- 職場における上司の贔屓は、資本主義社会においては当たり前に起こる現象である
- 収入や税金の支払い額が人によって違うように、職場での扱いが平等でないのは自然なこと上司は組織のために動いてくれる人を優先するのが当然であり、それは差別ではなく合理的な判断
- モチベーションを会社や上司に上げてもらおうとする考え方自体が間違っている
- 贔屓が気になるなら、贔屓されている人を研究して自分も贔屓される側になる努力をすべき
- 男女間でも贔屓は起こり得るが、異性間では100%同じ対応は難しいと理解するのが現実的
「上司が特定の部下ばかり贔屓している」「自分は正当に評価されていない」
こんな不満を抱えながら、毎日会社に通っていませんか?同じように頑張っているのに、特定の人ばかりが優遇されている状況に納得できない気持ち、よくわかります。
しかし、厳しいことを言いますが、職場における贔屓は当たり前に存在するものです。むしろ、贔屓が存在しない職場の方が珍しいでしょう。
筆者自身、大手ベンチャーで役職者として働く中で、贔屓する側・される側の両方を経験してきました。さらに、女性が9割を占める会社で1割の男性として働いた経験もあり、男女間の贔屓についても実体験として理解しています。
そんな経験から断言できるのは、「贔屓に不満を言っている暇があったら、贔屓される側になる努力をしろ」ということです。
この記事では、なぜ職場で贔屓が起こるのか、そして贔屓に対してどう向き合うべきかを、リアルな視点でお伝えしていきます。耳の痛い話もあるかもしれませんが、向上心のあるあなたにこそ読んでほしい内容です。
贔屓は資本主義社会における当然の現象
まず大前提として理解すべきなのは、この世界において「みんな平等」なんてものは存在しないということです。
考えてみてください。私たちの収入は人によって違います。税金の支払い額も違います。これは差別でしょうか?いいえ、違います。これが資本主義社会の仕組みなのです。
ポジティブに捉えれば、優秀な人は富をはじめ多くのものを得やすい。逆の人は得られるものが少ない。もちろん、富が少ないから悪いとも限らないという前提は置いておきますが、この構造自体は資本主義の根幹です。
職場における贔屓も、まったく同じ構造です。上司にだって好みがあります。そして、組織のことを真剣に考えれば考えるほど、組織のために動いてくれる人を優先しがちになるのは、極めて真っ当な話なのです。
仕事にやる気がない人より、仕事にやる気がある人が優先されるのも当然です。これを「贔屓だ」と批判するのは、的外れと言わざるを得ません。
上司の立場から見た贔屓の合理性
ここで、少し視点を変えて上司の立場で考えてみましょう。
上司には組織を成長させる責任があります。売上を上げ、利益を出し、会社を存続させなければなりません。そのためには、限られたリソースを最も効果的に配分する必要があります。
そんな中で、上司が優先するのは誰でしょうか?
- 組織のために自発的に動いてくれる人
- 成果を出してくれる人
- チームの雰囲気を良くしてくれる人
- 信頼できる人
これらの条件を満たす人を優先するのは、差別でも何でもありません。組織のマネジメントとして、極めて合理的な判断なのです。
逆に言えば、これらの条件を満たしていない人が「贔屓されていない」と感じるのは、ある意味当然の結果です。
「会社がモチベーションを上げてくれない」という甘え
贔屓に不満を持つ人に限って、よくこんなことを言います。
「会社や上司がモチベーションを上げてくれない」
これ、はっきり言いますが完全に甘えです。
考えてみてください。あなたは自分が入りたくて今の会社に入ったはずです。生活も一定層安定して、毎月決められた給料が入ってきて、仕事もある。この状態で「会社がモチベーションを上げてくれない」と言う方がおかしいのです。
モチベーションを上げることは、会社の仕事ではありません。会社の仕事は、市場で生き残り、売上・利益を上げることです。それによって、働いてくれる人や取引先、お客さんなど、関わってくれる人たちに良い影響を与えることです。
あなたのモチベーション管理は、あなた自身の仕事です。会社や上司に依存している時点で、プロフェッショナルとは言えません。
不満があるなら環境を変える努力をすべき
ここまで読んで、「じゃあ、贔屓される側になれない自分はどうすればいいんだ」と思った方もいるでしょう。
答えは2つです。
1. 贔屓される側になる努力をする
贔屓されている人を観察してください。なぜその人は贔屓されているのでしょうか?
