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「後輩の指導が苦手…」を解決!Z世代も変わる2つのルール指導法

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この記事を要約すると…
  • 後輩に全てを教えるのは不可能だと理解し、「姿勢のルール」と「行動のルール」の2つに絞って指導する
  • 姿勢のルールは挨拶や時間厳守など実力に関係なくできること、行動のルールはKPI達成など実力が伴うもの
  • 「Z世代はわからない」という考えを捨て、世代論ではなく一人の社会人として向き合うべき
  • 仕事がうまくいく方法まで教える必要はない。基本ルールさえ身につけば後輩は勝手に成長する
  • アクションを起こさない後輩には報告フォーマットを活用し、能動的に質問や進捗を持参させる

何を教えても伝わらない。何度同じことを説明しても改善されない。

そして最後には「最近の若者は理解できない」「Z世代は本当に大変だ」とため息をつく。

もしかして、あなたもこんな経験をしていませんか?

私は32歳で大手ベンチャーの役職者として働いていますが、長い間この後輩指導の悩みに苦しめられてきました。しかし、ある日気づいたんです。後輩指導を複雑に考えすぎていたということに。

この記事では、後輩指導で疲れ果てているあなたに向けて、私が実際に体験した「指導の真実」と、そこから見えてきたシンプルで効果的な指導方法をお伝えします。読み終わる頃には、もっと効率的で、かつ成果の出る後輩指導を手に入れることができるでしょう。

目次

大前提:後輩に全てを教えるのは無理だと理解する

まず最初に理解すべきことは、後輩に全てを教えることは不可能だということです。これを受け入れることから、効果的な後輩指導が始まります。

多くの先輩が後輩指導で挫折する理由は、「完璧に育てなければ」「全てのスキルを身につけさせなければ」という責任感にあります。確かに責任感は大切ですが、現実的でない期待は自分も後輩も苦しめるだけです。

では、何に集中すべきか。それが「姿勢のルール」と「行動のルール」の徹底です。この2つに絞って指導することで、効果的かつ現実的な後輩指導が可能になります。

私が「一人ひとりに合わせた指導」で失敗した理由

実は私も最初は、多様性を重視する考えでマネジメントに取り組んでいました。「一人ひとり考えが違うから受け入れてあげて、その人その人にあったマネジメントをしよう」と考えていたのです。

しかし、この考えには大きな限界がありました。

例えば、出社かリモートワーク一つとっても、メンバーの考えは大きく異なります。家でやりたいという人の中には、「通勤電車が嫌です。暑い、寒い中外に出るのが嫌なんです」という個人レベルの嫌悪感から来る人もいれば、「出社は、シンプルにコミュニケーションコストが逆に嵩んでしまっている。出社していれば面と向かって1分話せば解決することも、わざわざ相手のスケジュールを見たり、連絡するのに気を使ったり、会社にいればすぐ解決できることもできない」と論理的に考える人もいます。

そもそも人によってレベルが違うのです。どっちが上とか下とかではなく、単純に着眼点や価値観が違う。

一人ひとりに合わせようとした結果、私は疲弊し、チームを崩壊させそうになりました。チームはトップが崩れたら崩壊します。事業責任者というチームのトップにいる自分が崩れてはいけないと気づいたのです。

そんな時に出会ったのが「識学」というマネジメント理論でした。そこで私が取った方法が、識学の考えを参考にしたルールという決まりを設けることでした。お互い「ルールなので」と注意し合える環境作りを徹底したのです。

結果として、ルールによってコミュニケーションがスムーズになり、元からあるポテンシャルは個人差があるものの、教育に悩むということが基本的になくなりました。

指導の核心:「姿勢のルール」と「行動のルール」

姿勢のルールとは

姿勢のルールとは、職場で決められている基本的なマナーや習慣のことです。具体的には以下のようなものが該当します。

  • 朝の挨拶をきちんとする
  • 敬語を正しく使う
  • 出勤時間を守る
  • 日報を19時までに提出する
  • 身だしなみを整える
  • 電話対応の基本を守る

これらは新入社員でも意識すればできることであり、実力に関係なく帰属意識があれば誰でも達成可能です。「朝はおはようございますと同僚に挨拶をしようね」というレベルの話で、できない理由がありません。だからこそ、徹底的に教え込む必要があります。

行動のルールとは

一方、行動のルールは業績に直結する、実力が伴うものです。

  • KPI達成に向けた行動計画を立てる
  • 目標達成のための役割を全うする
  • 売上目標や訪問件数などの数値目標を意識する
  • 品質基準を満たすための行動を取る

姿勢のルールと違って、行動のルールは能力と連動します。そのため「達成していなかったら注意する」という単純な話ではありません。重要なのは、行動のルールに従って「KPIを達成するための役割を全うしよう」「行動計画をしっかり立てよう」という意識を持たせることです。

識学では、「姿勢のルール」を挨拶や身だしなみ、出社時間といった直接は業績に連動しないもの、「行動のルール」を売上目標や訪問件数など業績に直結するものと定義しています。能力に関係なくやろうと思えば誰でもできることが「姿勢のルール」、能力と連動するのが「行動のルール」というわけです。

