- 評価者である直属の上司の意見を尊重すべき
- 評価者である直属の上司は誰かを課長や部長に聞いて明確にする
- 直属の上司が不明確な組織は、役割の所属も曖昧になりやすく、あなたが上司になった時に後輩を困らせる可能性も…
- 売上利益に繋がらない悩みは会社からしてみたら大迷惑
「AさんとBさんの意見が違くて、どっちの言うことをやればいいかわからない」「板挟みになっていて仕事がやりづらい」
こんな思いで毎日仕事をしていませんか?やる気がないわけではないのに、上司の板挟みになってアクセルを踏んで走れない状況は非常に辛いですよね。
筆者も26歳の時に社長と上司の言うことが違くて悩み、社長の言っていることを優先させたら上司に嫌な顔をされ、なんとも言い切れない気持ちになった経験が何回もあります。
「やる気はあるし会社の売り上げに少しでも貢献したい」という気持ちでやっていたのに…と。
当時は悩みましたが、管理者側になり組織作りや論理的なマネジメントを学ぶ中で得た結論としては、直属の上司の意見が絶対ということです。
今日は、板挟みを経験したからこそわかった、どっちの意見を聞けばいいのか問題について詳しく解説していきたいと思います。
【結論】直属の上司の意見を優先せよ
はっきり断言しますが、2人の上司の意見に悩んだ場合は直属の上司(役職者)の意見を最優先せよ。というのが結論です。※もし、指示を出す2人が同役職の場合は次の章「2.上司の役職が同じ場合の対処法」をご覧ください
その理由は以下の通りです
- 直属の上司があなたの評価者であるから
- 直属の上司が一番、あなたの業務の責任を担っている人だから
- 組織の指揮系統を尊重するため(直属の上司が絶対)
では、具体的なケースを見ていきましょう。
a) 他部署のリーダーA vs. 同じ部署のリーダーBの指示で悩む場合
このケースでは、同じ部署のリーダーBが直属の上司に当たるためBの意見を優先すべきです。他部署のリーダーAの意見も重要ですがまずは自部署の方針に従うことが求められます。
例えば、マーケティング部門のリーダーAから新しい販促案について意見を求められたとしても、所属する営業部門のリーダーBの方針や指示を優先するべきです。部門間の連携は重要ですが、まずは自部署の業務に集中することが求められます。
b) 他部署の部長A vs. 同じ部署の課長Bの指示で悩む場合
会社の階層では部長の方が上位かもしれませんが、直属の上司である課長Bの意見を優先するべきです。
部長の方が偉いため少し複雑なのですが、仮に直属の上司の意見を聞けない場合はチームは機能しません。
例えば大谷選手は24年現在ドジャースに所属をしていますが、ドジャースのコーチの意見を聞かずに、ヤンキースの監督の意見を聞いてプレーをしていると考えたら違和感があると思います。
もちろんドジャースのコーチとヤンキースの監督を天秤にかけた場合、チームは違えど監督の方が威厳はありますが、違うチームですしおかしな話しになります。そして、仮にヤンキースの監督の話しを聞いていた場合、コーチは必要なくなってしまいますよね…。
あえて突拍子もない例を出していますが、会社組織でも同じようなことが言えるのです。
他のチームの人の意見を取り入れたり参考にするのは良いですが、組織やチームで動いているのに、その中の人の話しを蔑ろにすることはあってはいけません。
c) 同じ部署の課長A vs. 同じ部署のチームリーダーBの指示で悩む場合
この場合は会社の規模や風土によって対応が分かれますが、基本的にはチームリーダーBが直属の上司である場合、Bの意見を優先するべきです。
組織構造は以下のようになっているでしょう。
課長A → チームリーダーB → あなた
ただし、以下のような組織体制の場合は例外となります。
課長 → (チームリーダー、係長、主任、一般社員)と、課長以下が横並びの場合
チームリーダーや係長、主任といった役職が実質的な権限を持たない場合は、課長Aの意見を優先することが適切でしょう。
例えば、開発部門で新しいプロジェクトの進め方について、課長AとチームリーダーBの意見が分かれた場合。通常はチームリーダーBの指示に従いますが、会社の体制によっては課長Aの意見を優先する必要があるということです。
ただ、このケースは非常に難しいので、「課長は〇〇と言っていますが、この方法で良いですか?」など、あらかじめ指示をくれた直属の上司に念の為の確認を入れておくと良いでしょう。
2.上司の役職が同じ場合の対処法
両方の上司の役職が同じで優劣をつけられない場合は、さらに上の上司(ここでは課長とする)に相談することが推奨されます。
課長→リーダーA,リーダーB→あなた という構造を前提として説明をしていきます。
通常、現場のトラブルは直属の上司とのコミュニケーションで解決すべきですが、このケースは例外と言えます。会社にとっても社員が板挟みになることでパフォーマンスが低下するのは望ましくありません。上の上司にあたる課長に相談する際は、状況を客観的に説明しどちらの指示を優先すべきか助言を求めましょう。
