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【目標制度がなくて不満】「ガチガチに厳しい」⇔「激ゆる」な管理を経験した筆者が伝える本音

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この記事を要約すると…
  • 明確な目標や目標制度が社内にあるに越したことはないし、ない環境では役割の所存が曖昧になる
  • 目標制度が弊害になるケースもある。達成のためにブランド価値を下げるセールの多投や、広告費のつぎ込みで利益率を圧迫するなど
  • 会社の目標という大きなものがなくても、上司から与えられた役割を徹底しようという目の前のことにフォーカスをすれば良い
  • 目標の達成、それまでの過程というのは実績として残せるので、キャリアアップを考えるのであれば高い目標を掲げつつ目標管理制度がある環境に行くのがベスト

「目標制度がなくてやりづらい」「どこを目標に仕事をしていけばいいのかわからない」

会社の目指すべきところがわからない状況は、自分が何のために働いているかさえわからず、やりがいにかけ不満が溜まりますよね。

ただ、結論から言うと会社という大きな目線ではなく、ひとまず目の前の上司に貢献しよう。言うことを聞いてやろう。

これだけでいいです。いくら尊敬できない上司だとしてもこれだけは徹底をしてください。

実際に筆者も、目標管理がガチガチにされている環境から、目標管理が撤廃されて緩い環境、というのを同じ職場で経験をしました。経営者が変わった日を境に、扱っている商品も仕事内容も同僚も変わらないのに、急に目標の制度が撤廃されたのです。

ただ、だからと言って会社に反発をしていても何も得はありませんし、目標がないから仕事ができないわけでもありません。

あるに越したことはないですが、ないにはないなりの理由があったり、ないからといってサボっていては何より自分のためにもなりません。

今日は2つの環境を経験した筆者だからこそ言える、目標制度の大切さの認識はもちろん、なぜ目標がないのか?その中でどう頑張っていくか?という話しを詳しく説明をしていきます。

目次

目標制度はあるに越したことはない

会社に明確な目標が存在しない環境では、私たち従業員は進むべき方向性を見失い業務評価の基準も曖昧になってしまいます。何を指標にすべきか、良い悪いの判断がつきづらい状況に直面することになります。

例えば、1日の売上目標が100万円と定められている場合、週間700万円の達成に向けて具体的な行動計画を立てることができます。平日の営業活動を最適化し土日の売上確保のための広告戦略を考えるなど、明確な目標があることで戦略的な思考が可能になります。また、その目標に対して、どの程度達成できているのか、何が不足しているのかを具体的に把握することができます。

しかし、組織目標が存在しない場合、本来なら100万円の売上を目指すべき状況でも50万円で満足してしまう社員が現れます。そのような社員に対して、上司も「努力が足りない」といった指導がしづらく、結果として手を抜く社員が増え組織全体のパフォーマンスが低下しかねないのです。

確かに、目標達成へのプレッシャーがない環境は、「給料さえもらえればよい」という考えの従業員にとっては居心地の良い職場となります。目標未達成による叱責もなく、「私は頑張っています」と自身の業務遂行を正当化しやすいでしょう。達成や未達成のレッテルを貼られることなく仕事を進められますし、ストレスだって少ない環境と言えるでしょう。

しかし、これは同時に給与昇給の基準も不明確になることを意味します。通常、売上目標の達成率などが評価基準となり、昇給やボーナスの額が決定されますから、目標制度がは従業員の待遇や地位の変動を決める重要な要素で、それがないことによって組織の健全な発展を妨げる要因となるのです。

明確な目標制度がない組織もある

会社の目標制度が明確でない組織も存在します。厳密に言えば経営陣の中では必ず何らかの目標が定められているものですが、それが全社員に共有されていないケースです。(売り上げも利益もいりません、なんて組織は存在しませんから…)