・上司とのコミュニケーション方法 ・仕事への取り組み方 ・成果の出し方 ・チームへの貢献の仕方
これらを研究し、自分も同じように行動すればいいのです。これは決して上司に媚びを売るという話ではありません。組織に貢献する方法を学び、実践するということです。
2. 環境を変える
仮に、今の会社から得られるものが少ないと感じるなら、辞めればいい話です。会社に強制力はありません。不満があるなら、他に行けばいいのです。
ところが、多くの人は「そこにしかしがみつけない」状態なのに文句を言います。これはおかしな話です。本当に不満なら、転職活動をするなり、スキルアップするなり、環境を変える努力をすべきです。
行動せずに文句だけ言うのは、最も生産性のない行為です。
男女間の贔屓についての現実的な理解
贔屓の問題は、男女間でも起こり得ます。
よく「女性の部下には優しい男性の上司」という構図が問題視されますが、これは事実として起こることであり、ある程度は致し方ないと思います。
なぜなら、異性に対して100%同じ対応をするのは、人間である以上、極めて難しいからです。
筆者自身、女性が9割を占める会社で1割の男として働いた経験がありますが、このケースでも同じことが起こりました。女性は女性に対しては強く言えるが、男性に対しては強く言えない、といったケースが普通に存在したのです。
男性が上司の場合、「あいつは女を利用して…」なんて女性の部下側が批判を受けるケースが目立ってしまいますが、逆の環境でも起きるのです。
だからこそ、異性間だからしょうがない、と理解するのが手っ取り早いのです。これを完全になくそうとするのは、理想論であり、現実的ではありません。
むしろ、その構造を理解した上で、自分がどう行動するかを考える方が建設的です。
贔屓される側になるための具体的なアクション
では、実際に贔屓される側になるためには、何をすればいいのでしょうか?
上司の求めているものを理解する
上司が何を重視しているのかを観察しましょう。成果?プロセス?コミュニケーション?それぞれの上司によって重視するポイントは違います。
組織への貢献を可視化する
自分の仕事が組織にどう貢献しているかを、言語化して伝えましょう。黙っていても伝わりません。
信頼を積み重ねる
約束を守る、期限を守る、報連相を徹底する。こうした基本的なことの積み重ねが信頼につながります。
自発的に動く
指示待ちではなく、自分から課題を見つけて動く姿勢を見せましょう。これが最も評価されます。
これらは決して難しいことではありません。しかし、多くの人がやっていないことでもあります。だからこそ、これらを実践するだけで、あなたは「贔屓される側」に近づけるのです。
贔屓を受け入れることが成長の第一歩
厳しいことを繰り返し言いますが、贔屓は存在します。そして、それは悪いことではありません。
むしろ、贔屓が存在するからこそ、努力した人が報われる仕組みが機能するのです。もし本当に完全な平等を目指すなら、それは共産主義の世界です。そして、私たちはその世界が機能しないことを歴史から学んでいます。
贔屓に不満を持つのは簡単です。しかし、そこで立ち止まっていても何も変わりません。
大切なのは、贔屓という現実を受け入れた上で、自分がどう行動するかです。
贔屓される側になる努力をするのか、環境を変える努力をするのか。どちらを選ぶにせよ、行動することが重要です。
文句を言っているだけでは、何も変わりません。そして、変わらない環境で不満を抱え続けるのは、時間の無駄です。
あなたの人生は有限です。その貴重な時間を、不満に費やすのではなく、成長に使ってください。
贔屓される側になるために今日から何か一つでも行動を起こす。それが、あなたのキャリアを変える第一歩になるはずです。
まとめ
職場における贔屓は、資本主義社会においては当たり前に存在する現象です。上司にも好みがあり、組織のために動いてくれる人を優先するのは極めて合理的な判断です。
贔屓に不満を持つ前に、なぜ贔屓されている人が贔屓されるのかを研究し、自分も贔屓される側になる努力をしてください。それが嫌なら、環境を変える努力をすべきです。
どちらにせよ、文句を言っているだけでは何も変わりません。行動することが、すべてです。
この記事を読んだ1人でも多くの方が、贔屓という現実を受け入れ、その上で自分のキャリアを前進させるための一歩を踏み出し、職場での悩みが1つでも減れば筆者冥利に尽きます。最後まで見ていただき、ありがとうございました!
