- ワンマン経営は社長が圧倒的決定賢者なので、評価の基準が”社長だけ”と明確というメリットがある
- 360度評価などで、周囲の大勢の人に評価を得ようとして人間関係に悩むよりもマシではないか?
- 筆者の勤める会社で、ワンマン→非ワンマン経営に体制変更があった際、社員側に意見が寄りすぎて会社の成長が鈍化した事実がある
- 物事が社長のイエスorノーだけで決まるシンプルな構造は、以外に働きやすいのではないか?
「ワンマン経営者の元で働くのが辛い」「社員の話しを全然聞いてくれない」
こんな悩みを持ちながら仕事に臨んでいませんか?自分の意見がなかなか通らず独裁的に話しが進んでいく状況は納得できないものですよね…。
しかしながら、ワンマン経営にメリットがあるという視点も忘れてはいけません。
筆者が勤める会社はワンマン経営の社長が会社を事業譲渡する形で引退し、経営体制がガラッと変わりました。そして、非ワンマン経営になったのですが、この際にワンマン経営の良さにたくさん気付かされたのです。自分でも驚きました。
そんな体験をしてきた筆者だからこそわかる、ワンマン経営の良さや、非ワンマン経営のデメリットについて記事では触れていきます!
「以外にワンマン経営の会社に勤めることって悪くないのかも・・・」なんて思って頂けますように!
決定権者が明確。社長のイエスだけ良い
ワンマン経営の特徴として最も分かりやすいのは決定権者が明確であるという点です。社長という圧倒的なリーダーであり決定権者がはっきりしているため、この人のイエスさえあれば動けますし、評価基準についても、”この人に評価されているかどうか?”という一点だけなので、ある意味では非常に明確です。
近年は多くの企業で「360度評価」などが取り入れられており、ある人には評価されても別の人には評価されていないと総合評価が下がってしまいます。
そのため様々な人に気を使い、複数の評価基準を意識しながら立ち回らなければ昇進や昇格ができないという状況があり、そこから人間関係のストレスが生まれ仕事に集中できずに悩んでいる人も少なくありません。
一方、ワンマン経営の場合は社長という一点だけを見ればよく、360度どころか一直線の関係です。社長だけを見て仕事をすれば良いという意味では評価基準が明確で仕事がしやすい面もあります。
確かにワンマン経営には社長の独断や社員の意見を聞いてくれないなどのデメリットも存在しますが、評価や物事の判断基準が明確であることはワンマン経営ならではのメリットであり、捉え方次第では意外にも働きやすい要素の一つになり得るのです。
非ワンマンになった時にむちゃくちゃ楽(気持ち的に)
非ワンマンになると、より民主主義的な感じで社員の意見も聞かれるようになります。「これもいいですよね」「あれもいいですよね」といった会話が増え、皆で話し合いを進めていくので、ストレートに「No!」を突きつけられることもなくなり気持ち的には楽になりました。
ただし、それが正解かと言われると、この後にも触れますが必ずしもそうとは限りません。なかなか話が進まなくなったり、「あれもこれもいい」となると物事の決定に時間がかかってしまうことも多いのです。
決定権者がいないことによる損失も大きいと思うので、非ワンマンが常に良いとは限らないでしょう。しかし気持ち的には非ワンマンになった時に非常に楽だったことは確かなので、これは一つのメリットだと思います。
最近は「社員の意見を聞き入れましょう」という風潮が進み、ワンマン経営者は減ってきていると思いますが、これからキャリアアップや転職を考える中で、非ワンマン環境の楽さを知るためにも、今ワンマン経営者のもとで働けているという経験は意外にもキャリアにとって良い経験になるのではないでしょうか。
愛社精神が高い人だけが残る
ワンマン経営の環境は、「働きやすさ」や「社内の風通しの良さ」といった点では、必ずしも優れているとは言えないでしょう。しかし、これをポジティブに捉えると、それでも会社に残り続ける人というのはワンマンな社長が好きだったり、その会社が手がける事業やブランドが好きだったりする人が多いと思います。
つまり、愛社精神があるがゆえに残り続けてくれる人たちなのです。
このような環境では、物事が「右向け右」で進んでいくことができます。ビジネスにおいてはスピードが非常に重要な要素であり、何かを実行する前からそれが正しいか正しくないかを判断するのは難しいものです(もちろん、犯罪行為などは論外ですが)。
「こういう意見もある」「あういう意見もある」と話し合っている間に、競合他社に先を越されてしまうことも少なくありません。だからこそ、「右向け右」で進める組織は実は非常に強いのです。
ブランドへの愛や愛社精神がある人だけが残る環境は、組織の一体感という観点では非常に優れています。社長への「イエスマン」と否定的に表現されることもあるかもしれませんが、イエスマンが多いからこそ一気にその方向へ進められるというのは、強い組織の特徴の一つではないでしょうか。
愛社精神が高ければスキルが低くても戦力?