例えば、人件費削減という目標の場合を考えてみましょう。これは一般社員に伝えれば必ず反発を招く内容です。たとえ経営陣にそのような意図がなくても、「いずれ解雇されるのではないか」「給料が下がるのでは」といった憶測を招き、むしろモチベーションの低下や優秀な人材の流出といった逆効果をもたらす可能性が高くなるためです。

確かに、売上が伸びて人員を増やさなければ結果として人件費率は下がっていきますが、人件費削減が議題に上がる背景には、多くの場合売上が伸び悩んでいる現状があります。

このような状況下で人員削減を検討する場合、経営陣は明確な方針として社員に打ち出すことはまずないでしょう。日本の労働法制では会社都合での解雇は非常に困難ですから、自主退職を促すような間接的なアプローチを取らざるを得ません。こうした理由から、人件費率の削減目標は一般社員には通達されず経営陣の中だけで共有される目標として扱われることが多いのです。

売上目標についても同様のことが言えます。多くの会社では売上目標を掲げていますが、具体的な数値を明確に設定していない組織も存在します。経営陣の中では「このくらいの利益を出したい」という目標があっても、それを全社で共有することで生じる弊害を懸念し、あえて明確な数値目標を設定しないケースもあるのです。

経験談(目標制度が弊害に働いたケース)

筆者は同じ会社で、目標管理が厳格な時期と緩やかな時期という、対照的な二つの状況を経験しています。この変化は企業買収による経営者の交代がきっかけでした。

当初は社長のワンマン経営のもと社長が掲げた目標の達成に向けて厳格な管理体制が敷かれていました。担当業務も明確に分かれており、目標未達成の際は、「なぜ達成できていないのか」「どうすれば達成できるのか」を上司や同僚と議論し、解決策を見出していく環境でした。

目標を達成できない社員は精神的にネガティブになり、特段提供する商品/ブランドへの愛が強い社員でもない限り最終的に退職を選択する傾向にありました。しかし、明確な数値目標があることで売上は着実に伸び続けましたし、厳しい数字に不満を漏らす社員はいたものの会社としては理想的な形だったと考えられます。

一方、経営者交代後は目標管理制度が大幅に緩和されました。「みんなで売り上げを上げていこう」という明確な指標は出さない方針のもと、業務の属人化を避けるため、担当は緩やかに設定されるようになりました。

しかし、この変更により「この案件の担当は誰か」「この数字の責任は誰が持つのか」という混乱が生じ、売上も徐々に下降していきました。責任の所在が曖昧になったことで当事者意識を持つ社員も減少していったのです。

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ただし、ここで目標管理制度の弊害も経験することになります。

例えば、月間売上1億円という目標がある場合、達成のために過度な広告費を投入したり、急激な割引セールを実施したりする事態が発生します。短期的には売上は上がりますが、広告費の増加は利益を圧迫し頻繁な割引は商品の価値を下げることにつながります。

定価1000円の商品を800円で販売すれば、消費者の認識する商品価値は800円に下がってしまいます。夏/冬のボーナス時期など季節的なセールは一般的ですが、目標達成のために毎月のようにセールを実施すれば、ブランド価値の低下を招き企業は自ら首を絞めることになります。

これは目標制度があるがゆえの弊害といえます。目標達成に追い込まれると、即効性のある施策を選びがちで、中長期的な視点が失われやすくなります。いわば「麻薬のような」即効性重視の対策に依存してしまう危険性があるのです。

筆者の経験では、目標管理制度がある方が業務はしやすく目指すべき数字も明確でした。しかし、制度が緩和された時期は、売上こそ伸び悩んだものの、利益率が改善され結果として手元に残る利益は大きく変わらないということも起きました。正直驚きしかなかったです。

このように、目標制度は組織にとって重要ですが、それがもたらす弊害も考慮する必要があります。業種や状況によっては、あえて明確な目標設定を行わない会社には、何か事情があることを汲んであげるのも重要なんだと思います。

