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多様性という言葉に甘えるな。会社員が勘違いしている「個の尊重」の真実

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  • 「多様性」という言葉が広がり、個の尊重が叫ばれる一方で、組織への貢献を忘れた会社員が増えている現実がある
  • パレートの法則が示すように、上位2割の社員が組織の成果の大部分を生み出しており、全員に等しく価値があるわけではない
  • 新入社員は「期待されている」と勘違いし、既存社員は「長くいるから尊重される」と油断しがちだが、どちらも間違いである
  • 実力があっても感情で仕事のパフォーマンスが変わる社員は、組織として重要なポジションに置けないという事実がある
  • 個を尊重されたいなら自分で起業すればいい。会社員である以上、まず組織への貢献が最優先である

「多様性」という言葉が叫ばれ始めてから、会社員の働き方や組織のあり方が大きく変わってきました。

「それぞれの意見を尊重しよう」「多様性の世の中だから受け入れなければならない」

そんな雰囲気が職場に広がっていることは、皆さんも感じているのではないでしょうか。

その結果として、部下を叱ることができない上司、上司側から積極的にコミュニケーションを取らなければならないという風潮、そしてワークライフバランスを何よりも優先しようとする動き。これらが職場に起きている現実です。

聞こえは良いですし、筆者自身もこれらが悪いことだとは思いません。これによって本当に全員が幸せになれるのであれば、それで良いと思っています。

しかし、実際にはどうでしょうか?筆者の答えは「NO」です。ここからは、あくまで大手ホワイトメガベンチャーに勤める一般的な会社員である筆者の考えと経験をもとに、記載させていただきます。

目次

「全員に価値がある」という幻想

まず、多様性のもとで全員に価値があり、それぞれを受け入れようという習慣についてですが、仕事をしている中でそれぞれに役割があることは当たり前です。しかし、本当に全員に等しく価値があるのでしょうか?これには疑問を感じています。

パレートの法則が示す残酷な現実

いわゆる「2:8の法則」と言われるように、売上の8割を上位2割の社員の努力で作っているというのは、多くの組織で当てはまる事実でしょう。働き方についても同様です。上位2割の社員が本当に会社のことを思い、真面目に働いてくれる人たちであり、残りの8割全員とは言わないものの、実際には就業時間中さえ会社にいて、言われたことをやっていればいいという考えの人も存在しています。正直に言えば、辞めても会社に大きなダメージがないような人です。

残酷な現実だと思われるかもしれませんが、会議で全く意見を言わない人、とりあえず時間内だけ参加していればいいという人。そんな人も会社には必要なケースがあります。全員が全員、主張が強くても組織は回りませんから、その8割の存在も絶対的に必要なのです。

しかし、だからといって全員に等しく価値があるかと言えば、筆者はこれを真正面から否定したいのです。そして、その前提のもとで仕事をしなければならないと考えています。

新入社員が陥る「期待値のズレ」

採用時に生まれる勘違い

新卒や中途で入社してきた社員を見ていると、非常にわかりやすい現象が起きます。まず、入社時点で「位置のズレ」が始まるのです。

会社は採用時に、候補者に期待感を持ってもらうため、どうしても良いことしか言いません。これは致し方ないことです。だからこそ、多くの人がどこか勘違いして入社してきます。「自分は期待されているんだ」「みんなとは違うんだ」くらいの感覚で入ってくるのです。

しかし、どんなに能力がある人であっても、まずは会社の事業内容を理解することが最優先です。そして、入社したばかりの時点で偉いなんてことはまずありません。会社、組織、チームの一員として、直属の上司が求める役割を全うする——これが全てなのです。

多様性を盾にした甘え

それなのに、「多様性」という言葉のもとで、こんな主張をする人がいます。

「期待されて入ったのに理解してくれない」
「やりたいことをやらせてもらえない」

これは完全に間違っています。そんなことを思っているうちに、あなたはあっという間に8割の側、つまり誰にでも代わりが効く社員の仲間入りをしてしまうのです。

少なからず、自分で選んで、自分から入りたいと志願して、わざわざ何回も面接を受けて入った会社なのです。自分という「個」を主張する前に、まず会社を理解してください。特に入社して最初の3ヶ月でイメージは決まります。だからこそ、少し無理をしてでもキャッチアップをしたり、努力をすべきなのです。

