- 権限を持ちたければ今の上司に圧倒的に貢献をして出世をするのが一番早い。テクニック論不要
- 権限を持つということは責任も増えるという本質を理解すること
- そもそも権限を持てる環境か否かの見極めも大事。今の上司に権限がなければ、あなたが権限を持つ日も遠いと言える
- 権限を持って責任が増えると、仕事で起こることが自責ベースで捉えられるようになるので仕事が楽しいし成長が早くなる
「権限持って仕事していきたい」「もっと自分が物事を決めて仕事を進めていきたい!」
こんな向上心を持ちながら仕事をすることは非常に素敵なことです。現状維持志向で、「責任は負わず、とりあえず言われたことだけやっていきたい」なんて人が増えている中で、こういった気持ちは本当に大切です。
結論から言うと、権限を持ちたいなら出世せよ!そのために直属の上司に圧倒的に貢献せよ!
というのが答えになります。権限だけ得て責任がない状態というのは基本的にはあり得ないので、権限を持ちたければ出世をして責任も増やす必要があります。
記事では、少し耳が痛くなるような責任と権限の本質や、権限を得る手段の出世する方法について書いていきました。実際に筆者も100名程度の会社ではありますが、役員を除けば一番権限を持つ役割を担っています。
そんな筆者だからこそお伝えできることを事実ベースで書いているので、ぜひ最後までご覧ください!
権限=責任という図式を理解する
権限を持ちたいという気持ちは、多くの場合、「もっと自分で決めたい」「人に文句を言われずに仕事を進めたい」「自分の思い通りにしたい」という感情が先行して生まれてきます。このような向上心は素晴らしく、とても大切なことです。
しかし、権限を持つということは必ず責任が伴います。権限と責任は必ずイコールの関係でなければなりません。権限だけ多くて責任が全然ないという状態では、やりたいことだけをやって、うまくいかなかった時に「私の責任ではありません」と言い逃れることができてしまいます。これは組織にとって明らかによろしくない状態と言えるでしょう。
だからこそ責任と権限はイコールの関係にあるべきです。
権限を持つということは出世をして役職が上がることと同義です。面倒を見るべき部下が増えたり、与えられる役割や業務範囲が広がったりします。その結果として権限も増えていくという形で、順序立てて進んでいくことを理解する必要があります。
決めたくないことも決める時が来る
筆者の経験談を交えて話しますが、権限を持つと、何でも決められる、決められることが多くなる反面、実は決めたくないことを決めなければならないことも多くなります。
例えば、人事に関することや予算配分の問題、時には人から反感を買うような決断も下さなければなりません。これが権限を持つということであり同時に責任の一部となるのです。
筆者の具体例「人」と「金」
具体的な例を挙げると、アルバイトの方や派遣社員の方との契約を終了させなければならないような状況に直面することもあります。会社の売上や人件費比率、人事配置の問題など様々な要因を考慮しなければなりません。
一人一人、「この部署で働きたい」「誰と働きたいと」いった希望は当然あるでしょう。心理的な居心地の良さを求めるのは自然なことです。
しかし、会社は組織である以上、従業員が気持ちよく働けることは大切ですが、それ以上に会社として売上を上げ利益を残し社会に貢献していくことが最優先されます。
そのため、ある部署で働きたいという希望があっても、違う部署への人材配置が必要になることもあります。また、派遣社員やアルバイトの方との契約を終了して人件費率を下げなければならないこともあります。
予算配分一つを取っても、同様の難しい判断が求められます。例えば、1000万円の予算が欲しいという要望に対して、他の部署への投資効果を考慮した結果、500万円しか配分できないといった判断を下さなければならないこともあります。
求めている予算の半分ですから、「500万円では何もできない」と言われるような厳しい決断を迫られることもあるのです。
このように権限を持つということは、それだけの責任も伴ってきます。これは決める責任もそうですし、何か良くないことが起きた時に自分に降りかかってくる責任でもあります。
したがって、権限を持つということは、イコール責任を持つということを前提として捉えていく必要があるのです。
権限を持ちたきゃ直属の上司に貢献しろ
権限を得る最もシンプルで確実な方法は、今の上司に貢献することです。出世に関してはテクニック論や、あまり好ましくない話として政治的な振る舞いや根回しなど、様々な方法論が世の中に出回っています。しかし、基本的には誠実に仕事をすることが最も重要です。
その上で、最も効果的なのは現在の上司に貢献することです。これが出世をしたり権限を持ったりする最も近道だと考えています。
権限というものは、突然降ってくるものではありません。あなたの評価者である上司に評価されて、そこで初めて権限を与えてもらえたり、出世できたりするようになります。
昇給や昇格についても、あなたの周りの同僚の評価ではなく上司の評価が決定的に重要になります。360度評価のような制度がある会社もありますが、結局のところ上司である評価者があなたを評価することで昇進が決まるというのが、多くの組織における基本的な形です。
したがって、最も重要なのは上司に貢献することと言いきれます。ドラマなどでは上司が悪者で敵対するヒーローみたいな一般社員が描かれがちですが、現実社会では敵対関係になって良いことは1つもありません。(もちろん上司が不正をしているなどあれば話しは別ですが…)
上司に与えられた役割を全うし、もし上司が何を求めているのかわからない場合はそれを確認し、徹底的にやり込むことが大切です。上司を楽にさせ上司を押し上げることが出世や権限を得る上で最も重要な方法となります。
貢献していれば出世できずとも良いことはある
最悪の場合、すぐには出世できなくても、上司に貢献し上司の仕事の助けになっているということで、「ここは任せよう」という形になることも多いものです。
これは会社員にとって非常に良い状態です。役職は変わらないのに権限が増えているということは、自分の裁量で物事を進められる一方で、最終的な責任は上司が取ってくれるという状況だからです。
しかし、このような形を作り上げるのも同様で、まず上司に貢献し信用を得ることが第一になります。
そもそも権限を持てる環境なのか?も重要
環境の重要性を理解することも権限を得る上で非常に重要です。
例えば、あなたの上司が50代で役職上は上司という立場でも、実質的な権限をあまり持っていないような状況を考えてみましょう。これは上司個人の問題というよりも、その会社の特徴と言えます。
ワンマン経営のように社長に全ての権限が集中していて、社長が全ての決定を行い、他のメンバーはその指示に従うだけというような環境では、おそらくこの先も権限を持つことは難しいでしょう。
もちろん、その会社が好きで、その事業も好きで、「絶対に社長になってやる」といった強い意志を持っている人であれば、その会社に留まって権限を得るために努力することも選択肢の一つです。
しかし、今の上司に実質的な権限がないということは、あなたが将来その立場になっても同様に権限を持てない可能性が高いことを意味します。あなたの環境はどうですか?権限を持ちにくい環境になっていませんか?
