- 結果を出したから出世ができると思ったら大間違い
- 評価者である上司から評価されて初めて出世のレールに乗ることができる
- 360度評価をは意識すべきでない。同僚や後輩から評価を得ようとすると出世は遠ざかる
- 絶対に会社や上司を否定するような言動は避けるべき。否定してくる人を出世させたいと思わない
- 上司に求められる役割を常に明確にするため、週次報告は絶対にやるべき
「出世したいけど、このままでいいのか不安」「評価されるにはどうしたらいいのかわからない」
こんな悩みを持ちながら毎日仕事をしていませんか?「できれば出世したくない」なんて人が以前と比べて増えるなか、向上心を持った悩みで素敵なことだと思います!
その向上心と現状が一致せず不安な気持ちを少しでも晴らすお手伝いをこの記事でさせてください。
結論から申すと、360度に評価はされなくていいから、評価者である上司1人に貢献することだけを考えてください!ということです。
筆者自身も、「あの人は何をやっているのだろうか?」と周囲から言われ続けたにもかかわらず、評価をされ続け現場では一番上の役職につき幹部になりました。これは評価者の求める成果のみに集中してやってきたためです。
そんな、筆者だから言える評価者への貢献や出世に対する勘違いをこの記事では説明していきます。
結果を出すだけでは不十分?
「結果を出せば自然と評価され、出世できる」という考えは多くの会社員が抱いています。確かに、間違った解釈ではありませんが、それだけでは十分ではありません。
なぜなら、組織の中で評価されるためには単に結果を出すだけでなく、その結果が組織や上司の期待に沿ったものである必要があるからです。
例えば、あなたが非常に優秀で、様々な部署から頼られる存在だとしましょう。ある日、別の部署の上司から重要なプロジェクトを任されたとします。
あなたは懸命に働きそのプロジェクトで素晴らしい成果を上げました。周囲からの評判も上々で、自己評価も高いでしょう。しかし、ここで重要なのはあなたの直属の上司がこの成果をどう見ているかです。
あなたの直属の上司は、あなたに対して別の期待や役割を持っていたかもしれません。例えば、現在の部署の業績向上や、特定の課題の解決を期待していたかもしれません。
そのような状況下で、別の部署のプロジェクトに時間とエネルギーを費やしたことは直属の上司の目には必ずしも良い成果とは映らない可能性があります。
このように、出世するためには自分の直属の上司が求める役割を理解し、それに応える結果を出すことが重要です。そのためには、上司の目標や部署の方針を深く理解し定期的に上司とコミュニケーションを取り、期待を確認することが不可欠です
また、自分の成果が部署や会社の目標にどう貢献しているかを明確にすることも大切です。
他部署への協力も確かに重要ですが、まずは自分の部署での貢献を最優先にすべきです。上司の信頼を得ることが、出世への近道となるのです。
360度評価の落とし穴
多くの企業で導入されている360度評価システムですが、これに過度に依存することは危険です。360度評価とは、上司だけでなく、同僚や部下からも評価を受けるシステムのことを指します。一見公平で包括的に見えるこのシステムですが、出世を目指す上では注意が必要です。
承認欲求と評価を一緒にしてはいけない
多くの人は承認欲求が強く、様々な人から評価されたいと考えます。1人よりも10人に評価されているほうが自分が認められているという実感が強くなるものです。この心理は理解できますがキャリアの観点からは必ずしも正しくありません。
例えば、次のような状況を考えてみましょう:
1. あなたは上司からあまり評価されていないが、10人の部下や同僚から高く評価されている。
2. あなたは1人の上司から高く評価されているが、同僚や部下からはあまり評価されていない。
多くの人は1の状況のほうが望ましいと感じるかもしれません。
「自分は頑張っているのに上司が理解してくれない。でも、部下や同僚は私の価値を認めてくれている」
と考え、自己評価も高くなりがちです。
一方、2の状況では、せっかく上司から高い評価を得ていても、周囲からの低評価に引っ張られて自己評価が下がってしまうかもしれません。
しかし、出世の観点から見ると、圧倒的に2の状況のほうが望ましいのです。つまり、上司1人にすごく評価されている状況です。同僚10名に評価されていなくても、これで十分なのです。極端な例ではありますが…。
同僚や後輩から評価を得るのは楽
360度評価の落とし穴と関係があります。自分より下の立場や同僚から評価をもらうのは、圧倒的に簡単なためです。
例えば、新卒の評価を上げようと思ったときどうすればいいでしょうか。
- 会社の売上を伸ばす
- 高級な焼肉店に連れて行く
- 男性社員ならキャバクラに連れて行く
- 「何か困ったことがあればいつでも相談してね」と声をかける
