MENU

人の話ばかりで前に進まない組織。数字ベースの会議に変える2つの方法

  • URLをコピーしました!
この記事を要約すると…
  • 人の話ばかりする組織は弱い。感情論は楽だが、本来ビジネスは数字と事実で語るべき
  • 論点が「人」になると正解がなく、決定が遅くなり、物事が前に進まない
  • 強い組織はPDCAサイクルで定量的・事実ベースの議論をしている
  • 人の話が多い組織ほど仕事が属人化し、「あの人じゃ無理」という空気が蔓延する
  • 対策①はっきり「事業の話がしたい」と伝える。対策②議事録フォーマットを決めて数字ベースの会議に誘導する
  • 社風は一人では変えられない。変わらないと感じたら環境を変えるのも正しい選択

「会議の議題は事業のはずなのに、気づけば〇〇さんがどう思ってるかの話ばかり…」「数字の話をしたいのに、いつも感情論や忖度の話にすり替わる」

こんな状況に悩んでいませんか?会議室で繰り広げられる「あの人はどう感じるか」「上がどう思うか」といった人の話ばかりで、肝心の事業課題が一向に解決しない。そんな組織で働くのは、正直かなりしんどいですよね。

私自身、大手ベンチャーで役職者として働く中で、様々な組織を見てきました。そして確信していることがあります。人の話ばかりする組織は、間違いなく弱いということです。

なぜ弱いのか?どうすれば変えられるのか?この記事では、事業を前に進めるために必要な視点と、具体的な対処法をお伝えします。向上心のあるあなたなら、きっとこの状況を変えるヒントが見つかるはずです。

目次

なぜ「人の話ばかりする組織」は弱いのか

感情論は楽だが、仕事ではない

まず大前提として理解すべきは、人の話は感情論でできてしまうため、非常に楽だということです。

「あの人ってこうだよね」「自分はこう思う」「あの人がこうだからできない」

こういった会話は、事実や数字と向き合う必要がありません。気持ちの問題で完結してしまうんです。だから楽なんですよ。誰でもできる。

しかし本来、ビジネスというのはもっとシンプルです。

例えば私が働く通販業界で言えば:

  • 「今これが売れてるから利益率が悪くなっている」
  • 「売上が上がってない原因は、2回目・3回目のリピート購入が少なくなっているのではないか」
  • 「1回目から2回目の購入率が10%だから、15%にするには何をすべきか」
  • 「20%まで上げられれば、3回目購入も10%残ってくれて全体が改善するはず」

こういう数字の話、仕組みの話こそが本来メインであるべきなんです。事業の構造を理解し、そこに対してどんなアクションを変えていくか。これが組織で議論すべき論点のあるべき姿です。

人の話には正解がない

論点が「人」になると、話は前に進みません。なぜか?そもそも正解がないからです。

性格やバックグラウンドは人それぞれ。「この人に対してどう思うか」に正解なんてありません。

私の周りにも実際にいます。すごく嫌われている人が。本当に嫌われすぎて、パワハラだセクハラだと話題になるくらい。多数決的に嫌いな人が多いから、そういう評価になってしまうわけです。

でも、私から見たら?確かに古い体質だなと思う言動はある。それは否めない。ただし、一緒に事業をやる仲間としては、すごく心強い人なんですよね。だから私はその人に対してポジティブな印象を持っています。

つまり、誰かにとっては非常に良い人であり、誰かにとってはネガティブな人。結局、人の話には正解がないんです。

決定が遅くなり、物事が前に進まない

論点が人になると、もう一つ重大な問題が起きます。決定が遅くなるんです。

数字だったら明確です。上がったか、下がったか。これは定量的な事実なので、見れば分かります。「私はこう思います」といった主観的な話ではなく、客観的な事実として判断できる。

だから話の論点が定量的な数字ベースで進んでいけば、決定は早い。上がったらOK、下がったらダメ。シンプルです。

しかし人の話になると、正解がないがゆえに延々と議論が続きます。結論が出ない。アクションが決まらない。そして何も変わらない。

これが「人の話ばかりする組織」が弱い最大の理由です。

強い組織は何を話しているのか

PDCAサイクルで事実ベースの議論をする

では、強い組織は何を話しているのか?

答えは明確です。定量的であり、事実ベースでの話をしています。

  • 何が起きているか(現状把握)
  • なぜそうなっているか(原因分析)
  • 次に何を変えるか(アクションプラン)

基本的にはPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)で話が進みます。

ここをはき違えると、どうなるか?