どんなにスキルがあっても、入ったばかりで信用なんてありません。尊重してもらえると思うのは大きな間違いです。一番後ろに並んだと思って、まずは努力をする——これが事実です。

既存社員も油断してはいけない理由

長く勤めているからといって安心できない

新しく入った人のことを先に書きましたが、長く勤めている人も同じです。「自分は長くいるから尊重されている」と思うのは大間違いです。

会社の中での競争はもちろんですが、ビジネスというものは、市場という会社員からは目に見えないような巨大なマーケットで、他社、下手をすれば他の国の企業とも戦っているのです。

組織の勝利が最優先

そんな戦いの中で、個の尊重なんてしている場合ではありません。いかに組織として勝っていけるか——これが当たり前です。多様性だからといって「自分は自分で」「多様性の時代にそんなこと言われても」などと主張している間に、あなたの価値は一気に下がっていきます。

会社に雇われているのですから、個人である前に、仕事の時間は上司に与えられた役割を全うして会社に貢献する。これが全てなのです。

もちろん、残業をしろ、土日も働けといったことを言っているわけではありません。あくまで考え方や心持ち、そして「多様性」という言葉ばかりに流されていると、価値がない人間になってしまうということを、残酷なまでに伝えたかっただけです。

実例:実力があっても評価をしなかったケース

実際に筆者が経験した話をさせてください。

実力やスキルも非常に高く、責任感もある部下がいました。しかし、評価をすることができなかったのです。数字の結果もさることながら、この「個を尊重してほしい」という思いがあまりにも強く、会社として、組織としては評価ができなかったためです。(それを凌駕するほどの圧倒的な数字があれば変わっていたのかもしれませんが……)

感情で仕事のパフォーマンスを左右する危うさ

その社員は女性だったのですが、とにかく感情の浮き沈みが多い方でした。口を開けば「誰々が嫌いだから提案を代弁してほしい」「私は頑張っているのに誰々は頑張っていない」「私の頑張りをもっと見て!」といった発言が続きました。

確かに、その方の働きぶりを見れば頑張っていました。しかし、誰が好きとか嫌いで仕事のパフォーマンスに影響が出るようでは、そもそも組織として重要なポジションには置けません。ましてや部下をつけることなど到底できないのです。

個を尊重するのであれば、「実力があるから評価してあげよう」となるのかもしれません。しかし、組織として見た時に、その役割やポジションにマッチするかどうかは別問題です。絶対にマッチしないのです。

あなたに問いたい「わがままを言っていませんか?」

あなたはどうですか?

多様性の時代だから、もっと自分を尊重してくれ——そんなわがままを言っていませんか?

個を尊重されたい、自分は自分で生きていきたいというのであれば、自分で会社でも事業でも立ち上げて、好き勝手やればいいじゃないですか。これが結論です。

多様性という言葉に惑わされるな

少し厳しいことを書いてきましたが、伝えたかったのはシンプルなことです。

「多様性」という言葉に惑わされずに、自分のやるべきことを徹底しましょう。

  • 新人であれば、まず組織を理解し、信頼を勝ち取る努力をする
  • 既存社員であれば、長くいることに甘えず、常に組織への貢献を考える
  • 個を主張する前に、組織人としての役割を果たす

これらができて初めて、あなたは本当の意味で「価値がある人材」として認められるのです。多様性とは、無条件に個性を認めることではありません。それぞれが組織に貢献する中で、その個性が活きる——それが本当の多様性なのではないでしょうか。

会社員として働く以上、組織の一員であるという自覚を持ち、まずは与えられた役割に全力で取り組む。その姿勢こそが、あなた自身の価値を高め、結果として尊重される存在になる唯一の道なのです。

**この記事を読んだ1人でも多くの方が、「多様性」という言葉の本当の意味を理解し、組織での自分の立ち位置を見つめ直すきっかけになれば幸いです。**そして、向上心を持って日々努力している皆さんが、職場での悩みや迷いを1つでも減らすことができれば、筆者冥利に尽きます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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