- 報告のタイミングがわからない人こそ、週次報告(チャットツールで良い)を週初めの12時までにする。と定例化することで解決する
- 報告は「仕事していないと思われたくない!」という防御策
- 悪い報告ほど早くするべき理由の1つは、上司からすると大したことがない失敗がほとんどだから
- 上司が忙しそうであれば、事前に「10分後に1分いいですか?」など連絡を入れれば煙たがられることはない
「報連相が大事なのはわかるけど、報告するタイミングがわからない」「忙しそうだから話しかけたら迷惑ではないか?」
こんな悩みを抱えながら仕事をしていませんか?報告の重要性なんて言われなくてもわかっているけど、いざ報告しようと思うと上司が忙しそうにしていたりで話しかけづらくて後回しにしてしまいがちですよね。筆者も多々あったので理解できます。
そんなあなたへ結論を述べますが、月曜日の12時までに週次報告を必ず毎週してください。1分も遅れずに毎週12時までに提出をすれば、この問題は解決に近づきます。チャットやメールでの連絡で構いませんから絶対にしましょう。
今日は、なぜそんなことを言い切れるか?というのを「報告しづらいな〜」と思っていた一般社員時代と、週次報告を徹底して行わせていた管理職の両方の経験があるからこそ言えるメリットや考え方について記事では書いていきます。
報告の基本的な考え方
なぜ報告が大事なのかについて、綺麗事として「報連相が重要」といった表現がよく使われますが、従業員やスタッフの立場から見ると、その本質は「仕事をやっていないと思われることを防ぐこと」にあります。このように報告を防御策として捉えることでより報告に対してポジティブな姿勢で取り組むことができます。
報告がきちんとできている人は、実力の有無に関わらず信用されやすい傾向があります。実務においては、センスや経験、今まで培ってきた能力といった目に見えない要素が少なからず重要になることは事実です。しかし、実力のある人だけが上司から信用されるわけではなく、どんなに実力があっても上司に信用されていない人は多くいます。
この差は、報告がきちんとできているかできていないかによるもので、「この人は実力があるのに、なぜ上に行かないのだろう」と思われる人を周りで見かけることがありますが、それは報告がきちんとできていないことや、そもそも信用がないことが原因です。
逆に、「この人はそんなに知識がないのに、なぜこんな立場にいるのだろう」なんて人に限って、報告や上司に必要なことを伝えるコミュニケーションがきちんと取れている傾向があります。とにかく嘘をつかず、信用を得ているがゆえに現在の立場にいるケースです。
このように、報告の本質的な目的はまずはきちんと信用を得ることにあると考えられます。
報告のタイミングがわからない人ほど週次報告をせよ
多くの人が報告に関して、「タイミングがわからない」「上司が忙しそうで話しかけづらい」「切り出し方がわからない」といった悩みを抱えています。確かに上司には忙しい時間もあり、報告をあまり歓迎しない人もいます。だからこそ、「報告の定例時間を決める」ことを必ず実行してください。
例えば、週次報告や日次報告の習慣がない会社でも、自主的に以下のような報告をすることをお勧めします:
- 業務の進捗状況
- 数値の動き
- 未達成の場合の対策
- 達成した場合の要因分析と横展開の計画
締めのタイミングは会社によって異なるかもしれませんが、週初めの12時(一般的には月曜日の12時)までに先週分の週次報告を提出することを推奨します。
数字をきちんとまとめ、決めた時間に必ず提出する定期業務とすることが大切です。報告のタイミングがわからない場合でも、この決まった時間があれば確実に報告ができます。
週次報告の例文
〇〇(上司)さんへ
お疲れさまです。
4月1週目の週次報告をお送りいたします。
不明点や追加で必要なタスクがございましたらお申し付けください◆実績
週間目標:100万円
週間実績:89万円
達成率:89%
差異:−12万円月間目標:400万
月間実績:89万
達成率:22%◆未達要因
- 週末の500円クーポンの使用率が目標に対して8割
- LINEからの流入数が前週比で-15%
- 商品Aの検索順位が週末1位から3位に下落したため
◆今週達成させるタスク
- LINEの登録者限定クーポンを発行し新規会員を増やす配信をする(配信用画像の作成)
- 商品Aの検索対策、商品ページのテキスト書き換え
- 商品Aの検索順位下落の調査→報告からタスクだしまで
◆達成させるための権限要求や相談
商品Aの検索順位下落を調べたら火曜日の12時までに報告いたしますのでフィードバックいただければ幸いです。
もし、広告費が必要な場合は、費用対効果を算出したのち利用の許可をいただきたいです。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
週次報告のメリット
1. 信用獲得
週次報告を確実に提出できることは、最低限週に1回は数字を確認ししっかりと考えて行動していることを証明できます。
2. 自己トレーニング:
- 週のタスクを前もって考える習慣がつく
- 課題を月曜午前中の時点で仮説立案できる
- 毎週同じ内容の報告はできないため、重要な指標や要因を見出す力が養われる
このようなトレーニングが自身の成長につながっていく
3.権限要求があればできない言い訳がなくなる
また、週次報告のフォーマットには「権限要求」という項目を設けることをお勧めします。この項目には、「新規の取り組みの許可申請」「広告費の増額依頼」などを記載します。特に売上が未達成の場合は、必ず権限要求を記載するルールを設けると良いでしょう。
これは、売上が達成できていない状況では、より多くの権限を要求し行動の幅を広げていく必要があるためです。権限がないから達成できないという状況は絶対に作らないでください。