ただただ人の話をして論点をずらす。数字と向き合わずに済む。人の話をすることで仲間ができて、それに甘んじる組織ができる。こんな悪循環が起きるわけです。

仕事の属人化が進む悪循環

人の話が多い組織ほど、仕事が属人化します。

「あの人じゃ無理」「〇〇さん系だから振れない」

こんな話が平気で出てくる。人にフォーカスしすぎるあまり、仕事の中身ではなく、「誰がやるか」ばかりが議論になってしまうんです。

本来は仕組みを作り、誰でもできる状態を目指すべき。しかし人の話ばかりする組織では、それができません。結果、特定の人に仕事が集中し、組織全体の生産性が下がっていきます。

人の話ばかりする人・組織への具体的対処法

対処法①:はっきり「事業の話がしたい」と伝える

まず一番効果的なのは、正直にはっきり伝えることです。

「ごめんなさい、ちょっと事業の話をしたいんですけど、事業的に詰まってる点はありますか? あの人以外のところであれば嬉しいです」

こう言い切ってしまうのが一番です。遠回しに言っても伝わりません。向上心のあるあなたなら、これくらいはっきり言えるはずです。

相手がどう思うか気にしすぎる必要はありません。事業を前に進めたいという正当な理由があるのですから。

対処法②:議事録のフォーマットを決める

もう一つの効果的な方法は、こちらが議事録のフォーマットを決めてしまうことです。

多くの会社では、会議のフォーマットがフリーになっています。だから人の話が多い人は、フリーフォーマットだと人の話ばかり持ってきてしまう。

では、どんなフォーマットを設ければいいか?例えばこんな感じです:

【議事録フォーマット例】

  1. 数字目標に対しての達成度
    • 現状の数値を明確に記載
  2. 達成できた理由 OR 達成できていない理由
    • 事実ベースで分析
  3. 次回のアクション
    • 達成できた場合:この状態を保つための施策
    • 達成できていない場合:改善するための具体的施策
  4. この会議で決まったアクション(期日付き)
    • 誰が、いつまでに、何をするか明確化
  5. 【補足】組織・人事の問題があれば
    • 退職による引き継ぎ、ハラスメント問題など、必要に応じて

このフォーマットを設ければ、基本的に人の話がメインになることはありません。

もちろん、「誰々が辞めるから引き継ぎどうしよう」とか「あの人のパワハラ気味な言動で誰かが病んでる」といった人事問題は絶対にあります。だから5番目に補足として設けるのは良いんです。

でもメインは1〜4番の事業・数字の話。このフォーマットがあれば、人の話に脱線しにくくなります。

それでも変わらない組織はどうするか

社風は一人では変えられない

ここまで読んで、「いや、とはいってもね…」と思う方もいるでしょう。

正直に言います。こういうのは組織に根付いている特徴、社風みたいなものなんです。

政治的な動きが多い組織を、一人で解決するのは難しい。本当に難しいです。

できることは、一人一人、一つ一つ変えていくこと。地道に、諦めずに。

でも、それでも限界はあります。

環境を変えることも正しい選択

社風を変えるのは、自分一人では難しい。これは事実です。

もし「変わらないな」となんとなく思ったタイミングがあれば、自分自身が環境を変えるのが一番良い選択だと私は思います。

向上心のあるあなたが、人の話ばかりして前に進まない組織で消耗する必要はありません。数字と事実で話せる、強い組織は必ず存在します。

自分の成長を優先するという判断も、時には必要です。

まとめ:事業を前に進める組織で働こう

人の話ばかりする組織は弱い。これは紛れもない事実です。

感情論は楽ですが、ビジネスではありません。本来、組織で議論すべきは数字であり、事実であり、次のアクションです。

もしあなたが今、人の話ばかりする組織で困っているなら:

  1. はっきり事業の話がしたいと伝える
  2. 議事録フォーマットを決めて数字ベースの会議に誘導する
  3. それでも変わらなければ、環境を変えることも選択肢に入れる

向上心のあるあなたなら、必ず道は開けます。

この記事を読んだ1人でも多くの方が、人の話ばかりする組織から抜け出し、事業を前に進める環境で働けるようになれば、そして職場での悩みが1つでも減れば、筆者冥利に尽きます。

最後まで見ていただき、ありがとうございました!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次