- 転職面接や職務経歴書で「できる」のハードルを上げすぎている人が多い
 - 「できる」は120点満点でなく、50〜60点レベルで十分である
 - 会社によって求められる基準は全く異なるため、経験したことは全て書くべき
 - やったことがあることを「できない」と答えるのは機会損失でしかない
 - 入社後に期待値とズレがあっても、それはミスマッチの問題であり嘘ではない
 - 嘘はつかないが、経験があるなら自信を持って「できます」と言うべき
 
「この経験、職務経歴書に書いていいのかな…」「面接で『できますか?』と聞かれたけど、完璧にはできないし…」
こんな風に悩んで、せっかくのチャンスを逃していませんか?
実は、多くの人が「できる」という言葉のハードルを無駄に高く設定してしまっています。その結果、本当は書けるはずのスキルを職務経歴書から削除したり、面接で自信なさげに「ちょっと自信がないです」と答えてしまったりしているのです。
筆者は大手ベンチャーで役職者として、採用する側の立場も経験してきました。その中で痛感したのは、「会社によって求められる基準は全く違う」ということ。そして、入社前に完璧である必要なんて、まったくないということです。
この記事では、なぜ経験したことは「できる」と堂々と言うべきなのか、その理由を具体的に解説していきます。この考え方を知れば、あなたの転職活動は劇的に変わるはずです!
「できる」のハードルを上げすぎていませんか?
みんな120点を目指しすぎている
転職活動をしていると、多くの人が「できる」という言葉に対して異常なまでにハードルを上げています。
例えば、職務経歴書のスキル欄。ここに書くのは、そのスキルでネイティブレベル、いわば120点満点の実力がないといけないと思っていませんか?
それは大きな間違いです。
実際の企業が求めているのは、50〜60点程度の実力であることがほとんどです。もちろん、ポジションや業務内容によって異なりますが、完璧なスキルを持った人材なんて、そもそも存在しません。
厳しいことを言いますが、会社員でめちゃくちゃできる人なんてマジでいないんですよ。みんなだいたい60点ぐらいのレベルで仕事をしています。それが現実です。
英語で例えるとわかりやすい
英語を例に考えてみましょう。
企業が「英語できますか?」と聞いてきたとき、あなたは何を想像しますか?ネイティブレベルで完璧に話せることを求められていると思っていませんか?
でも実際には、日常会話レベル、つまり意思疎通ができて疑問形で質問できるレベルで十分なケースが大半なんです。それって、50点くらいのレベルですよね。
それなのに、多くの人は「ネイティブレベルじゃないから英語はできないです」と答えてしまう。これ、めちゃくちゃもったいないと思いませんか?
相手が50点を求めているのに、こちらが勝手に120点が必要だと判断して、せっかくのチャンスを逃しているんです。
会社によって基準は全く違う
「できる」の基準は会社次第
ここで重要なのは、「できる」の基準は会社によって全く異なるということです。
A社で「できている」と評価されていたことが、B社では「全然できていない」と評価されることもあります。逆に、C社で「できていない」と思われていたことが、D社では「十分できているじゃないか!」となることも普通にあります。
例えば、Appleのような洗練された高単価商品を扱う企業でブランディングを極めた人がいたとしましょう。その人が、親しみやすさを重視するマクドナルドのようなブランドに転職したら、どうでしょうか?
Appleで培った洗練されたブランディングスキルは、マクドナルドでは必ずしも活かせないかもしれません。マクドナルドが求めているのは、高級感よりも幅広い層に響く親しみやすさだからです。
つまり、どんなに優秀な人でも、会社が変わればミスマッチが起こり得るのです。
入社後のミスマッチは嘘ではない
採用する側の立場として何度も経験してきましたが、入社後に「あれ?この人、想定していた能力と違うな」と感じることは正直あります。
でも、そのとき「この人、経歴で嘘ついたんじゃないか?」とは思わないんですよ。これ、不思議じゃないですか?でも本当にそうなんです。
なぜなら、結局は会社によってルールが違う、基準が違うということを、採用する側も理解しているからです。
「ああ、この人は前職ではこのやり方でやってきたんだな。うちのやり方やブランディングを覚えてもらわないとな」というふうに考えます。ミスマッチはあっても、嘘をついたとは思わないんです。
だから、経験したことは全部書け!
職務経歴書には経験を全て記載すべき
ここまでの話を踏まえると、結論は明確です。
あなたが経験してきたことは、全て職務経歴書に書くべきです。
「これは完璧にできるわけじゃないから書かない方がいいかな…」なんて、自分で勝手に判断して削除する必要はありません。
そのスキルや経験が、その会社で50点なのか80点なのか120点なのかは、あなたが決めることではありません。その会社の人が決めることです。
だったら、経験したことは全部書いて、判断は相手に委ねればいいんです。
面接で「できますか?」と聞かれたら
面接で「これ、やったことありますか?できますか?」と聞かれたとき、あなたはどう答えていますか?