納得できなくても組織の方針に従うのが一番

組織には目標があることが望ましいものの、最も重要なのは所属する組織の方針に従い上司から与えられた役割を全うすることです。たとえ明確な目標が設定されていない組織であっても、新入社員や中途入社の初日でない限り日々の業務内容が全く決まっていない、わからないなんてことはまずありません。

どのような組織でも、明確な担当制がなくとも各人に何らかの役割は必ず与えられています。それは主に上司から示される指示であり、上司の指示に従って業務を遂行することが組織における基本的な行動指針となります。一般社員であれば、自分の評価者である直属の上司だけを見て、その上司にいかに貢献できるかを考えることで十分です。

会社の方向性や目標といったやや大きすぎる視点を意識しすぎることで、「会社の目標が不明確でやりづらい」といった不満を抱えてしまうのです。日本に住みながら世界各地で起こる紛争に心を痛めたとて、明日急に全部の紛争が終わることはまず難しいです。願うのは大切ですが、そこばかりに気を取られているわけにもいきませんし、まずは自分の目の前の生活の方が重要でしょう。

たとえ上司を尊敬できない場合でも、その人があなたの評価者である事実は変わりませんから、上司という存在だけに焦点を当てて仕事をすることで不必要な悩みから解放されます。会社の目標達成や会社への貢献を意識することは素晴らしい心がけですが、一般社員が「売上1000億円の会社を2000億円にする」といった大きな目標を掲げても、個人の力では限界があります。

まずは目の前の上司を見つめ、その人から与えられた役割をしっかりと果たすことに注力しましょう。目標の有無にかかわらず組織や上司の方針に従うことを第一に考え、日々の業務に取り組むことが望ましい姿勢といえます。

どうしてもやりづらい場合は環境を帰ることを考える

目標がない職場環境に対する受け止め方は人によって大きく異なります。目標がないことで働きやすさを感じる人もいれば、明確な目標があった方が仕事へのモチベーションが高まる人もいます。ただ、キャリアアップを目指す人にとっては高い目標を掲げて挑戦できる環境を選択するに越したことはないでしょう。

そのため、もし現在の会社でそれが望めないのであれば環境を変えるという選択も必要になってきます。

筆者自身もその選択をするため、6年間勤めた会社を退職し新たな環境に移ることを決意しました。現在の会社では目標管理制度が緩和され、その結果として利益率の改善や業務の属人化防止など良い面も確かにありました。しかし、30代前半という年齢で、まだまだプレイヤーとして高い目標に向かって突き進みたいという思いが捨てきれずの選択です。現在の会社には愛着があり、同僚も事業も経営陣も大好きな存在なので悲しさしかないのですが致し方ありません。

価値観は人それぞれですから、会社に愛着があって同僚ともうまくいっていれば十分だと捉える人も多いでしょう。職場環境の評価項目が10項目あった場合、8項目が満たされていれば十分と考える人もいれば、全項目の達成を求める人もいます。また、5項目の充足で満足する人もいます。

そんな中で重要なのは、自分がどこまで妥協できるのか、何を最も重視するのかを整理することです。特に、キャリアの成長を重視する人にとって、目標達成とその過程は重要な意味を持ちます。

「5000万円の売上を1億3000万円まで伸ばし、達成率130%を半年で実現した」といった具体的な数字で示せる実績は、現在の会社での評価向上だけでなく、将来のキャリアアップや転職時にも大きな強みとなります。職務経歴書に具体的な数字として記載でき、転職面談でも明確な実績として説明することができるためです。目標に対して何をやり、どのような成果を上げたのかを具体的に示せることは、キャリア形成において立派な武器です。

そのため、特にキャリアアップを目指す人には、明確な目標管理制度がある環境の方が適していると筆者は考えています。

この記事を読んでくれた1人でも多くの方が、自分が働く環境や自分が求めるものを考えるきっかけになれば筆者冥利に尽きます。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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