「Z世代はわからない」という概念を捨てる

後輩指導が苦手な人ほど「Z世代やばい」「最近の若者は理解できない」と言いがちです。しかし、これは完全にナンセンスです。

考えてみてください。上の世代からしたら、我々ゆとり世代だって「やばい世代」だったはずです。どの時代でも「最近の若者は」と言われ続けているのが現実です。

世代によって、三浦カズがヒーローだったり、猪木だったり、本田圭佑、松井秀喜、イチロー、大谷翔平と、そもそもヒーローが異なります。見てきたものや触れてきたものが違うのは当然のことです。

Z世代が社会では一番若い世代だから目立つかもしれませんが、我々ゆとり世代だって、コミュニケーションツールが学生の頃からSNS中心になり、上の世代からは「飲み会に誘いづらい」「直接口頭で言わないで連絡してくる」などと文句を言われてきました。

Z世代は完全なデジタルネイティブ世代で、小学校の時からスマホを触っていた層です。テレビを見て育った世代とスマホを見て育った世代では、価値観が違って当たり前です。特にここ数年の新卒社員は、コロナにより大学生で一番遊んだり人とのコミュニケーションが広がるタイミングで、ずっと家にいることを強要された世代です。上の世代と価値観や経験が違うのは必然といえます。

しかし、だからといって「理解してあげよう」という話ではありません。世代や傾向で判断するのではなく、いち社会人として見るべきです。姿勢のルールと行動のルールを徹底させることに集中すればよいのです。

自分の指導ができない理由を世代のせいにする方が、よっぽどナンセンスです。

仕事がうまくいく方法まで教える必要はない

ここで現実的な話をしましょう。正直なところ、会社で働いている以上、「会社の売り上げを億単位で上げた」「人件費を減らして利益を抽出するためにリストラを断行し、会社の存続危機を救った」みたいな大大大エースはほぼいません。

基本的には経営陣の判断で会社は動いており、末端の会社員は役職という役割はあるものの、会社の骨組みを作っているなんて一握りの人間だけです。

そんなことを理解した上で、自分自身に当てはめてみてください。今まで、どこに行っても誇れる、誰もが理解してくれるような実績はありますか?現実的に考えて、ほとんどの人にはないものです。

であれば、「成功する方法」や「うまくいく方法」を教えようと肩に力を入れる必要はありません。とにかく姿勢のルールと行動のルールだけでよいのです。

基本さえわかれば、後輩は勝手に成長していきます。進まないのであれば、この2つのルール付けが根づいていないだけです。

アクションを起こさない後輩には報告フォーマットを活用する

「教えてもらうことが仕事」になってしまっているパターンが多く見られます。何も考えない、教える場でも質問がない、といった状況です。これではお互いにとって得になりません。

こうした場合は、指導の場や振り返りの場で報告フォーマットを作成し、必ず後輩側から質問や議題、課題に対しての進捗を持ってこさせるようにしましょう。これも姿勢のルールに含めてよいレベルの基本事項です。

報告フォーマットの例

  1. タスク/宿題に対しての進捗率
    • 数値で明確に示させる
  2. 進捗が悪い場合の理由/逆によい場合の理由
    • 自分で分析させることが重要
  3. 不足に対して次の週やっていくこと
    • 具体的なアクションプランを立てさせる
    • ここで指導する側は、不足に対しての行動量が足りているか、これを実施することで本当に目標は達成できるのかの妥当性を判断する
  4. その他、質問事項や要望など
    • 受け身ではなく能動的に質問させる

報告フォーマットがもたらした思いがけない効果

このフォーマットを継続的に使うことで、思いも寄らぬ効果が現れました。

私のチームに、感情の上下が激しく、かなりパフォーマンスの波も大きい後輩がいました。しかし、上記のフォーマットはロジカルな思考が必要とされるため、これを続けていくうちに、いつしか数字に強くなり、数字ベースで話ができるようになったのです。

性格は変わらないので感情の上下が激しいのは今も変わりません。もう30も超えて若くないのだから、喜怒哀楽を全面に出して仕事はするべきでないと何度も注意していますが…(笑)

それでも、感情の喜怒哀楽ベースの話から、感情が仮に怒であっても事実の数字ベースで話の内容ができるようになったため、建設的な会話ができるようになりました。これは報告フォーマットの継続使用による、予想外の副次効果だったのです。

基本的にはこのステップで十分です。

まとめ:シンプルに考えることが成功の鍵

とにかく「後輩指導が苦手」と自分で思っているからといって、テクニック論や相手を理解しようとする姿勢、無理に複雑にしてしまうことで、かえって難しくなってしまいます。

やることは何度でも言いますが、2つだけです。

  1. 姿勢のルールを守らせる
  2. 行動のルールを守らせる

これに尽きます。

姿勢のルールの中に「報告する際は必ず自分から議題を持ってくる」などを盛り込んで教えていけばよいだけです。感情論に持ち込まず、ルールを厳格に決めて教えてあげることが重要です。

後輩指導で悩んでいる方は、まずこの2つのルールを明確にし、それを徹底させることから始めてみてください。きっと今まで感じていた指導の難しさが、シンプルな仕組みで解決できることに気づくはずです。

複雑に考えすぎず、基本に忠実に。それが効果的な後輩指導の秘訣です。

この記事を読んだ1人でも多くの方が、後輩指導における無駄な悩みから解放され、より効率的で成果の出る指導ができるようになることを心から願っています。皆さんの職場での悩みが1つでも減れば、筆者冥利に尽きます。

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