4.他の報告もしやすくなる
週次報告を通じた定期的なコミュニケーションは、上司との関係を円滑にします。報告はチャットなどの一つの連絡手段で十分です。これにより自然と会話が生まれ、他の報告もしやすい関係が構築されていきます。
月曜日は上司も多忙なため、返信が夕方や夜になることも多いでしょう。その場合、こちらからの返信が火曜日になることもありますが、これはポジティブに捉えることができます。火曜日にも上司とコミュニケーションを取る機会が生まれるということです。
「先ほど話していた件についてなのですが〜」「月曜日に報告した内容に関して、月火の実績を見ると〜」といった前置きを置いた形で、週次報告を会話の基準として活用できます。
このように、週次報告には:
- – 会話のきっかけとなる
- 信用を獲得できる
- 「きちんと仕事をしている」という印象を与えられる
- 自身のタスク管理能力が向上する
といっったメリットがあるので、報告のタイミングに悩む人こそ、定期的な時間を決めて必ず週次報告を実施することをお勧めします。これにより、報告の質が向上し、上司との信頼関係構築にも繋がっていきます。時間を決めて定期的に報告することで、報告に対する不安や戸惑いも軽減されていくはずです。
悪い報告ほど早くしろ
悪い報告は隠したくなる気持ちは誰にでもありますが、むしろ悪い出来事ほど即座に報告することが重要です。ミスに気づいた際は、すぐに「申し訳ありません、〇〇というミスや出来事がありました」と報告しましょう。
その際、単に謝罪するだけでなく、
「このようなミスをしてしまいました。ただし、このように対応すれば回避できると考えているので、実証させていただきたいと思います。もし間違っていれば、ご指導ください」というように報告するのが効果的です。
解決策も併せて提示できれば問題に対して無責任に失敗を報告するだけでなく、建設的な方向に転換しようとしている姿勢を示すことができます。これも信用を得る重要な要素となります。
また、社員が重大だと感じているミスや失敗が、上司の視点からすると些細なことである場合も多々あります。筆者の管理職経験から言うと、「そんなことなら、こうすれば簡単に解決できる」というレベルの問題であることがほとんどでした。
そのような小さなミスを隠蔽することにストレスや時間を費やすよりも、素早く報告して解決を図る方が効率的です。上司も適切なアドバイスができますし、早期解決によって自分の時間も確保できます。さらに、悪い報告をきちんとする人ほど信用を得やすい傾向があります。
悪い報告は誰もが避けたがるものですが、だからこそ迅速に行える人は高く評価されます。悪い出来事の報告は、むしろ信頼を獲得するチャンスとして捉えることができるのです。
よくある報告関係の悩みの対処法
筆者も部下と報告について話すことがあるのですが、その時によく上がってくる質問に対してまとめさせていただきました。
1. 上司が忙しそうなときの対応
上司に話しかける際は、チャットツールなどで「10分ほどお時間よろしいでしょうか」といった一言を前置きすることをお勧めします。突然話しかけることでタイミングが悪いと思われる可能性があるため、事前に一声かけることが重要です。
その上で、話しかける際は「今お時間大丈夫ですか?」といった形で入ると、相手の時間へのリスペクトを示すことができます。
2. 複数の上司がいる場合の報告優先順位
複数の上司がいる場合でも、まずは自分の直属の上司(評価者)に報告することが基本です。例えば、自分は一般社員でマネージャー、課長、部長という階層がある場合、自分の直属の上司はマネージャーになります。
なので、基本的にはマネージャーに報告します。マネージャーを飛び越えて課長や部長に直接報告することは通常避けるべきです。
ただし、直属の上司で対応できない問題が発生した場合は、本来はマネージャーから課長、部長へと報告が上がっていくべきですが、自分で対応するように指示された場合は、課長、その次に部長という順序で報告していくことになります。
3. リモートワーク時の報告方法
基本的には連絡ツールを活用して報告することが効果的です。この場合も、上司が忙しそうなときと同様に、「今ご連絡してもよろしいでしょうか」といった一言を添えてから、オンライン通話などの時間を設定することをお勧めします。
ただし、上司が出社している場合は、完全在宅勤務は避けることをお勧めします。週に1、2回は会社に出社して、上司と直接顔を合わせる機会を作ることが重要です。
対面でのコミュニケーションには独自のメリットがあり、直接話すことでより効果的に伝わる内容も多いためです。また、週次報告の内容について直接話し合う時間を設けることで、評価や信用を得やすくなるというメリットもあります。

週次報告さえ定例化すれば解決!
ここまで上司への基本的な報告の考え方や定例会が大事という話しをしていきましたがいかがだったでしょうか?
文中には書いていますが、週次報告さえ毎週してしまえばこの問題はほぼ解決できるものだと筆者は思っております。
職場では管理職で上司と言われる立場の筆者ですが、週次報告さえちゃんとしてくれて、タスクの記載など内容が伴っている人であれば、まず「こいつ働いてなくね?サボってね?」なんて疑いを持つことはないです。
稀に、タスクにできもしない虚偽や、時間すらも守れないスタッフがいる場合は疑いを持って、別途話し合いの機会を持つこともありますが滅多にありません。
毎週、報告をしないといけないという良いプレッシャーによって、自然とさぼって力を発揮しなくなるようなネガティブな行動を取る人が減るものなのです。
この記事を見た1人でも多くの方が、上司への報告を工夫してみよう!週次報告を取り入れてみよう!なんて気持ちになっていただければ筆者冥利に尽きます。
最後まで読んでいただきありがとうございました!