本来圧倒的に評価されるべきことは1、次点で4であるべきなのですが、この前まで学生だった社員の場合なら2や3の方をしたほうが評価が上がることでしょう。
このように、仕事に直接関係のないこのような行動のほうが部下や同僚からの評価を上げやすいのです。
しかし、会社の視点から見るとこれらの行動はほとんど価値がありません。会社にとって本当に価値があるのは、売上や利益を伸ばすことです。焼肉店やキャバクラに行くことは、会社にとってはどうでもいいことなのです。
同様に、同僚から評価を得ようとすると、一緒に上司の愚痴を言ったり、仲の良さをアピールしたりすることで評価が上がりがちです。しかし、こうした評価も会社にとっては全く意味がありません。会社が求めているのは、あくまでも売上や利益を伸ばすことなのです。
つまり、360度評価で同僚や部下からもらう評価は、多くの場合、会社の本当の価値とは関係がないのです。真に評価されるべき人は、上司(評価者)が求める役割をしっかりと果たしその上で結果を出す人なのです。
いろんな同僚に優しくして、部下にも良くして、たくさんの支持者を作ることが出世につながるわけではありません。
上司のお気に入りになることの重要性
「上司のお気に入りが出世する」というフレーズを聞いたことがある人も多いでしょう。これは、ある程度事実です。しかし、これは必ずしもネガティブなことではありません。ここで重要なのは、「お気に入り」の定義を正しく理解することです。
上司のお気に入りになるということは、単に個人的に気に入られるということではありません。むしろ、仕事を頼みやすい、コミュニケーションが取りやすい、そして上司の期待に応える結果を出せる人が「お気に入り」になりやすいのです。
例えば、ある部署で二人の優秀な社員がいるとします。AさんとBさんは両方とも結果を出していますが、Aさんは上司とのコミュニケーションが苦手で、自分の考えをうまく伝えられません。一方、Bさんは上司とスムーズにコミュニケーションを取り、自分の成果を適切に報告し、上司の意図を正確に理解して行動します。
この場合、上司はBさんを「お気に入り」と感じる可能性が高いでしょう。なぜなら、Bさんとのコミュニケーションがスムーズで仕事がしやすいからです。これは単なる個人的な好み以上の、仕事上の効率と信頼関係に基づいた評価なのです。
プライベートの付き合いが評価になる環境は離れるべき
しかし、ここで注意すべき重要な点があります。時として、「あの人は上司に媚を売って飲みに行っているから出世している」とか「結果も出していないのに、お気に入りだから昇進した」といった声を耳にすることがあるでしょう。
このようなプライベートな要因が評価や出世に大きく関わっている場合、それは明らかに問題です。状況に直面した場合、以下のような対応を考えることが重要です。
- 会社の人事部門に相談する:
公平な評価システムの重要性を訴え、現状の問題点を客観的に説明します。 - 上司や経営陣と話し合う:
適切なタイミングと方法で、会社の評価システムについての懸念を伝えます。 - 環境を変える選択肢を検討する:
もし会社の文化や評価システムが根本的に変わる見込みがない場合、転職も視野に入れることも一つの選択肢です。
おそらくこの記事を読んで納得している方々は、結果を出すことを最も重視し、ライベートな付き合いで評価が左右されることに違和感を覚えるタイプの方々だと考えられるからです。
このような考え方は決して間違っていません。むしろ、非常に正しく素晴らしい姿勢だと言えるでしょう。実力と結果で公平に評価される環境で働くことは個人の成長にとっても、会社の発展にとっても極めて重要です。
そのような環境では、社員のモチベーションが高まり真の意味での実力主義が機能します。結果として、会社全体のパフォーマンスも向上するのです。
したがって、もし現在の環境が自分の価値観と大きく異なると感じるのであれば、より自分に合った会社を探すことも検討に値します。実力主義を重視し、公平な評価システムを持つ会社は必ず存在します。
そのような会社では、あなたの努力と結果が正当に評価され、それに見合った報酬や昇進の機会が与えられるでしょう。
出世するために必要なこと
出世するために意識すべき重要なポイントは大きく2つあります。
- 自分の立ち位置をわきまえ、会社や上司を評価しないこと(否定しないこと)
- 評価者の求める成果や役割は常に何か?を確認し続け、完了の報告をし続けること
1.絶対に会社や上司を否定するな
1. 経営者や役員でもないのに、会社の運営方針に口を出したり不満を言うこと。
2. 部長でもないのに、自部署や他部署を否定すること。
3. 評価者でもないのに、同僚や部下の働きぶりを勝手に評価すること。
4. 最も重要なこととして、自分の評価者(上司)を否定すること。
これらの行動は、組織の秩序を乱し自分の立場を危うくする可能性があります。特に上司を否定することは、出世の機会を失うと思っておいた方が良いでしょう。
もし自分が上司の立場だったら?
