そして上司のことを評価するようなことも絶対してはいけません。
一般の社員は上司(評価者)に評価されて、初めて昇給したり役職が上がるものなので、反発をするのではなく評価をされるような振る舞いをすることが重要になってきます。
その上で既に結果を出して上司という役割を持っている人に対してリスペクトを持って接することが重要になるのです。
この記事を読んだ1人でも多くの方の、仕事の待ち時間問題を解決するきっかけになれば筆者冥利に尽きます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。