会社やブランドに愛着を持てない人は、どんなに実力があっても早々に辞めていきました。一方で、実力が正直そこまで高くなくても、「このブランドが好きだから」「この会社が好きだから」という理由で残ってくれる人が多くいました。
仕事は辛くても、お客さんの声で救われているなんてことを良く言っています。
彼・彼女らの働く理由は「働きやすさ」ではなく、とにかく「好きだ」というところが優先される傾向があります。ネガティブな見方をすれば「やりがい搾取」と言われることもあるかもしれませんが、そうやって全員が同じ方向を向いて進める組織は売上も伸びていることが多く、実際に筆者が勤める会社は20年以上続いています。※創業から20年以上残る会社の確率は一般的に0.3%なんて言われています。
【経験談】非ワンマン経営の落とし穴
ワンマン経営から非ワンマン系になったことで色々なことが変化しましたが、非ワンマンだからこそのデメリットも存在したので、それについて話しをしていきます。
社員主導になり物事が決まらない・進まない
とにかく社員主導で物事が決まらない、「検討」が口癖になり、動きが遅くなるということでした。ワンマン経営は上でも申した通り、判断基準が社長のイエスかノーかで非常に明確です。そのため動きが早いのです。社長が「イエス」と言ったらそれでOKですし、「ノー」なら駄目だと分かるのでやり直すだけです。
一方、非ワンマン経営になってくると民主主義的な形でスタッフ内の意見が尊重されます。これは聞こえはいいのですが、スタッフの間でもいろいろな意見があります。
Aがいいと思う人もいればBがいいという人もいるしCがいいという人もいます。これをどれにするか?何を選ぶか?といったことを、意思決定権限があまりないスタッフ同士で議論することになってしまうのです。
その結果単に動きが遅くなり、会議の時間が例えば1時間だとすると、すぐに1時間が経過してしまい、「これは検討しておきましょう」とか「棚上げしておきましょう」といったことが口癖になって、結局事業や話が決まらないということが筆者の経験では多発しました。
社員側の力が強くなり、会社成長の本質とは離れる
実際に筆者が勤める会社は、これにより業績が急激に悪化する事態にまで陥りました。その経験に基づき、社員側の力が強くなって事業の本質と離れがちになるという点について話をしていきます。
社員の話を聞いてくれるようになることは、それが目標達成のための建設的な意見であれば理解できますが、「リモートワークを導入しましょう」「手当を増やしましょう」といった要望が増えると、会社の本質、事業の本質から離れてしまいます。
“会社の成長”≒”従業員の成長” という関係があるため、会社が成長していないのに従業員に何かを与え続けると、会社は育ちません。手当やモチベーション向上は大切ですが、モチベーションは一時的なものです。
最初は「働きやすくなったから頑張ろう」となっても、すぐにそれが当たり前になってしまい、新しく入ってくる人にとってはそれが最初からの基準となります。その結果、さらに事業の本質から離れた「権利」の話へと発展していきます。
社員の力が強すぎると、働きやすさや雇用条件に比重が移り会社の成長が二の次になります。短期的には「リモートワークで週5日全部自宅勤務、ギリギリまで寝られる」と喜ばれても、長期的には会社の成長が鈍化する恐れがあります。
ルールを緩くするのは簡単ですが、一度緩めたルールを再び厳しくするのは非常に難しく反発も大きくなります。会社の成長が止まれば、給料やボーナスの削減、人員調整も必要になり、結局は従業員自身に影響が返ってくるのです。
社員の権利尊重は素晴らしいことですがバランスが重要なものだと思い知らされた事例でした。
リーダー不在で役割の所在が曖昧
圧倒的リーダーが不在になるので役割の所在が曖昧になるという話をしていきます。
ワンマン経営者というのは、その人だけの評価、その人だけのイエスで物事が進んでいたため、圧倒的リーダーの存在でした。この人さえいれば、正直そんなにみんなの力が高くなくても物事は進んでいくものです。筆者の経験でもそうでした。
一方、その圧倒的リーダーであるワンマン経営者がいなくなった際に問題が生じます。組織の中には少なからずリーダーや決定権者が必要になります。そうでなければ物事が決まらず進まないからです。
そういう人がいなくなると、部長や課長といった役職の人たちが決定権者となって進めるしかありません。しかし、彼らは社長でも役員でもないため、ワンマン経営者の決定力が100だとすると、おそらく20程度の決定力しか持ち合わせていません。
私も幹部で部長職に値するポジションにいましたが、自分でも恥ずかしながら20程度だったと思っています。
このような状況では役割の所在が曖昧になってきます。部長や課長は20程度の決定力しか持っていないため、何か案が上がってきても、イエスかノーかをはっきり言えないことが多いのです。「一旦検討しよう」とか「ちょっとやってみよう」というような対応になります。
これ自体は悪いことではありませんが、以前は決定力100で「イエスならやろう」と進めていたものが、決定力20程度で進むことになるので成功確率も下がります。
「ちょっとやってみよう」という曖昧な姿勢では、機会損失が非ワンマン経営では起こりがちなので、意外にもデメリットになるのです。
自分はどちらの環境が良いか見極める
ワンマン経営も実は悪くないものだよ?なんてことを、筆者の実体験を通じて記載してきましたがいかがだったでしょうか?
ワンマン経営と検索すると、かなり否定的なことが多かったので、あえて自分の経験と照らし合わせて肯定する意見を書かせて頂きましたが、どっちが良いとか悪いとかは個人の判断でしかないと思っています。
筆者に関しては、明確な評価者がいた方が働きやすいと感じていたためワンマン社長肯定派になりますが、360度評価が増えていきているよう、納得感の方が重視される風潮も否定する気もございません。
この記事を見た1人でも多くの方が、ワンマン経営の良いところも感じつつ、自分には向いているのか?いないのか?、なんてことを考えるきっかけになれば筆者冥利に尽きます。
最後まで読んでいただきありがとうございました!