権限が速攻持てる環境もある
一方で、一般の社員でもかなりの権限を持っている会社も存在します。これは会社の良し悪しの問題ではなく、組織の特徴の違いです。
組織図がしっかりと枝分かれしていて、社長の下に複数の部署があり、その下にさらに課長がいて、チームマネージャーや係長といった層が存在する組織では、それぞれのレベルで適切な権限委譲が行われやすい傾向にあります。
このような組織では、部長からチームマネージャー、チームリーダー、プロジェクトリーダーといった各層の距離が比較的遠いため、「この予算はチームリーダーに任せます」「このプロジェクトはプロジェクトリーダーに任せます」というように、一般社員でもプロジェクトごとやチームごとの範囲で権限を持たせてもらえることが多いです。
特に若い会社やベンチャー企業と呼ばれる組織では、このようなフラットな組織構造を採用していることが多く、権限委譲が進んでいる傾向が見られます。
また、社員数が少ない会社では必然的に一人一人の責任やスキル、行動が直接的に売上に反映されやすいため責任が重い分、権限も大きくなりやすい特徴があります。
筆者の会社の例
例えば私が勤務している会社は100人にも満たない組織ですが、一般社員でもかなりの権限を持っています。社長と直接話をすることも普通にでき、社長も話を聞いてくれる環境です。
新しいことをやりたいという提案があれば、予算の範囲内で利益を出すことを条件に権限を与えてくれることもあります。
これはまさに、規模が大きくない会社だからこそ可能な権限の持ち方と言えます。これは権限を持つ人の能力が高いとか低いという問題ではなく、環境の問題なのです。自分の能力やスキルはもちろん重要ですが、環境という要因は避けて通れません。
したがって、今の環境が自分が権限を持てる環境なのかどうかをしっかりと見極め、もし持てない環境であれば、権限を持てるような環境を選ぶということも重要になってきます。
権限を持つと仕事は楽しい!
少し厳しい内容が続いたので、なにかでデメリットばかり感じてしまった人も多いかもしれませんが、実際は厳しいことが多いからこそメリットの方が多いと筆者は考えています。
自責ベースで捉える楽しさ
責任と権限が増えると、見るべき範囲が広がったり、何かを決断しなくちゃいけない機会が格段に増えます。今まで見なくてよかったこと、知らなくてもよかったようなことにも目を配らなくてはいけません。
しかし、ここが楽しいのです。様々な良いニュース悪いニュースが自分と繋がってきて自責になるのです。
例えば、野球をやっている人は野球のニュースを楽しめ、サッカーをやっている人はサッカーのニュースに深い興味を持てるように、自分が深く関わることには自然と興味が湧いてきます。
野球経験者であれば、プロ野球の緊迫した場面の選手の気持ちをなんとなく理解できるように、実際に経験する(関わっていると)ことで、より深い視点で物事を見られるようになったり共感ができたりします。
これは仕事でも同じことが言えて、関わっていて、さらに責任があるからこそ自分ごとに物事が捉えられて情報がどんどん入ってくるのです。自分では気づかないですが、自責ベースなことが増えれば増えるほど勝手に成長をしていくものです。
普通の会社員は、「できるだけ責任は負いたくない」というスタンスで働いている人の方が圧倒的に多いでしょうか当たり前ですよね。
まずは、とにかく上司に貢献して権限を得よう!
権限には責任が伴うという厳しい現実や、時には反感を買うような決断も必要になること、そして権限を得るためには上司への貢献が近道であるという話をしてきましたがいかがだったでしょうか?
記事中でも言及していますが、権限を得るのに必要なのはテクニック論ではなく、上司への貢献によって信用を得るのが一番です。
上司の求める役割を全うするのが貢献であり、報告をあげることで評価もされやすくなるので、その細かい報告フォーマット等は「【出世できるか不安】上司の求める役割を理解し徹底せよ。360度評価なんて糞食らえ」という別記事でも詳しく書いているのでぜひご覧ください。
この記事を見てくれた1人でも多くの方が、今の権限を持ちたいという気持ちを忘れることなく、実際に権限を持てる日が来るよう願っています。
最後まで読んで頂きありがとうございました!