ここで、重要な視点の転換を提案します。自分が上司の立場になったと想像してみてください。部下の中に、常にあなたの方針や指示を否定する人がいたとします。その人を昇進させたいと思うでしょうか? 推薦したいと思うでしょうか?
もちろん、例外的なケースはあります。たとえ上司に対して否定的な態度をとっていても、誰が見ても圧倒的な結果を出している人材であれば昇進を検討せざるを得ないこともあるでしょう。しかし、そのような人材はごくわずかです。
多くの場合、上司は「この人は頑張っているし、これだけ結果を出しているから昇進させてあげたい」「達成状況は確かにギリギリだけど、この役職を与えたい」と考え、管理職会議や評価会議で提案をします。
そのような場面で、少しでも上司に反発する態度を取っている人を推薦したいと思うでしょうか? 答えは明らかでしょう。
現在の自分は、上司に対してどのような態度を取っているでしょうか。もし否定的な態度を取っているとすれば、それは出世の機会を自ら手放しているようなものです。今すぐに辞めましょう。
2.上司に求められる役割を常に明確にする
次に、自分の役割を明確にすることの重要性について説明します。これは自分で勝手に決めるものではありません。定期的に上司と確認を取ることが重要です。
具体的には、毎週のように上司との1on1ミーティングや連絡で報告する機会を作り、以下のような報告を行うことをお勧めします。
1. 先週の目標と結果の報告
2. 達成率の明確化(例:「達成率は97%で、3%達成できていません」)
3. 未達成部分の影響と今後の計画(例:「今月の未達が6%になりました。残り2週間でこの6%を補う必要があります」)
4. 具体的な行動計画の提示(例:「達成のために、こういった行動をとります」)
5. 上司からのフィードバック要求(例:「この行動計画は求められる役割に合っていますか?」)
このような週次報告を怠ると、徐々に出世の機会から遠ざかってしまいます。なぜなら、評価者(上司)に評価されることが出世の近道だからです。
上司が求める役割と自分がしようとしているタスクにズレが生じてしまうと、それは上司が求めていることではなくなってしまいます。
このプロセスを半年ほど続けると、何が評価されるのか?どういうことが求められているのか?が明確になってきます。
その結果、自分の行動がスムーズになる→スピードが上がる→スピードが上がれば挑戦の機会も増える→結果を出す可能性もが高まる。と好循環が生まれ出世の可能性が高まるのです。
評価者のことだけを気にして仕事しろ!
ここまで以外に結果を出しただけでは出世はできない。評価者の求める役割を徹底することが最大限の出世の近道なんて話しをしていきましたがいかがだったでしょうか?
もし、出世術などテクニック論を期待していた方であれば申し訳ないです。
ただ、出世したい、評価を上げたい、そのためにみんなから評価される必要がある、なんて思って仕事をしていると、あっちもこっちも気になってしまい、対して結果が残せない…なんて悪循環に陥っているケースを良く見るので、この度記事にさせていただきました。
記事中でも書いている極論ですが、出世したければあなたの評価者である上司1人のことだけを気にして仕事をすれば良いのです。もちろん、それ以外の人を卑下に扱ったりしていいというわけでは全くありません。
この記事を読んでくれた1人でも多くの方が、明日から一歩でも出世に近づき、そのためにやるべきことが評価者に確認することで明確になるお手伝いができれば筆者冥利に尽きます。
迷わず一直線に走り結果を出していきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。