もし少しでもやったことがあるなら、**「やったことあります。できますよ、多分」**と答えるべきです。
「いや、ちょっとできるかわかんないですね」「あんまり自信ないです」なんて答えてしまうのは、本当にもったいない。
相手が求めているのは50点かもしれないのに、こちらが勝手に120点が必要だと判断して、チャンスを逃しているんですから。
仕事をもらえない人の共通点
自分でハードルを上げている
仕事をもらえない人、損をしている人には共通点があります。
それは、「できますか?」と聞かれたときに、自分で勝手にハードルを上げて断ってしまうことです。
相手は50点のことを求めているかもしれないのに、なぜか120点満点でできなきゃいけないと判断して、「できません」と答えてしまう。
これ、本当にもったいないですよね。
ツールだって慣れの問題
例えば、特定のツールやソフトウェアの使用経験を聞かれたとします。
「このツール、使えますか?」と聞かれて、「ちょっとしか触ったことないので…」と答えていませんか?
でも、ツールなんて慣れの問題です。基本的な考え方や操作方法は似ているものが多いですし、少しでも触ったことがあるなら、「やったことあります」と答えて全く問題ありません。
実際に使ってみて、もし会社のツールが違うバージョンだったり、少し違う仕様だったりしたら、その時に正直に言えばいいんです。
「以前は旧バージョンを使っていたので、このバージョンだと少し操作が違いますね。でも考え方は一緒だと思うので、なんとなくわかります。ちょっと教えてもらえますか?」
これでいいじゃないですか。
嘘はつかないが、自信を持って言え
嘘と自信は違う
ここまで読んで、「でも、それって嘘にならないの?」と思った方もいるかもしれません。
明確に言いますが、嘘はついてはいけません。
やったことがないことを「できます」と言うのは嘘です。それはダメです。
でも、やったことがあることを「できます」と自信を持って言うのは、嘘ではありません。それは正当な自己アピールです。
この違いをしっかり理解してください。
入社してから学べばいい
「でも、入社してから期待値と違ったらどうしよう…」という不安もあるかもしれません。
でも、考えてみてください。入社する前に、その会社のやり方や文化、求められるレベルを完璧に理解することなんて不可能です。
実際にやってみないとわからないことの方が圧倒的に多いんです。
だったら、まずは入社することが最優先。入ってから学べばいいし、その会社のやり方を理解すればいいんです。
そもそも、入りたい会社に入れないことの方が問題です。入社のチャンスすら掴めなかったら、何も始まりません。
筆者自身の経験から
会社によって全く基準が違った
私自身、複数の会社を経験してきましたが、本当に会社によって求められるレベルが全く違います。
A社で「これくらいできて当然」と思われていたことが、B社では「すごいですね!」と評価されたり、逆に、A社で自信を持ってできていたことが、B社では「まだまだですね」と言われたり。
これが現実なんです。
だからこそ、自分で勝手に「この経験はレベルが低いから書かない」「このスキルは完璧じゃないから言わない」と判断するのは、本当にもったいないんです。
採用する側も理解している
採用する側の立場として何度も面接をしてきましたが、正直なところ、入社前の面接や職務経歴書だけで、その人の実力を完璧に把握することは不可能です。
実際に一緒に働いてみて初めて、その人の強みや弱みがわかります。
だから、入社後に少しミスマッチがあっても、それは織り込み済みなんです。そこから一緒に成長していけばいいと考えています。
むしろ、チャンスを逃すことの方が問題です。
まとめ:経験したことは「できる」と言おう
ここまでお話ししてきた内容をまとめます。
- 「できる」のハードルを上げすぎない:120点満点でなく、50〜60点で十分
 - 会社によって基準は全く違う:前職でできていても新しい会社ではできないこともあるし、その逆もある
 - 経験したことは全て書く:職務経歴書には経験を出し惜しみせず記載する
 - 面接では自信を持って答える:やったことがあるなら「できます」と言う
 - 嘘はつかない:やったことがないことを「できる」と言うのはNG
 - 入社してから学べばいい:完璧である必要はない。入ってから成長すればいい
 
転職活動で大切なのは、まず入社のチャンスを掴むことです。
そのチャンスを、自分で勝手にハードルを上げて逃してしまうのは、本当にもったいない。
あなたが経験してきたことには、必ず価値があります。その価値を判断するのは、あなたではなく、相手の会社です。
だから、自信を持って「できます」と言いましょう。
もちろん、嘘はダメです。でも、やったことがあることなら、堂々と「できます」と言っていいんです。
この記事を読んだ1人でも多くの方が、転職活動での自己アピールに自信を持ち、本当に入りたい会社への扉を開けることができますように。そして、不必要な遠慮や謙遜で機会を逃すという悩みが1つでも減れば、筆者冥利に尽きます。
最後まで見ていただき、ありがとうございました!