重要なポイントは、上司の上司にあたる存在から自分を板挟みにしている直属の上司に対して説明してもらうことです。自分から「A(課長)さんに、BさんとCさんから指示されたらBさんを優先してって言われたので〜」と直接伝えるのは避けたほうが良いでしょう。
上司間の関係性を悪化させる可能性があるからです。
- 状況を整理し、客観的に説明できるようにする
- 課長にアポイントを取り、相談の機会を設ける
- 問題の本質を簡潔に説明し、アドバイスを求める
- 課長から、異なる意見を言ってくる上司2人を助言をしてもらう
こういった手順で適切な判断を仰ぐことが望ましいでしょう。
しかし、それでも板挟みが解消されない場合は、最終手段として「課長の指示を受け、AさんBさんと矛盾することがあれば、Aさんを優先させてほしいと指示をいただいている」と明確に伝える必要があります。
自分の心持ちとしては、どちらの上司が偉いかという問題ではなく、自分のパフォーマンスを最大限発揮し、会社に貢献するための手段であることは忘れないでいてください。
Aさんを優先してほしいという指示のもと動いているだけで、Bさんを卑下したりすることは絶対にダメです。あなたの上司や先輩に当たることは変わりないですから。
根本原因は会社組織にある可能性が高い
ここからの内容は、一般社員が会社の制度や社風を否定したり、そもそも評価することは絶対にダメなので、あくまで””与えられた役割を全うすることが仕事””という大前提は変わらないことを理解した上で参考程度に読んでいただければ幸いです。
役割の明確化ができていない会社の可能性
今、あなたが直面しているどっちの意見を聞けばいいかわからないとい状況が頻繁に発生しているような組織は、役割の明確化ができていない組織かもしれません。
大きい会社ほど、複数の部署が機能していなくても売り上げや利益に影響は小さいですし、一社員の悩みが大きかろうが小さかろうが会社の業績には全く関係ない事実はあるのですが、組織、マネジメントという観点でみると学ぶことは少ない環境の恐れがあります。
あなたの上司の役割が明確になっていない状態というのは、未来の出世したあなたも役割が明確でなく、役職者になったのに部下を困らせているだけの存在になり兼ねないというです。
本来はあなたの上司もさらに上の上司から与えられた役割を全うし、指示のレポートラインというのが忠実に決まっているべきです。
だから、基本はAさんが評価者だから、Aさんに与えられた役割を全うする。あなたがやるべきことは基本これだけであるべきです。
他のBさんから指示が来ても、Aさんに確認して、AさんがNGならNG。という具合に、直属の上司であり評価者のAさんが絶対的に優先されるべきなのです。これにより全員が迷いなく仕事ができ、組織が運営されていくのがベストな環境です。
売上利益に繋がらない悩みは会社からしたら無駄
どっちの上司の話しを聞くべきか?という悩みは100%売り上げに繋がらない悩みだと言い切れるため、本当に無駄です。悩むべきことがでないことに悩むような環境に勤めていることになります。
これが広告予算1000万貰えたけど、SNS?雑誌?どう振り分けるか?なんて悩みであれば、売り上げを最大化するための悩みだから問題はありませんし悩むべきことだと思います。
しかし、前者の場合は社内政治のどっちにつくか?という経営層からしたらくだらなすぎる悩みだからやめるべきであり、現場で起こってしまっている=組織、マネジメントが機能していない証拠でもあると言えてしまいます。
板挟みの解決方法は直属の上司がキーワード
最後になりますが、板挟みの解決方法は徹底的に評価者である直属の上司の言うことを聞くこと。そして、その役割を全うすること。これに尽きます。
そのためにも、
- まず直属の上司が誰なのか?
- 直属の上司が複数人存在してしまっている場合は誰の指示を優先させるべきなのか?
この2点を明確にするところから始めましょう。これを明確にするだけでこの板挟み問題に限らず業務がスムーズに進むことでしょう。
ただ、もしあなたが努力しても評価者が明確にならない環境の場合は、環境を変えることも視野にいれると良いでしょう。せっかく就職した会社なので今の環境で続けることが一番ですし、こんな理由で環境を変えるというのは少々もったいないのは承知な上です。
理由としては、役割が明確に決まってない環境ほど不自由かつ、責任の所属が曖昧で成長スピードが遅まったり、今あなたが悩んでいるようなストレスに比重が行きやすい環境と言えるためです。
本来のストレスはスキルセットが足らないや、売上の責任だったり成長するためのストレスであるのが若いうちは理想と言えます。
少し厳しいことを書いていますが、わざわざ今の悩みを検索してこの記事に訪れてきてくれたような方は、きっと向上心があって自分のキャリアのことを真剣に考えている人だと思っています。
この記事を通して、板挟み問題をはじめとする会社で起こる問題を解決する少しのヒントに当記事がなれていれば、筆者冥利に尽きます。
最後まで読んでいただきありがとうございました!