- 責任を分担すればするほど、成果も評価も薄まってしまう
- 「みんなでやろう」という聞こえの良い言葉は、実は誰も本気にならない構造を作り出している
- 責任が分散すると、失敗のリスクも評価も等分されるため、個人の成長機会を失う
- 真に評価される人は、80%以上の責任を自分で背負い、明確に旗振り役を担う人
- メンバー集めは「みんなでやりましょう」ではなく、「あなたにこのポジションをお願いします」と指名する形が正解
- 決断力と責任感を持って行動する人こそが、組織で評価され出世していく
「プロジェクトを任されたけれど、失敗が怖くてつい周りを巻き込んでしまう」「責任を負うのが重くて、チームで進めることばかり考えてしまう」
こんな悩みを抱えながら仕事をしていませんか? 確かに「みんなでやろう」という言葉は聞こえが良く、失敗のリスクも分散できそうで安心感があります。
しかし、これこそが出世できない人の典型的な思考パターンなのです。
筆者は大手ベンチャーで役職者として働く中で、責任を分散させることの弊害を何度も目の当たりにしてきました。「チームで決めたから」という言葉のもとで、誰も本気にならず、成果が出ても評価が分散され、結局誰の実績にもならない──そんな光景を数え切れないほど見てきたのです。
一方で、圧倒的な責任感を持って「自分がやります」と決断し、旗振り役を担った人だけが、確実に評価され、キャリアを築いていきました。
この記事では、なぜ決断できる人だけが出世するのか、そして責任を背負うことがいかに重要かを、筆者の経験を交えながら徹底的に解説していきます。「責任を負うのは怖い」と思っているあなたにこそ、読んでいただきたい内容です。
「みんなでやろう」の危険性──聞こえは良いが、誰も本気にならない構造
職場でよく聞く言葉があります。
「このプロジェクト、みんなで一緒にやろう!」 「チーム一丸となって頑張ろう!」
この言葉、確かに聞こえは良いですよね。一体感があって、失敗しても「みんなで決めたことだから」という言い訳も用意できます。
でも、ここに大きな落とし穴があるのです。
実は「みんなでやろう」という言葉が出た瞬間、そのプロジェクトの成功確率は下がります。なぜなら、責任の所在が曖昧になり、誰も本気にならないからです。
例えば、5人でプロジェクトを進めるとしましょう。本来100%あるべき責任が、20%ずつ5人に分散されます。すると、各メンバーの責任感は20%になるのです。
20%の責任感で、誰が本気になれますか? 誰が「これは絶対に成功させなければならない」と尻に火がつくでしょうか?
答えは「誰もならない」です。
責任が分散されているから、失敗しても「まあ、みんなで決めたことだし」と自分を正当化できます。成功しても、評価は5等分。自分の実績として大きく評価されることもありません。
これが「みんなでやろう」の正体なのです。
責任の分散がもたらす3つの弊害
責任を分散させることには、明確な弊害があります。
1. 誰も本気にならない
先ほども述べたように、責任が分散されると、各メンバーの責任感も分散されます。「自分一人が頑張らなくても、誰かがやってくれるだろう」という心理が働くのです。
結果として、誰も本気で取り組まず、プロジェクトは中途半端な結果に終わります。
2. 評価が分散される
仮にプロジェクトが成功したとしても、評価は参加したメンバー全員に分散されます。
あなたが実際には80%の貢献をしていたとしても、「チームの成果」として処理され、あなた個人の評価は大して上がりません。
これでは、どれだけ頑張っても報われないのです。
3. 決断力が育たない
「みんなで決めよう」という文化の中では、誰も決断をしません。常に周りの意見を伺い、合意形成を優先します。
しかし、これではいつまで経っても決断力が身につきません。そして、決断力がない人は、出世できないのです。
責任を集中させることの圧倒的メリット
では、責任を分散させるのではなく、集中させるとどうなるのでしょうか。
筆者の経験上、責任を一人に集中させる(例えば、一人が80%、残りの4人で20%を分け合う)構造の方が、圧倒的に成果が出ます。
メリット1:本気度が違う
80%の責任を負う人は、もう後がありません。「これは絶対に成功させなければならない」という強い動機が生まれます。
尻に火がついた状態で、全力で取り組むのです。その本気度は、チーム全体にも伝染します。
メリット2:評価が集中する
プロジェクトが成功した時、80%の責任を負っていた人には、それに見合った評価が与えられます。
「あの人が旗振り役をやったから成功したんだ」と誰もが認識するのです。これが、出世につながる実績になります。
メリット3:決断力が磨かれる
責任を背負う立場になると、嫌でも決断を迫られます。「これで進めます」と宣言しなければならないのです。
この経験の積み重ねが、決断力を磨きます。そして、決断力のある人こそが、組織で重宝され、出世していくのです。
メンバーの集め方が全てを決める──「指名」という責任
ここで重要なのが、メンバーの集め方です。
多くの人は、こう言います。
「このプロジェクト、一緒にやってくれる人を募集します! 誰でも歓迎です!」
これは最悪の集め方です。なぜなら、責任の所在が最初から曖昧だからです。
正しい集め方はこうです。
「このプロジェクトのデザイナーポジションが必要です。Aさん、あなたにお願いできませんか? 責任は私が全て取ります」
この違いが分かりますか?
「指名する」という行為には、指名した人の責任が伴います。もしAさんが期待通りの働きをしなかったら、「なぜAさんを指名したんだ」と自分が責められるのです。
だからこそ、真剣に人を選び、真剣に依頼します。そして、その覚悟が相手にも伝わり、チーム全体が引き締まるのです。
一方、「誰でもいいから来てください」というスタンスでは、誰も本気になりません。指名されていないから、自分事として捉えられないのです。
責任を背負う覚悟がある人は、必ず「指名」という形でメンバーを集めます。そして、その決断の積み重ねが、信頼と評価につながっていくのです。
失敗を恐れるな──挑戦しない方がよほどリスクである
ここまで読んで、「でも、責任を背負って失敗したらどうするんだ」と思った方もいるでしょう。
確かに、失敗のリスクはあります。しかし、考えてみてください。
失敗を恐れて何もしない人と、失敗覚悟で挑戦した人、どちらが評価されますか?
答えは明白です。挑戦した人です。
なぜなら、挑戦しない人は「本当に仕事しているのか?」と疑われるからです。何も成果を出していない、何も挑戦していない──これほど評価を下げることはありません。
一方、失敗したとしても、「あの人は責任を持って挑戦した」という事実は残ります。そして、失敗から学び、次に活かす姿勢を見せれば、むしろ評価は上がるのです。
失敗するか成功するかなんて、やってみなければ分かりません。そして、失敗する確率よりも、成功する確率の方が高いのです(適切な準備をすればですが)。
だからこそ、まずは「自分が責任を持ってやります」と決断することが重要なのです。
決断力と責任感が出世の絶対条件である理由
ここまでの内容をまとめましょう。
出世する人には、共通点があります。それは「決断力」と「責任感」です。
決断力がある人は、「これで進めます」と明確に宣言できます。周りの意見に流されず、自分の判断で物事を前に進められるのです。
責任感がある人は、「責任は私が取ります」と言えます。失敗のリスクを引き受け、成果も自分のものにする覚悟があるのです。
この二つを兼ね備えた人が、組織で評価され、出世していきます。
なぜなら、組織はそういう人を必要としているからです。誰かが旗振り役にならなければ、物事は前に進みません。誰かが責任を背負わなければ、全員が逃げ腰になります。
だからこそ、決断力と責任感のある人は、組織にとって貴重な存在なのです。そして、貴重な存在だからこそ、高く評価され、出世していくのです。
今日から実践できること──「私がやります」と宣言せよ
では、具体的に何をすればいいのでしょうか。
答えはシンプルです。次に何かプロジェクトや課題が出てきたら、こう言うのです。
「私がやります」
たったこれだけです。でも、この一言を言える人が、驚くほど少ないのです。
多くの人は、「みんなでやりましょう」「一緒に考えましょう」と言って、責任から逃げます。でも、あなたは違います。
「私がやります。責任は私が取ります。メンバーは私が指名します」
こう宣言してください。そして、本気で取り組んでください。
最初は怖いかもしれません。失敗したらどうしようと不安になるかもしれません。
でも、大丈夫です。挑戦したこと自体が評価されます。そして、一度でも成功すれば、それがあなたの実績になります。
責任を背負い、決断する。この繰り返しが、あなたのキャリアを作っていくのです。
まとめ:責任を背負う覚悟が、あなたの未来を変える
ここまで、決断できる人だけが出世する理由について解説してきました。
重要なポイントをもう一度整理します。
- 責任を分散させると、誰も本気にならず、評価も分散される
- 責任を一人に集中させることで、本気度が上がり、評価も集中する
- メンバー集めは「指名」という形で、自分の責任を明確にする
- 失敗を恐れるよりも、挑戦しない方がよほどリスクである
- 決断力と責任感が、出世の絶対条件である
「責任を背負うのは重い」と感じるかもしれません。でも、その重さこそが、あなたを成長させるのです。
責任から逃げていては、いつまで経っても評価されません。決断から逃げていては、いつまで経っても出世できません。
今、あなたの目の前にチャンスがあるはずです。小さなことでも構いません。「私がやります」と手を挙げてください。
その一歩が、あなたのキャリアを大きく変えることになるでしょう。
この記事を読んだ1人でも多くの方が、責任を背負う覚悟を持ち、決断する勇気を得て、キャリアの悩みが1つでも減れば筆者冥利に尽きます。最後まで見ていただき、ありがとうございました!
